ウロロ夢シリーズ

『今日はキスの日なんですって!というわけでキスしていいですか?』

「何だ、その新手の拷問は?」

唐突で無理な願いを人間嫌いの王が素直に聞き入れるわけもなく、そもそもそれ以外のもっと簡単なお願いすら却下しているので、この突拍子もないお願いはもはや王にとっては虐めであった。

「え、何、夢主、こわっ!……いつもこうなの?」

「ああ、夢主はいつもこうだ!」

そんなおかしな(側からみたら命知らずな)光景を初めて目の当たりにしたゴクラクはうげ〜といった顔でイチに聞き、もうこの奇怪な行動に慣れたイチはその有様を素直に肯定した。

さらにその様子を近くでクムギはずっとハラハラオロオロしている。

トゲアイスにデスカラスが呼び出され特に急ぎの任務まないデスカラス班は、班室に一塊になって談笑していたところ夢主からのあの爆弾発言が飛び出し、何とも言えない空気になっておりーー

キスして欲しいと言われた王、もといキングウロロは普段の影のような小さい姿のまま、今にも吐き出しそうな顔をして嫌悪感を露わにしていた。

『え〜……絶対ダメですか?』

「まあ、王を敬いたい気持ちは褒めてやろう。だが、人間とキス?だぁ?地面と接吻した方がまだ良しだな」

『うえ〜ん、酷い言われよう……』

と言いながらもキングウロロが自分と会話をしてくれることが嬉しくて仕方ない夢主の顔はデロデロに溶けて幸せそうであった。

(うーん、結構この子も末期だなぁ〜)

なんて、ぼんやり考えていたゴクラクの方に突如視線を送る夢主。
声も出さず驚くゴクラクをそろそろと指差して夢主はおそるおそる言葉を繋げた

『でも、ゴクラク君はキングウロロ様を口に含んだじゃないですか〜』

その場をさらに泥沼にする夢主の発言にさらにゴクラクとキングウロロを加えて、険悪とまではいかないが中々にまずい空気になる班室

「え〜、あれはもう事故だよ。俺ももう思い出したくもないし……」

「は!よく言うわ!……だが、女よ、あれを接吻と一緒にするなどお前の頭もどうかしてるぞ」

二人と一魔法でキャンキャンし始めた。
慣れていたとはいえ側で身体の一部(今回は腕)を貸して若干長めな口論が派生したため、イチも珍しくややそっぽを向きうんざりした顔で座っていた。

そこへ飲み物がはいったコップを持ったクムギが戻ってコソコソとイチに話しかけた。

「イチ君、お疲れ様。まだ続きそうだね💦」

「ああ、慣れていたこととは言え、今回のは結構疲れるな。」

お互い向こうの火の粉が被弾しないようにコソコソ話していたのだが、あまりにもな扱い(自業自得)を受けて今日は誰でも巻き込みたい(めざとい)夢主にその姿は新たな火種としかならなかった。

『うえ〜ん、なんでそっちで2人はイチャイチャしてるのさ〜』

「い、イチャイチャ!?し、してませんよ!!!💦」

「ねぇイッちゃん、今日の夢主いつも以上にめんどくさいんだけど……」

「うむ、確かに今日の夢主は手強いな」

『うわーん、チームからも疎外されてる……』

結局全員を巻き込み班室内をゴタゴタにした夢主は、その後デスカラスを連れて戻ってきた(正確にはデスカラスに連れられて休憩室に来ることができた)トゲアイスに

「風紀を乱すな!!!!!」

と別室で小一時間説教され、更にしょぼくれてチーム帰ってきたそうな……
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