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「ねぇ織田さん」
「何だ」
「鏡花ちゃんって優しい子だね。まるでさくらちゃんを見ているようで妹が出来たようで嬉しかったの」
「そうか。茉白がそう言うならそうなんだろう」
「それにね。一寸だけ本当に一寸だけ織田さんに似てるところもあるんだよ」
「それは興味深いな」
なんて話をしていると白鯨から出て来た敦君と芥川君
「お疲れだな。敦」
「お疲れ様でした」
「織田さん、茉白ちゃん」
「光に生きる希望さえ抱かなければ、ムダに散らずに済んだものを」
芥川君たちは鏡花ちゃん達が死んだと思っているのか
「どうでしょうね、それは」
「何?」
何のために此処に織田さんをお兄ちゃんが配置したと思っているんだろうか
「これで良かったのだよ。敦君」
「あっ!」
お兄ちゃんと一緒に出て来た社長
「「社長」」
「太宰さん…社長?」
「んっ」
「鏡花ちゃんは自分に勝ち、街を救った。探偵社に相応しい高潔さでね」
「でも、彼女が死ななくちゃならない理由なんて、どこにも」
「確かに厳しすぎる結末だね。自分の生き方に戸惑いを感じていた鏡花ちゃんと話をしてくれたのは茉白だ。そして生きるも死ぬも選ばせたのも茉白だ」
「え?」
「何?」
何で2人で驚くのよ
「そうだね。でもあたしは言ったわよ。彼女が死ねば悲しむ人もいるという事を。だから選ぶのは鏡花ちゃん自身だという事も」
「!?」
「でも、そうしなくてはならない理由があったのだよ」
「理由?」
「敦君。茉白が私と一緒にいた理由は鏡花ちゃんの不遇が似ていたのだよ。茉白の受けていた不遇に」
「!?」
「特に芥川君。君は茉白の事をよく思っていないようだしね」
「な!?」
「だから茉白に鏡花ちゃんと話すタイミングが欲しくて私と一緒に居させた
織田作に関しては有能な異能力者だ。自分に降りかかる数秒先が見える。だから此処に配置しておけば数秒先の結果が見えるからでもある」
「そうなんですね」
そしてここに社長がいて乱歩さんがいない。その理由は1つ
「私の異能力
「その効果は異能の出力を調節し制御を可能にする力だ」
「敦君が虎の異能力をある程度操れるようになったのも探偵社に入ったからですよ。そして鏡花ちゃんは」
「無事に入社試験に合格したしな」
「衝突の直前にね」
まぁ、若干お兄ちゃんが裏でしてくれていたおかげもあるのだろうけど
「それが如何いう事か分かります?敦君」
お兄ちゃんと社長の後ろに異能力で出て来た鏡花ちゃん
「白雪の刀で鎖を切って脱出した」
あの時はあまり見ることが出来なかったけど
「ただいま」
そう言った子は年相応の表情でいてくれて
慌てて走り出した敦君に抱きしめられていた
「お帰り」
「痛い…」
「ごっごめん…」
「悪かったね2人とも。秘密にして」
「ん?」
「そうでないと入社試験の審査にならなかったから」
「もしかして、最初から全部…」
「そうですよ」
「敵は打ち倒され鏡花ちゃんは合格した」
「上手く言ってよかったですね。お兄ちゃん。社長」
「太斉さん!」
「「ん?」」
あたしとお兄ちゃん2人で芥川君を見ると
「もはや邪魔する者はいない!今日こそ僕の力を…」
「どうでしょう」
「どうかな。もう限界に近いのだろう」
「なんせ敵の長を倒したんだからな」
「そんな事、僕は!」
「強くなったね」
そう言ったお兄ちゃんはきっとポートマフィアにいた頃からちゃんと見てくれていて。
ただただ強くなるだけだと無意味だと教えてくれていた。其れを今回ちゃんとに見せてくれたのだ
「でも茉白に対する礼儀はまだまだかな」
「な!?」
「早くしないと茉白も取られちゃうからね。芥川君」
??
どういう事?なんて思うのはよしておこう。どうせあたしは芥川君に嫌われている身だ
ふらぁーっと後ろに倒れ込んでしまった芥川君
「鏡花ちゃん」
織田さんの横から鏡花ちゃんの所に行くと、持っていた上着を羽織らせたあたしに
「何で」
「何でだろうね。でも同じ境遇だったから鏡花ちゃんを見捨てるなんて事あたしには出来なかった。寒いから其れを着て寮に帰って着替えてね」
「上着」
「あげる。入社祝に。紅葉さんにも連絡してあるからいずれなにか貰えるかもしれないね」
織田さんの隣に戻ると
「いいのか太宰の横じゃなくても」
「いい。織田さんの隣に居たいんだもん」
「そうか」