16話
名前を入れて読んでね
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まぁでもお兄ちゃんが対応をしてくれているのなら
「悪いんだけどちょっと着替えてからまた戻って来るわね」
「え?あ…はい」
探偵社を出てセーフハウスに戻るとポートマフィアにいた頃の服が出てきて
「懐かしー」
この服はあの時代にお爺様である大佐から初めて買ってもらった洋服だ
来てみればまだ着られる様子で
「これでいっか」
スカートの下にもちゃんと着ていて
「戻りましたー」
「お帰りなさい」
「随分と」
「印象がなさそうな服を着ているんですね」
「大分昔の洋服よ。お爺様に買ってもらった最初で最後の洋服」
会議室にノックをしてから入ると
「お帰り茉白」
「茉白!」
「ただいまお兄ちゃん。で?誰ですか貴方方は。何故あたしの名前を知って居るのですか」
「あの時は暗くて分からなかったようだね茉白」
あの時?
「独立暗殺部隊との戦いのときに来ていただろう。茉白の本当の親でもあるわけだけど」
あー…そう言えば来ていたかもしれない
「津島の家の人間が何の御用ですか」
「貴方達を津島に戻そうと思ってね。この間見た子供たち居るでしょう」
「そう言えばいましたね」
「あの子たちは既に異能を発現しているのだけれどセーブが出来ず、力の加減も出来ていないのよ」
「で?」
で?
「だから何だというのです。私も茉白もあの子たち位の時に異能が発現しなかったという理由だけで津島を追い出したのは貴方方でしょう。
それに、私も茉白も今の太宰といういただいた苗字を気に入って居る。ましてや茉白も私も家族構成を公にしてもらったので分かるでしょう。親というものは存在していない。貴方方とはすでに独立をした人間だという事を証明しているのです」
「な…」
「今の津島がどういう状況なのかは私にも茉白にも興味なんてものはありませんよ。あの子供たちの姓で津島が滅びるというのなら其れ迄だったという事でしょう」
「だから…!」
「あたしは津島がどうなっても構わないと思っていますけどね。捨てられたあの日から」
「え?」
「あたしの家族だと言えるのはお兄ちゃんだけです。そしてあたしを拾ってくれたのはポートマフィアで、父親代わりをしてくれていた森さんに孫のように可愛がってくれて教えてくれた祖父が居てくれて、姉のような人も兄と思える人もいる。それはこの探偵社でも同じことです。
父親のような存在の社長がいてくれるからこそ、お兄ちゃんと同じくらい信用できる方もいます:
「え?津島に帰ってくれば」
「その様な人間が存在しますか?あたしをあたしだと見てくれていい事も悪い事も教えてくれた人もいる。そんな存在の人が津島にいるとは到底思えませんけどね」
「何ですって!」
怒りをあらわにしてきた津島の人間を他所に
「太宰さん。御話し中申し訳ありません」
「いや。構わないよ」
谷崎さんが持ってきてくれたのは何かの書類の様で
「それと茉白ちゃん」
「はい?」
「これを。乱歩さんは茉白ちゃんに渡せばいいって」
「ありがとう」
手紙をもらい受けお兄ちゃんの隣に座ると
「あら。もうすでに津島の一族は偏りかけているのですね」
