16話
名前を入れて読んでね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
異能を暴走させてしまったせいか子供たちは眠りについていて
「寝ちゃったね」
「あぁ。異能を暴走させたんだ。疲れたんだろう」
「太宰兄妹。与謝野医師が診察してくださるそうだ」
「そうですか」
「国木田君」
「何だ」
「悪いんだけど子供たちを先に車に乗せてくれ給え」
「あ?あぁ」
国木田さんに子供を託すと
「さぁて」
「何だ」
「何だ。ではないでしょう?子供たちに8年前あたしに言ったセリフを曼参ってくれていますね。制御も出来ない役立たずだと」
「其れが何だ!本当の事だろう」
「じゃあ、子供達を一時的に預かりましょう。制御出来た後子供たちがこの家に帰って来たがるかどうかです」
きっと帰りたがらないだろう。津島でいいように使われて制御出来ても暴走させる可能性が非常に高い
「帰って来るだろ。あの子たちにはこの津島という苗字がある限り此処にしか帰って来るしか他に居場所などありはしないのだ」
「ならば、なぜ8年前あたしとお兄ちゃんを追い出したのですか?あの時にはまだ発現すらしていなかったもののこうして異能が発現した可能性も有ったと言うのに」
「興味ないな。津島の人間ではないお前たちになど」
「まぁその返答も想定済みですよ」
「お兄ちゃん?」
「太宰」
「あぁ。今行くよ」
「おい」
「何ですか?」
「ではこの家に茉白を置いていけ」
「何を言って」
国木田さんが動揺したのが分かってしまった
だけど、そんな事言われてもなんとも思わないのがあたしだ
「おや。太宰君に茉白ちゃん」
「森コーポレーションの」
「「首領」」
「どうかしたのかい?」
「あぁ。この家の子供たち分かります?」
「あぁいるねぇ。幼い子供が2人。だが其れがどうかしたのかね」
「この家で起きた火災。異能力だったんですよ」
「ほう」
「で。子供たちをお兄ちゃんがいるからと探偵社で見て貰おうとしているのですが」
「茉白ちゃんに残れと言って来たわけだね」
「はい」
森さんはお父さんの方を見て盛大な溜息を1つはくと
「諦め給え。茉白ちゃんを此処に残すという事は探偵社を敵に回すことになると何故気が付かない。ましてや太宰君相手では逃げる事すらできないだろう」
「な!?」
「諦めも肝心だという事だよ。茉白ちゃんも早く車に乗りなさい」
「首領?」
「探偵社で待って居るのだろう?それに異能を暴走させたというのなら早く見せてあげた方がいい」
あ…そうだ。あの時、8年前にもあたしとお兄ちゃんには同じことを言っていた。
「ありがとうございます」
「かまわないよ」
車に乗り込んだあたしとお兄ちゃんは国木田さんの運転で探偵社に戻ると
「随分と小さな子供を」
「津島の…あたしたちの本当の兄妹」
「ん…」
「帰って来たか」
「早く与謝野さんの所に連れて行ってあげな。診察できる準備はすでに出来てるよ」
流石は与謝野さんだ
「ありがとうございます」
