Tales of masquerade・SS
「おめえ最近、本当に変わったよなあ」
育ての親がわりの鍛冶職人に「自分でもそう思います」と微笑み返せば、三白眼が一瞬大きく見開かれ、そしてふにゃりとした笑顔になる。
「そんな返しができるなんざ……あいつらにいっぱい元気もらったんだなあ」
けどな、と続ける職人に、水浅葱の目が瞬いた。
「きっかけを作ったのはあの旅だろうが、変われたのはおめえの力だ」
繊細な作品を作り上げるものとは思えない岩のような手が、そっと頭に置かれる。
その感触は、ただただやさしくて、あったかい。
頭を撫でられるなどそんな年頃ではないと、自分によく似た黒騎士なら言うだろうか……などと考えながら、
「これからも変わっていくんだな。大事なところは残しながら」
「……ええ」
己の変化を心地好く感じられるのも、きっと変化。
育ての親がわりの鍛冶職人に「自分でもそう思います」と微笑み返せば、三白眼が一瞬大きく見開かれ、そしてふにゃりとした笑顔になる。
「そんな返しができるなんざ……あいつらにいっぱい元気もらったんだなあ」
けどな、と続ける職人に、水浅葱の目が瞬いた。
「きっかけを作ったのはあの旅だろうが、変われたのはおめえの力だ」
繊細な作品を作り上げるものとは思えない岩のような手が、そっと頭に置かれる。
その感触は、ただただやさしくて、あったかい。
頭を撫でられるなどそんな年頃ではないと、自分によく似た黒騎士なら言うだろうか……などと考えながら、
「これからも変わっていくんだな。大事なところは残しながら」
「……ええ」
己の変化を心地好く感じられるのも、きっと変化。