ウロロ夢シリーズ

それとの出会いはあまりにも突然であった。
生き物としての恐怖もあったが、何よりこの世のものとは思えない姿に神々しさを感じた。

規則正しい寝息などなく、むしろ呼吸を必要としないのだろう。
夜の闇よりも暗い黒、しかし、どことなく光が差し込まなくとも輝きを放つ黒が眩しくて思わず目を細める。

本能が“これ”を起こしてはならないと叫んでいる。

でも、当の私はもうすっかり“この生物”の虜である。

少しでも触れたい……お顔を拝見したい……

そうして、近づこうとした刹那ーー2本の見知った腕に後ろから抱きしめられるような形で動きを止められる。

「……イチ、離して」

「アレは駄目だ。お前の命が保証できない。」

私が言葉とは別に強行突破しない姿勢だったからか、イチはすんなり離してくれた。
しかし、その瞳はまたそちらに動き出そうものなら止めると言わんばかりに私のことをジッと見ていた。

「イチはこれのこと前から知ってたの?教えてくれてもいいじゃない……」

これ以上は何もできないと悟った私はここにいてもしょうがないと思い、麓の街へと歩き出した。その様子を見て、イチも後からついてくる。

「お前はすぐ危ない方に行くから教えたくなかった。まずは身を守る方法を学べ。」

「うう、それは……そうなんだけど……」

詳しい年齢はわからないけど、多分年下であろうイチにこんなことを言わせて申し訳ない気持ちが急に込み上げてきた。
もう今日はこのまま村に帰ろう。“あの生物”のことは忘れようーー

今はそう考えるものの、次の日にはまた“あの生物”の元へ足繁く通うのであった。

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