ミスティーブルーのきらめき
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これまで楽しかった空気は一変し、島民たちは不安の声を上げ始めた。
私たちのせいでしょうか、とブルックが小さく呟く。
自分たちは海賊だ。
いくらなまえが参加を許してくれたとはいえ、招かれざる客であることは間違いない。
自分たちのせいで誰かが海軍に通報してしまったのではないか、という可能性は十分に考えられた。
もしそうならば、とんでもない大迷惑な状況を引き起こしてしまったことになる。
しばらくすると、たくさんの海兵が隊列を崩すことなく、まっすぐに祭り会場へと入ってきた。
自分たちの確保が目当てかと一味は構えたが、海兵は誰一人として麦わらの一味に興味を示す様子はなかった。
「急で失礼。なまえ殿はいらっしゃるか」
どうやら海兵の目的は、ルフィ達ではないらしい。
私ですが、と名乗り出たなまえの姿を見ると、先頭に立っていた海兵が敬礼をした。
「ジュエル島 なまえ殿。元帥サカズキより、海軍本部にてあなたを保護せよとの命令が下りました。急だが今すぐご同行願いたい」
『保護・・・?私がですか?』
急な内容に、困惑を隠せない様子のなまえ。
それもそのはず、保護される理由など心当たりもない。
マーサがなまえをかばうように、海兵との間に立った。
「元帥の命令ともなれば、よほどの大事ですな。孫娘を保護しなければならない理由を教えていただきたい」
そう言って海兵に理由を問うが、海兵は“元帥命令”ということだけを強調し、理由は教えられないの一点張りだった。
『申し訳ありませんが・・・今日は一年に一度の大切なお祭りの日なんです。明日まで待っていただけないでしょうか』
なまえの申し出に、海兵は一瞬、明らかに嫌な顔をした。
そんな様子を見たなまえは、明日の朝には必ず向かいます、ときっぱりと言い切ると、ため息をついてしぶしぶ承諾した。
「では、明日の朝。東の海岸でお待ちしていますので」
それだけ言い渡すと、海兵の列はくるりと踵を返し、隊列を崩すことなく戻っていった。
『おばあさま・・・』
これ以上島民の不安を煽らないようこの場を収めるために言ったとはいえ、覚えもないどころか理由すら教えてもらえないことに、なまえの不安は募っていた。
そんな彼女の手を、マーサはしっかりと握る。
そんな事の流れを黙って見ていたフランキーが、どう思う?とロビンに意見を求めた。
今までのやり取りや話の流れからして、彼は何かが引っかかっているのだろう。
それはロビンも同じだった。
自分たちの姿を見ても、何の反応も示さなかったこと。
頑なに保護する理由を教えないこと。
元帥命令と言って島を取り囲むほどの数の船を率いているのに、少将や中将など、立場の高い人間が同行していないこと。
彼女の的確な分析に、まったく同感だ、とフランキーは言葉を返した。
明日もう一度話をつけよう、とマーサがなまえに告げると、彼女は小さく頷いた。
『皆さん、お騒がせしてごめんなさい。さあ、お祭りを再開しましょう!』
島民の心配そうな声を吹き飛ばすように、明るく祭りの再開を告げたなまえの姿を、一味は何とも言えない表情で見つめていた。