~渦中の王都~

―おまけスキット―


~リュナンの呼び名~

ミレニア「デューが"少年"、わしは"チビちゃん"……リュナンの呼び方はなんだかややこしいのー」
リュナン「そうですか? わかりやすいと思うけどなぁ……」
ミレニア「そもそもなんでわしがチビなんじゃ? 身長ならデューの方がちっこいぞ」
デュー「不満はそこか」
リュナン「なんというか…… 第一印象で決めてるんですけどね」
ミレニア「異議あり! やり直しを要求するのじゃ~」
イシェルナ「だいたい第一印象で決めるならあたしなんか女神様よ?」
リュナン「あ、確かに」
イシェルナ「そんでもってオグマの事も天使さん、って呼ぶのが正しいかしらね」
リュナン「うぐっ、そのネタまだ引っ張るんですか……あれはちょっと朦朧としてたからですってば!」
オグマ「さ、さすがに毎回天使呼ばわりは恥ずかしい……」
リュナン「俺だってハズいですよ~」
デュー「イシェルナを女神呼ばわりも相当だけどな」
イシェルナ「あたしは別に恥ずかしくないわよん?」
リュナン「姐さん、流石です……」



~呪文を唱えて~

ミレニア「爆ぜろ火の玉、メラメラじゃ!」
デュー「ミレニアの術は適当だな。そんなので発動するのが不思議でしょうがない」
ミレニア「ふふん、すごいじゃろ♪」
デュー「別に褒めている訳じゃない」
イシェルナ「オグマは正統派っぽいわよね。ミレニアちゃんみたいな感じには出来ないの?」
オグマ「えっ……」
ミレニア「それは聞いてみたいのぅ☆」
オグマ「あ、あの……」
イシェルナ「ほらほら、早くやってみせて★」
ミレニア「よいではないかよいではないか~♪」
オグマ「……っ」
デュー「いい加減にしろ! オグマを困らせるなと言ってるだろ!?」
イシェルナ「あら怖い」
ミレニア「デューが怒ったのじゃ~☆」
デュー「全く……」
オグマ「た、助かった……」



~神子姫の予知~

フィノ「巨大な牙に障気……母がうなされながら言っていた言葉の意味がようやくわかりました」
ミレニア「ふむぅ……他には何か言ってなかったのかの?」
イシェルナ「今後の参考になるかもしれないわね」
フィノ「他に、ですか? ええと……ファンタスティックボイン、とか……」
イシェルナ「それってリュナンがあたしを見て言った……」
フィノ「あとは漆黒のなんちゃらとか……」
ミレニア「ものすごくピンポイントな予知じゃの」
イシェルナ「静かに寝込んでもいられないわね」
フィノ「今思えば全部、今回の旅のことだったんですね」
イシェルナ「お母様が見守ってくれてる、なんて考えられないかしら?」
フィノ「見守って……そう、かもしれませんね」
ミレニア「それじゃあ張り切らない訳にはいかんのう?」
フィノ「はいっ!」
イシェルナ「ふふ、いいお返事♪」


~トランシュについて~

リュナン「チビちゃんには随分男前なお兄さんがいたんですね~」
イシェルナ「ホントよねぇ☆」
ミレニア「兄様はそれはもうカッコいいのじゃ。おまけに文武両道に秀でておる」
リュナン「うわ、そんな人ホントにいるんだ」
イシェルナ「絵に描いたような二枚目さんね」
デュー「けど妹には過保護、一度突っ走ると周りが見えない。ついでに私服のセンスは最悪……とかな」
ミレニア「おろ、どうしてわかるのじゃ?」
デュー「適当に言ってみただけだ」
リュナン「え、最悪なの?」
イシェルナ「完璧なイケメンっていないものなのねぇ……」
ミレニア「むしろ兄様は変な所でいろいろ残念なのじゃ」
リュナン「なんか安心したなぁ……」


~不治の病~

オグマ「リュナン、本当にもう大丈夫なのか?」
リュナン「旦那は心配性だなぁ、見ての通りバッチリ元気ですよ」
オグマ「だが、病気だと……」
リュナン「へ?」
オグマ「一生治らない病気だと、シュクルが……」
リュナン「あのねぇ……それはウサこうが俺の事バカにして言った冗談です」
オグマ「冗談?」
リュナン「むしろ男の子としては健康健全絶好調ってな訳で♪」
オグマ「そうなのか……良かった……」
リュナン「……やっぱり天然だ、この人……」



~料理は楽しく~

フィノ「オグマさんの料理はとっても美味しいですよね」
オグマ「そ、そうか?」
リュナン「お世辞抜きでプロも顔負けですよ。一体どうやってここまで上達したんですか?」
オグマ「ずっとひとりだったから、というのもあるが……昔から料理は好きだった。創意工夫するのが楽しくてな」
リュナン「へぇ~」
イシェルナ「そうそう! アレンジ加えて自分だけの味に、なんて楽しいわよねぇ♪」
デュー「お前のは創意工夫とかアレンジじゃない。実験とかそういう感じだろ」
シュクル「そもそも料理かどうかも怪しいぞ」
イシェルナ「あら、失礼しちゃう」
リュナン「俺、治癒術が必要な料理なんて初めて食べましたよ……」
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