16話
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「ただいま」
「お帰りなさいお兄ちゃん旭陽君も」
お兄ちゃんの手には大きな袋がいろいろとあって
「随分と」
「まぁね。中也が異能で玄関まで荷物を一気に送ってくれたおかげだよ」
成程ね。中也君を使ったのか
「それでもって、中也が夕飯を作ってくれるらしい」
「え?」
「茉白も疲れてるだろうからってさ。ただ帆花ちゃんが熱を出しているから家を離れるわけにもいかないだろう」
「そうだけど」
夕飯くらいあたしが作っても全然良かったのに
「勿論、旭陽君の分もちゃんとに作ってくれるさ」
「僕も食べていいの!?」
「当り前だろ。ガキはうんと食って大きくなりゃ善いんだよ」
「あ、さっきのお兄ちゃん」
「中也君。ありがとう」
「構いやしねぇよ」
冷えピタを出してくれたお兄ちゃんとアイスノンを冷凍庫にしまってくれている中也君
「取り合えずこれで冷やしておこう。少しはマシになるだろうからね」
「うん」
冷えピタを張りに部屋に行くと
「本当。子供って感じだね」
「うん」
冷えピタを張ると
「成程。朝と服が違うと思ったらあの子が離さなかったのだね」
「流石に離すのも可哀そうだったからね」
リビングに行くとおいしそうな匂いがしていて
「流石中也君。あたしもあれくらい手際が良かったらなぁ」
「十分手際が良いじゃないか。私たちがいない間に2つも部屋を片せていたんだ」
「そうだけど」
それはこの子たちが使うための部屋だからであって
「おら。出来たぞ」
テーブルに乗って居る料理はどれも帆花君が食べてみたいと言った料理ばかりらしい
「一体どんな生活をしていたらこんなほっせぇガキになるんだよ」
「さぁ。寧ろ子供達よりも自分たちの生活だったんだろう。津島の家の状況が傾いているのも事実としてあるわけだしね」
「そうだね」
あたし達が座って旭陽君が食べているのを見ていたときだった
「茉白ちゃぁん…」
「おやおや」
「起きたみたいだね」
ゆっくりと歩いてくる帆花ちゃんは小動物みたいであたしの方まで来たと思ったら毛布事足にしがみ付いてきて
「善く寝たね」
「うん。のどかわいた」
だろうねぇ
お兄ちゃんがコップにストローを指してくれていて
「飲めるかい?」
「のんでいい?」
「いいのだよ。帆花ちゃんに買ったのだから」
椅子に座らせるとゆっくりとコップを持って飲んでくれた帆花ちゃん
「ねぇお兄ちゃん」
「ん?」
「7歳という事はこの子たち学校は」
「行っていたのだろうけど恐らく異能力を持っているせいで学校にもなじめていないのかもしれないね」
「「あ…」」
ふふと笑ったお兄ちゃんに
「こっちに転校の手続きをしておこう。探偵社に近い学校を探しておくよ」
「大丈夫?」
「勿論だとも」
「ただし、旭陽君も帆花ちゃんもここでの生活に慣れて、帆花ちゃんの熱が下がってからだよ」
「え?」
そっか。お兄ちゃんはきっとこの子たちに暫くは休んでもいいと教えてくれているのだ
「家の事も忘れて、少しだけ自分の時間を作って良いってことだよ」
「そっか!」
