ミスティーブルーのきらめき
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そこからはもう、お祭り騒ぎだった。
島民は歌い、踊り、誰もがこの時間をただ純粋に楽しんでいた。
「楽しんでおるか、旅の方」
皆に挨拶回りをしていたマーサとなまえが、一味の元へとやって来た。
サンジはなまえの姿を見るや、すっかり鼻の下を伸ばして甘い言葉を並べ始め、同性であるナミやロビンも綺麗だわ、と彼女の姿を褒め称える。
「なぁ」
食事に夢中だったルフィの目が、なまえの目をしっかりと捉えた。
「なまえ、おれの仲間になれよ」
船長が唐突に放った言葉はあまりにも予想外で、その場にいた誰もを驚かせることとなった。
「お前の歌が気に入ったんだ。だから仲間になれよ。一緒に冒険しよう!」
驚くなまえを前に嬉しそうに笑ったルフィの笑顔は、幼い子供のような純粋さを覗かせていた。
ルフィは良くも悪くも、自分がこうだと思えば、それがいくら常識外れだろうと、予想外のことだろうと、その通りに言葉を発して動いてしまう。
それは悪く言えば自分勝手で、わがままで、空気を読んだり他人の迷惑を考えることがない。
しかし逆に言い換えれば、どこまでもまっすぐで、素直で、嘘がつけないということでもある。
それは彼自身の良さでもあり、時には弱点でもある。
実際、彼のその言動によって今までいろいろな事件や問題を引き起こしたのも事実であり、しかしそれを乗り越えたのもまた事実なのだ。
ルフィはなまえのことを純粋に気に入り、仲間にしたいと思った。
ただそれだけの事なのだ。
『ありがとう、ルフィさん。だけど私は一緒には行けません』
その言葉に、なんでだ、と食い下がったルフィに、なまえはまるで子供に語り掛けるように優しく言葉を続けた。
『私は島を守るべき者。この力で皆の幸せを守り、島をもっと発展させてゆくこと。それが私の務めであり・・・夢でもあります』
その言葉は、本当にこの島を愛し、大切に思っている気持ちの表れだった。
困らせるようなことを言うな、とサンジから咎めるように言われると、ルフィは少し肩を落とした。
そういえば、と続けてチョッパーが話を切り出す。
「なんかその扇、光ってたけど・・・それ、すごいのか?」
なまえの手にある、七色の扇。
それはチョッパーだけでなく、誰もが持っていた疑問だった。
『これはジュエル島に伝わる、伝説の扇です。
虹神が昔、我々の遠い先祖にこの扇に自らの力を込めて、渡したとされているもの』
赤は炎。
橙は光。
黄色は雷。
緑は大地。
青は水。
藍は海。
紫は風を司り、この七つの自然の力を操ることが出来るのだという。
『この力は、選ばれし者しか使うことを許されない神の力。代々、我々一族しか触れることすら出来ないもの。悪しき者が扇に触れると、怒りの炎でその身をたちまち焼き尽くされてしまうと言われています』
悪魔の実よりもすごそうな力だな、とゾロが呟く。
最年長のブルックでさえ、七つの自然を自在に扱う能力など聞いたこともなかった。
けた違いのスケールの話に、ルフィとウソップ、チョッパーは目を輝かせる。
わいわいと賑わっているところに、血相を変えたひとりの島民が、大変だ、と叫びながら走ってきた。
「大変です、マーサ様!なまえ様!」
そのあまりの慌てぶりに、一体何が起こったのかと、周りの人々の注目を集めた。
「か、海軍が・・・島を取り囲んでいます!」
祭りの最中だったので気付くことはなかったが、
ジュエル島は、四方八方を海軍の船に取り囲まれていたのだった。