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「織田作。頼みがある」
「何だ」
織田さんの車で、ある場所に行くとあたしも一緒に降ろしてきて
「お兄ちゃん?」
「茉白は鏡花ちゃんと少し話をして欲しい」
「あ、うん。分かった」
織田さんにある場所に向かうよう伝えると分かってくれたようで
「なんであの場所に織田さんを配置したの?」
どうせ、最終的にはあたしもお兄ちゃんも向かうべき場所だ
「其処に白鯨が落ちるからだよ。落ちる数秒先を見られるのは織田作しかいないからね」
織田さんに迄危険な事を…
中に入るとお兄ちゃんは司令塔として作戦を開始している
「太宰さん。潜入しました」
「中の様子は如何だい?」
そのお兄ちゃんの質問の後しばらく間が開いたのだけれど
「誰もいません。妙です」
誰もいない?そんな事在るはずがない
「先に地上に降りてきている可能性が高いのかも」
「そうだね」
ギィと言ったドアを開く音が聞こえたのを逃さなかった
「敦君?一体どこに」
「うわっ!」
!?
敦君の驚いた声にお兄ちゃんと顔を見合わせたあたし。白鯨の中で先制攻撃でもされた?なんて思っていた
「次の一撃で組合の敵は全て灰となる。この
「如何いう事だ!」
「おおかた手薄な隙を狙った心算なのであろう。だがこのタイミングで組合の主力が白鯨を離れる動き不自然と思わなんだか?」
組合以外の人間が灰になる
組合の主力の人間が白鯨にいない。
「既に始まっているのかも。地上戦での総攻撃が」
「だろうね」
なんて話していると
「落下地点には探偵社とマフィアの拠点も含まれる?」
マフィアがどうなろうが知った事じゃないが探偵社が潰されるのは非常に困る
「後1時間足らずで地上に激突する」
まぁ、最悪の事態を想定はしているだろうお兄ちゃんの事だ。だからこそお兄ちゃんは其処に織田さんを配置したのかもしれない
「確かに、この白鯨は儂の異能力じゃ。じゃが今や内部の7割を兵器置換され、最早儂に操作能力は無い」
そう聞こえたお爺さんの声
「訊きましたか?太宰さん。すぐ作戦を中止して避難しないと」
「何故すぐ逃げようと考えるのです」
「え?」
「作戦に変更はない」
「はい?」
「茉白も言っただろう。何故すぐに逃げるのだと。言っただろう。キミの手で白鯨をコントロールし落下を阻止するんだ。それが出来るのは今、白鯨にいる君しかいない」
「この事態を予測していたんですね」
「可能性の1つとしてね。それも含めて君が適任者だと判断した。やれるかい?」
「落下を止めるにはどうすればいいんです?」
「制御端末を使うしかない」
制御端末?
このお爺さんの異能で止められず端末を持っていない。となれば
「最上階の執務室じゃ。無論警備は厳しいがな」
「どういう」
「敦君」
「茉白ちゃん?」
「そのお爺さんが言っていることが本当なら最上階の執務室。フィッツジェラルドが持っている可能性が非常に高いです」
「!?」
「ありがとう。全員避難したのなら何故貴方は此処に残っているんです?」
「この白鯨が異国の地に落ちて人々を皆殺しにするなら」
「!?」
「せめて儂も共に落ちようと思う」
あの時と同じだ。6年前の抗争の時もお爺ちゃんは同じような事を言って亡くなった
「茉白」
「お兄ちゃん。このお爺さんはお爺ちゃんと同じような事を云うのね」
「そうかい」
「機械の体となる前の白鯨は美しかった。かつての組合がそうであったように」
そう聞けた直後、内戦が入ったのだ
「はい」
「ご機嫌かね?太宰君」
「ご機嫌なわけがないでしょう。茉白が半泣き状態ですよ」
半泣きですらないのだけれど