11話
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離れて行った彼らを見ると
「どうせ、其処等辺に隠れてるよ」
「え?」
「だろうな」
帰ってないんだ
「まぁいい。仕事を続けよう」
建物の中に入るとお兄ちゃんは昔のように戻って居て
「全く、ここ数年で最悪の日だよ。茉白の問題も疲れたし」
「おい太宰。ペトリュスって知ってるか?」
「ペトリュス?」
「あぁ」
「目玉が飛び出るほど高い葡萄酒」
「てめぇが組織から消えた夜。俺はあれの89年物を開けて祝った。それくらいテメェにはうんざりしてたんだ」
「私もあの日、中也の車に爆弾仕掛けたなぁ」
え゙…
お兄ちゃん何してるのか分からなかったけど…真逆そんな事をしていたなんて
「あれは、てめぇの仕業か!あー…気に食わねぇ」
「私も中也の全てが嫌いだー」
なんて言っている割には物凄く息が合ってるんだよなぁ
「えー。中也君善い所いっぱいあるのに」
「出会ったころ中也に散々言われてた茉白に言われるようじゃ幹部もお終いだねぇ」
「テメェには言われたくねぇよ」
「好きなのは靴選びのセンスくらいかな」
「そうか?」
なんて言いながらも泊った中也君と階段を下りているあたしとお兄ちゃん
「勿論嘘だよ」
やっぱりなぁ。お兄ちゃんが中也君を褒めることなんて中々あるわけじゃない
「うらぁ!」
そう言ってお兄ちゃんにケリを入れようとしたのに入るはずもなく
「無駄だよ。君の攻撃は間合いも呼吸も把握済みだ」
「加減したんだよっ本気なら頭蓋骨が砕けてたぜ」
「そりゃ、おっかない」
「おー。流石中也君」
下に着くと
「ほらいたよ」
そう言った先にいたのは樹の幹に繋がれているQの姿
「助けを待つ眠り姫様だ」
「眠り姫様ねぇ」
「ナイフ貸して」
「はあ?」
「あ、念のためにさっき摺っておいたんだっけ」
それだけ言うと懐から取り出したのは中也君の愛用しているナイフで
「てめぇ」
お兄ちゃんがQの首にナイフを当てている所を見ると
「中也君。止めなくてもいいの?」
「首領には“生きて連れて帰れ”と命令されたが、そのガキを見てると呪いで死んだ部下たちの死体袋が目の前をツラつきやがる。やれよ」
「そうかい」
お兄ちゃんの雰囲気が変わった。これはポートマフィアの幹部でいた時の雰囲気に似てる
「じゃ」
お兄ちゃんがナイフを振りかざしたと思ったら
「遠慮なく」
刺したのは樹の幹で
「んっ…甘え奴だ」
「中也君?」
「そういう偽善くせぇ処もヘドが出るぜ」