16話
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「だから龍頭抗争があった時お爺様が無くなったのを訊いたのがショックでお爺様の死すら受け入れるなんて事が出来なかった」
「そうかい。茉白は今でも大佐がお爺さんだと思っているのだね」
「うん」
「それでいい。茉白には茉白をちゃんと見てくれている存在と、見てくれていた存在の人がいるという事を忘れてはいけないよ」
「え?」
「茉白も、もう休んでおいで」
「お兄ちゃんは?」
「私は未だする事があるからね」
まだ…する事がある?
することなんてないと思っていたのに
「そっか。お休みなさい」
「あぁ、お休み」
あたしは子供たちの隣の部屋…つまりはお兄ちゃんの部屋で寝ることに
お兄ちゃんがあぁ言う時には寝ないという事も知って居るからだ
==
翌朝、普通に起きるとすでに子供たちも起きていて
「おはよう茉白」
「おはよう?」
うん?お兄ちゃんが子供たちといるのはなんとなく理解できるし同じ兄妹だから分かるのだけれど
「不思議そうな顔をしているねぇ」
「うん。不思議だもの」
「「なにがー?」」
ドタバタと走ってきた子供たちに
「アブねぇからあの木偶の所に居ろっつったよなぁ?」
「えー」
「茉白ちゃんが此処にいるから私もこっちがいいー」
「お前網懐かれてんのかよ」
「特段変わった事なんてしてないんだけどなあ」
「そうかよ」
昨日のポトフを温めてくれていた中也君は他にもおかずを作ってくれていて
「メシ、出来たぞ」
その言葉にドタバタと再び来るとあたしとお兄ちゃんが使っている椅子ではやはり届いていない様で
「昨日はどうやって食わせたんだよ」
「あっちのリビングで」
「成程な」
リビングに迄持って行ってくれた中也君について行った子供たちは
「これ、全部食べていいの!?」
「おう。食え食え。食う奴は育つぞ」
食べ始めた子供たちを見た後
「悪いね中也」
「仕方ねぇだろ。てえぇはこれから出かけるのに車がねえ此奴がどうやってこいつらの支度するんだよ」
「洋服はこれでいいよ?」
「あ?何言ってやがる」
「洋服なんて着られるだけ着て着られなくなったら取替えるって聞いたもん」
ちっと舌打ちをしたお兄ちゃんと中也君
「お兄ちゃん?」
「矢張り津島は潰そうか」
「マジか」
「子供たちに不自由に生活をさせておいて自分たちは何不自由なく生活しているなんて可笑しいだろう」
「まぁ、お兄ちゃんの言う事も分かるんだけどね」
「どういう」
「あの子たち、昨日プリンを見た時に見たことがないって。食べたこともないって言ったの。お風呂もそう。いつもは冷たくなったお風呂に異能で温めて入ってたって。布団だって家の中にいるからって薄い布団しかなかったって。あたしにそう言ったの」
不安そうな顔をしている子供たちが下を向いて震えてしまったのが分かってしまった
「成程な」
「という事で、私は夏目先生にも会ってくる。子供たちの今後を先生に相談してくる」
「そうかよ」
頼んだよ。そう言ったお兄ちゃんは家を出て行って
