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そう思った瞬間、小説世界から出て来たあたし達
「戻った」
「バ‥馬鹿な…あの謎が解けるはずがない!」
そう言った男の人は後ろに下がって行って
「いや。中々刺激的だったよ。真逆茉白が囮になるとは思いもしなかったけど
まぁ、キミのミスは1つだけ。僕に勝負を挑んだことだ」
「犯人が分かったのであるか?」
「勿論」
そう言った乱歩さんはやっぱり異能力者ではないと思わせざるを得なくて
「犯人は…僕だ」
!?
「どういう…」
「密室トリックも何もない。主人公が被害者を殺し、作者が意図的にその描写を省いたんだ。
ただ今回のトリックで革新的だったのは、僕が小説に入った瞬間犯人が消滅してしまう仕組みだ。いくら血眼で探しても犯人はもうどこにもいないわけだからね」
「何故真相がわかった?」
「密室殺人…あれはやりすぎだよ。誰かに容疑を向けるのならともかく、密室迄作る理由が犯人にはないもの。で、気づいた。
犯人と作者はグルだって。証拠はレンガ壁の下の隙間に捨ててあった殺害用の手袋。被害者が死ぬ間際に刺したものだ」
あの管理人壁を指していたわけじゃなくて、その証拠を指さしていたというの?
「全く気付かなかった」
「其れはあたしも同感だねぇ」
「しっ…然し、2番目の犯行は?犯人は既に消滅していたのであろう」
確かに。あたしはあの刺されたとき犯人を見ていない
「そっちはさらに単純」
「単純?」
「そう単純。そういう自動機械を使っただけ」
自動機械?
「うっ…はぁ…」
「室内の磁場を局所操作して金属を被害者に叩きつけた」
「そんなものが可能だと思うのであるか?」
確かに、そんなものが可能だったら…
「何だってありだ。それが2つ目のミスディレクションだからね」
「え?」
今のが2つ目のミス?
「ヒントはそこら中にあった。妙に最新鋭の医療器具。字前じゃなく、館所有の服を着た登場人物」
あの服って自前の服じゃなかったんだ。あたし達はあの空間に飛ばされた人間だから館所有の者かと思ったけれど
「この小説の舞台は2050年だ。天空へと続く巨大な軌道エレベーターに付設された休憩施設。それがあの館の正体だ。まぁ、どんなに難解な推理小説も作者の意図が読めた時点で半分は解決さ」
「流石は乱歩さんです」
「当然だね」
「莫迦な。我が輩の6年が…」
そう言って床に座り込んだポオと言っていた人
「知的技術は昔よりステキになってたけど、その差が出たね」
歩きながらそう言った乱歩さんは例の空中要塞の資料を取って居て
「何?」
「乱歩さん?」