19~葛藤、そして~
―おまけスキット―
~めざめたランシッド~
ランシッド『うーん、なんだかものすごく長い間寝てた気がするぞー』
モカ「目覚めすっきりーってやつ?」
ランシッド『そうだねぇ、いっぱいマナも補給できたしね』
ブオル「お待ちしておりました、ランシッド様」
ランシッド『どうしたんだいブオル、そんなにかしこまって』
ブオル「いえ、貴方の目覚めが心より嬉しくて……」
ランシッド『ブオル……』
モカ「ただでさえアレなのにまたボケ担当が増えて、おじちゃんだけだとツッコミ役が足りないもんねぇ」
ランシッド『えっ』
ブオル「お待ちして、おりましたっ……!」
ランシッド『……苦労をかけたね、ブオル……』
モカ「あ、ツッコミを放棄して全てを飲み込んだ顔」
アングレーズ「時には何も言わず察することも必要なのよ、モカちゃん」
モカ「これがオトナの対応かぁ……」
~新顔とごあいさつ~
ランシッド『さて、君達が新顔のアングレーズとガレ……と言っても、子供時代なら俺も見て知ってるけど』
アングレーズ「改めて、よろしくお願いします」
ガレ「たしか、えーと……“時の調律者”どのでござるな!」
ランシッド『もうみんな生前の名前で呼んでるからランシッドでいいよ。それに、もっと砕けてていい』
アングレーズ「あら、そう?」
ガレ「しかし、同じ精霊と言っても雷電どのとは随分違うのでござるなぁ」
ランシッド『ああそっか、君は“弾ける雷電”の契約者……カッセの息子だもんね』
ガレ「雷電どのとは小さい頃にいっぱい遊んだでござる。まんまるくて、よく跳ねるのでござるよー」
ランシッド『ボールにじゃれる猫……』
アングレーズ「大精霊をボールがわりに遊ぶ子供なんて、そういないわね……」
~クローテの優しさ~
ブオル「クローテは優しい子なんだな」
カカオ「なんだおっさん、今頃気付いたのか?」
ブオル「いや、そういう訳じゃないんだが……改めてな」
ガレ「クローテどのはあちこちよく見ているでござる。先刻も道具袋を確認して、足りない物を書き出してござった」
カカオ「ただ、優しいとか言われるのは苦手みたいだけどな」
ガレ「フクザツなお年頃でござるー」
ブオル「いろんな所をよく見て、気を配ってるんだな」
ガレ「ニコニコしながら親切したりあたたかい言葉をかけるだけが優しさではござらぬよ」
ブオル「それもそうだ」
カカオ「でも、もうちっと素直だったらなー」
ブオル「ははは、まったくだな」
クローテ「ブオル殿、カカオ、ガレ」
カカオ「げっ、クローテ、いつからそこに……っていうかその怖い顔はなんだよ!?」
クローテ「なんだも何も、今何時だと思っている? いつまでもだらだら喋って夜更かししていると明日に響くぞ!」
ガレ「にゃー!?」
クローテ「ほら、さっさと寝ろ! 寝坊したら承知しないぞ!」
カカオ「いてて、わかったから押し込むなって!」
ブオル「優しさ、か……」
~めざめたスタード~
モラセス「ようやく少しは動けるようになったか」
スタード「意識は戻っていたのですがね……しばらくは清き風花と同調していました」
モラセス「まったく、心配させやがって」
スタード「そう言われましても、私も老いましたし……」
モラセス「何を言うか。俺はお前より年上だが、お前やガトーの曾孫の顔を見るまでは生きてやるつもりだぞ」
スタード「そ、それはまた……」
モラセス「だからお前もそのくらい付き合え」
スタード「……どのくらい先でしょうね、それは」
モラセス「ガトーの方が先だと俺は睨んでいる。あいつらなかなかいい感じだろう?」
スタード「ふふ、それにしたって気が早い話ですね」
~伝説のスタイル~
シーフォン「こんなにすんなり王都を出られるなんて……」
万物の王『すごいだろう?』
シーフォン「ああ、すごいね……この伝説の“カラクサモヨウのフロシキ”は!」
万物の王『それはさっきからお前が頭に被っている布のことか』
シーフォン「ああ。隠密行動をとる人間が好んで身につけたとされる伝説のアイテムだよ」
万物の王『その、鼻の下あたりで端を結んでいるのも意味があるのか?』
シーフォン「書物で読んだ、隠密の伝統スタイルさ!」
万物の王『なるほどそうか。だが残念ながらお前がここまで見つからずに来られたのはその布ではなく俺の力だ』
シーフォン「なんだって!?」
万物の王『お前は良くも悪くも目立つからな。ちょっとした結界で気配を隠させて貰った』
シーフォン「そうか、僕の溢れる気品は伝説の隠密スタイルでも覆いきれなかったんだね……」
万物の王『俺ほどではないがな!』
シーフォン「まあそれはともかく、これでメリーゼを助けられるんだ、感謝するよ。待っててくれたまえ、メリーゼ!」
万物の王『ああ、存分に感謝するがよい!』
~イヤな悪寒?~
メリーゼ「!」
カカオ「どうした、メリーゼ?」
メリーゼ「なにかしら、急に寒気が……」
カカオ「おいおい風邪か? 熱は……ないようだな」
メリーゼ「ち、違うの! もっと何か、予感というか……」
ランシッド『時空干渉……は、今はなさそうだしねぇ』
ブオル「じゃあセルクル遺跡の時みたいなヤツか?」
メリーゼ「どちらとも違います……深刻なような、案外放っておいていいような……」
カカオ「おいおい、なんだよそりゃ」
モカ「とりあえず、寒気がするならカカオ兄ちゃんがあっためてあげれば?」
カカオ「おう、そうだな」
メリーゼ「きゃっ!?」
ランシッド『な、なんてことをっ!』
カカオ「悪寒、止まったか?」
メリーゼ「あ、あれ? 止まり、ました……」
モカ「違うもので上書きしちゃえば止まるかなって♪」
ブオル「やるなあ、チビすけ……」
ランシッド『俺の心臓が止まるよ! もう肉体ないけどさ!』
~めざめたランシッド~
ランシッド『うーん、なんだかものすごく長い間寝てた気がするぞー』
モカ「目覚めすっきりーってやつ?」
ランシッド『そうだねぇ、いっぱいマナも補給できたしね』
ブオル「お待ちしておりました、ランシッド様」
ランシッド『どうしたんだいブオル、そんなにかしこまって』
ブオル「いえ、貴方の目覚めが心より嬉しくて……」
ランシッド『ブオル……』
モカ「ただでさえアレなのにまたボケ担当が増えて、おじちゃんだけだとツッコミ役が足りないもんねぇ」
ランシッド『えっ』
ブオル「お待ちして、おりましたっ……!」
ランシッド『……苦労をかけたね、ブオル……』
モカ「あ、ツッコミを放棄して全てを飲み込んだ顔」
アングレーズ「時には何も言わず察することも必要なのよ、モカちゃん」
モカ「これがオトナの対応かぁ……」
~新顔とごあいさつ~
ランシッド『さて、君達が新顔のアングレーズとガレ……と言っても、子供時代なら俺も見て知ってるけど』
アングレーズ「改めて、よろしくお願いします」
ガレ「たしか、えーと……“時の調律者”どのでござるな!」
ランシッド『もうみんな生前の名前で呼んでるからランシッドでいいよ。それに、もっと砕けてていい』
アングレーズ「あら、そう?」
ガレ「しかし、同じ精霊と言っても雷電どのとは随分違うのでござるなぁ」
ランシッド『ああそっか、君は“弾ける雷電”の契約者……カッセの息子だもんね』
ガレ「雷電どのとは小さい頃にいっぱい遊んだでござる。まんまるくて、よく跳ねるのでござるよー」
ランシッド『ボールにじゃれる猫……』
アングレーズ「大精霊をボールがわりに遊ぶ子供なんて、そういないわね……」
~クローテの優しさ~
ブオル「クローテは優しい子なんだな」
カカオ「なんだおっさん、今頃気付いたのか?」
ブオル「いや、そういう訳じゃないんだが……改めてな」
ガレ「クローテどのはあちこちよく見ているでござる。先刻も道具袋を確認して、足りない物を書き出してござった」
カカオ「ただ、優しいとか言われるのは苦手みたいだけどな」
ガレ「フクザツなお年頃でござるー」
ブオル「いろんな所をよく見て、気を配ってるんだな」
ガレ「ニコニコしながら親切したりあたたかい言葉をかけるだけが優しさではござらぬよ」
ブオル「それもそうだ」
カカオ「でも、もうちっと素直だったらなー」
ブオル「ははは、まったくだな」
クローテ「ブオル殿、カカオ、ガレ」
カカオ「げっ、クローテ、いつからそこに……っていうかその怖い顔はなんだよ!?」
クローテ「なんだも何も、今何時だと思っている? いつまでもだらだら喋って夜更かししていると明日に響くぞ!」
ガレ「にゃー!?」
クローテ「ほら、さっさと寝ろ! 寝坊したら承知しないぞ!」
カカオ「いてて、わかったから押し込むなって!」
ブオル「優しさ、か……」
~めざめたスタード~
モラセス「ようやく少しは動けるようになったか」
スタード「意識は戻っていたのですがね……しばらくは清き風花と同調していました」
モラセス「まったく、心配させやがって」
スタード「そう言われましても、私も老いましたし……」
モラセス「何を言うか。俺はお前より年上だが、お前やガトーの曾孫の顔を見るまでは生きてやるつもりだぞ」
スタード「そ、それはまた……」
モラセス「だからお前もそのくらい付き合え」
スタード「……どのくらい先でしょうね、それは」
モラセス「ガトーの方が先だと俺は睨んでいる。あいつらなかなかいい感じだろう?」
スタード「ふふ、それにしたって気が早い話ですね」
~伝説のスタイル~
シーフォン「こんなにすんなり王都を出られるなんて……」
万物の王『すごいだろう?』
シーフォン「ああ、すごいね……この伝説の“カラクサモヨウのフロシキ”は!」
万物の王『それはさっきからお前が頭に被っている布のことか』
シーフォン「ああ。隠密行動をとる人間が好んで身につけたとされる伝説のアイテムだよ」
万物の王『その、鼻の下あたりで端を結んでいるのも意味があるのか?』
シーフォン「書物で読んだ、隠密の伝統スタイルさ!」
万物の王『なるほどそうか。だが残念ながらお前がここまで見つからずに来られたのはその布ではなく俺の力だ』
シーフォン「なんだって!?」
万物の王『お前は良くも悪くも目立つからな。ちょっとした結界で気配を隠させて貰った』
シーフォン「そうか、僕の溢れる気品は伝説の隠密スタイルでも覆いきれなかったんだね……」
万物の王『俺ほどではないがな!』
シーフォン「まあそれはともかく、これでメリーゼを助けられるんだ、感謝するよ。待っててくれたまえ、メリーゼ!」
万物の王『ああ、存分に感謝するがよい!』
~イヤな悪寒?~
メリーゼ「!」
カカオ「どうした、メリーゼ?」
メリーゼ「なにかしら、急に寒気が……」
カカオ「おいおい風邪か? 熱は……ないようだな」
メリーゼ「ち、違うの! もっと何か、予感というか……」
ランシッド『時空干渉……は、今はなさそうだしねぇ』
ブオル「じゃあセルクル遺跡の時みたいなヤツか?」
メリーゼ「どちらとも違います……深刻なような、案外放っておいていいような……」
カカオ「おいおい、なんだよそりゃ」
モカ「とりあえず、寒気がするならカカオ兄ちゃんがあっためてあげれば?」
カカオ「おう、そうだな」
メリーゼ「きゃっ!?」
ランシッド『な、なんてことをっ!』
カカオ「悪寒、止まったか?」
メリーゼ「あ、あれ? 止まり、ました……」
モカ「違うもので上書きしちゃえば止まるかなって♪」
ブオル「やるなあ、チビすけ……」
ランシッド『俺の心臓が止まるよ! もう肉体ないけどさ!』