16話
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「「するー!」」
子供達も一緒にキッチンに入って来ていて
「もう少しだけ待って居て。味を染み込ませたいの」
「おや。という事は今日はポトフだね?」
「「ポトフ?」」
「そう。お兄ちゃんの言う通り。今日の夕飯はポトフだよ」
「仏蘭西の家庭的な伝統料理だね」
「うん」
ふと思ったのが居れる器がないという事だ
「お兄ちゃん。選択ミスったかなぁ?」
「どうかしたのかい?」
「子供たちの淹れる食器がない」
おやおやと言ったお兄ちゃんは
「では今日はお椀で我慢しておくれ」
「食べられればなんでも」
「いい」
そう言った双子の姉弟に
「どうして?」
「食べさせてもらえることに感謝をしろって」
「異能も制御出来ないのに食べる資格は無いって」
「あの人の言いそうなことだ。だが私と茉白は違うという事を覚えておくと良い。異能力が在るからとかないとかで人を判断することはまずしない。何故だか分かるかい?」
2人で顔を見合わせていたけれど答えは出ないようで
「確かに異能を持つ者が少なからずこの世にはいる。私たちを含めてね。そしてその力で成功する者も居れば身を滅ぼす者も居る。君たちが津島の家出暴走させてしまったのは後者の方だ」
「そんな…」
「あれが成功だと…お父さんとお母さんは言っていたのに」
「あれで成功だというのならそのままの方が良かった?」
「茉白?」
「あれが成功だというのなら津島の家は今頃灰となり両親も焼け貴方達だけが残るの。その異能力の力でね」
「…え?」
「厳しい現実だけれど茉白の言う通りだ」
「だからこそ、お兄ちゃんがいる所で異能の勉強をした方がいい。制御が出来ないのなら出来るようになるまであたしもちゃんとに向き合うから」
「茉白」
「茉白ちゃん?」
お椀にポトフをよそって食べて貰った後子供たちだけでお風呂に入るという意見を尊重してお風呂場に案内した後
「茉白」
「ごめんお兄ちゃん」
「いや構わないのだけれど」
「あの子たちがお父さんに自分と同じことを言われているってなったらどうしたらいいのか分からなくなっちゃった」
「だろうね。だけど茉白は自分の意思もちゃんと持っている子だから其れで間違いがあっても私だけではない。探偵社にもポートマフィアの中にだって。勿論異能特務課にだって茉白にはちゃんとに言ってくれる人間が大勢いるだろう」
あ…
「だから自分1人で何でも背負い込まなくてもいいのだよ。それは君たちにも同じことが言えるのだけれどね」
え?君たち?
お兄ちゃんの目線がお風呂場の方に向かっていてドアを開けると子供たちが立っていてどう見てもまだ入っている形跡が見当たらない
「大丈夫だよ。津島の家には此処にいることは知らせない。安心して」
「これ…」
そう渡されたのは子供用の携帯だ
「まさか」
「はい。両親が何かあった時にと付けているので」
そう見せられたのは確かに追跡が出来るようになっていて
「うーん…」
「取り合えず1度切ろう。君たちには新しいものを渡すことを約束する」
「でも」
「大丈夫だよ」
お兄ちゃんの言葉は安心できるようで2つとも出して来た子供たちの子供用の携帯の電源を落としたお兄ちゃんは
「ねえ、もしかしてだけど」
「茉白が思っていることで当たりだよ」
