18~頼れる仲間~

―おまけスキット―


~信頼できる仲間~

ブオル「信頼できる仲間、か……」
アングレーズ「いい響きね。あたしも早く仲間入りしたいものだわ」
メリーゼ「もう仲間ですよ」
アングレーズ「ううん、違う。あたしは一緒に行動し始めて日が浅いし、みんなみたいに息の合った連携はまだ無理よ」
ブオル「まだ、ってことはいつか出来るって事さ」
メリーゼ「そうです! わたしもいろいろ考えて、アングレーズさんともうまく連携とれるよう頑張りますね!」
アングレーズ「うふふ、ありがとう。優しいのね」
ブオル「いい子だろう?」
アングレーズ「ええ」
ブオル「だからその、時間はかかるかもしれないけど……“信頼”出来るといいな」
アングレーズ「!」
メリーゼ「ブオルさん、アングレーズさん?」
アングレーズ「そうね……いつかきっと」
ブオル「ああ、待ってるよ」


~愛だの恋だの~

アングレーズ「あーあ、メリーゼちゃんの恋バナが聞けると思ったのにー」
ブオル「そう言うアングレーズはどうなんだ?」
アングレーズ「え、あたし?」
ブオル「同じ時代から来たガレとはどうなのかなって思ってさ」
アングレーズ「うふふ、それはないわよ。ガレ君ったら全然興味なさそうだもの」
ブオル「そうなのか?」
アングレーズ「カカオ君もメリーゼちゃんもそうだけど、一生懸命になるものがあって愛だの恋だの言ってる暇がないのよねぇ」
ブオル「ああ、なるほど」
アングレーズ「メリーゼちゃんの言葉を借りるなら、まぁそこそこ頼れる仲間よ」
ブオル「そこそこ、ね……はは、手厳しいなあ」


~傷ついたメリーゼ~

ブオル「メリーゼ……」
アングレーズ「命に別状はなさそうだけど、あまり長く放って置いたらダメみたいね」
ブオル「ああ。早く合流してクローテに治癒術をかけて貰わないと」
アングレーズ「あたしがきちんとトドメを刺しきれていたら……」
ブオル「ヤツらのしぶとさを見誤った俺も、油断していた」
アングレーズ「……」
ブオル「……今はとにかく急ごう」
アングレーズ「ええ。メリーゼちゃん、少し我慢してね……」
ブオル「必ず助けてやるからな……!」


~特訓の成果~

メリーゼ「カカオ君、いつの間に気功術を……」
ブオル「あれからずっと特訓してたみたいだな」
カカオ「ま、まあな」
ガレ「短期間で治癒の気功術を会得するなんて、すごいでござる!」
モカ「そうなの?」
ガレ「気の流れを操る応用で、攻撃より難しいのでござるよ」
カカオ「だからイシェルナさんも基礎をしっかり叩き込もうとしたんだな」
ガレ「たっぷりしごかれてたでござるからなー」
カカオ「正直けっこうキツかったぜ……」
モカ「ガレっちもやってたよね、あれ」
ガレ「それがしは一晩で叩き込まれた訳ではないゆえ……」
モカ「なんか、相当無茶したってこと?」
ガレ「……で、ござる。けど、やり遂げるカカオどのはすごいでござるよ」
メリーゼ「お陰で助かりました。ありがとう、カカオ君」
カカオ「なんか、妙に照れるな……」
ブオル「はは、素直に受け取っとけ」


~それはそれ、これはこれ~

モカ「クロ兄、自分も治癒術使えるのにカカオ兄に譲ったんだね」
ブオル「花を持たせてやったのか」
クローテ「あれは突き飛ばされたから、その……ああ、そうだ」
ブオル「ん?」
クローテ「カカオ、さっきはよくもっ……!」
カカオ「クローテ? あっ、さっきは悪かったな」
クローテ「メリーゼが大事で動転して周りが見えなかったか? 全く、傍迷惑な奴だな」
カカオ「んだとぉ!?」
クローテ「だいたい、そもそも私がいる時ならわざわざお前がやらなくて良かった事だろう。冷静さを欠きすぎだ」
カカオ「ぐぬぬ……」
ブオル「突き飛ばされたお返しはきっちりするんだな……」
モカ「ま、正論だケド……クロ兄も割とおとなげないとこあるよね」
ブオル「背伸びしてても実際まだ子供だしな」


~認めません!~

ランシッド『ようやく目覚められたと思ったら何これ! なんでカカオがメリーゼとくっついてんの!?』
ブオル「ランシッド様、その言い方だとちょっと語弊が……」
モカ「そうそうくっつかないよ、あの二人は」
クローテ「距離が近すぎて逆に意識してないからな」
ランシッド『そう言いながらたまにドキッとしたり赤面したりするくせにっ……』
モカ「はがゆいよねぇ」
ランシッド『ち、違うもん! 俺べつに応援なんかしてないもん!』
ブオル「百まで生きたグランマニエの初代王で時空の精霊が語尾にもんって……」
クローテ「そう聞くとインパクトすごいですね……」
ランシッド『おとーさんは認めませーん!』
ブオル「やれやれ……」
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