9~会議室の嵐~
―おまけスキット―
~モカのくしゃみ~
カカオ「ったく、派手にくしゃみしやがって」
クローテ「せめて口許に手を置くとかだな……」
モカ「間に合わなかったんだからしょーがないじゃん!」
クローテ「ったく……ハンカチは返さなくていいからな」
モカ「えっ、それじゃあクロ兄が困るんじゃ?」
クローテ「問題ない。どうせモカが何かやらかすだろうと思って余分に持っている」
カカオ「クローテ、お前……」
メリーゼ「用意周到というかなんというか……」
ランシッド『……お母さん?』
カカオ「ああ、そういや母ちゃんも似たようなことしてたわ」
クローテ「違っ、これは紳士として当然のたしなみだ!」
ブオル「まあ、余分に持っとくと何かと使えるからなあ」
カカオ「でもさっきのモカとのあれはやっぱ、どっちかと言うと母ちゃんっぽいんだよなあ……」
クローテ「あまりうるさいと蹴るぞ」
カカオ「へいへい」
モカ「にしても、くしゃみなんて……誰かがボクの噂でもしてたのかなあ?」
~腕輪の役目~
カカオ「じいちゃんの腕輪……こんな所で見ることになるなんてな」
カッセ「難しい説明は省くでござるが、本来なら大精霊と契約した者か聖依術がもつ浄化の力を、簡易的に授けることができるのでござるよ」
モラセス「ある程度の適性も必要だが、お前らなら最低限はクリアしているだろう」
メリーゼ「当時の騎士団が身につけて、魔物に襲われた各地の人々を救ったのですね」
モラセス「英雄……大精霊との契約者も人数には限りがあるからな。それを他で補うためのものがこいつだ」
カッセ「お陰で死者も出なかった。この腕輪には拙者達も助けられたのでござる」
カカオ「そうかあ……へへっ」
クローテ「何故お前が照れる」
カカオ「じいちゃんが誉められてるみたいで嬉しいんだよ」
モラセス「まあ、実際世界的な名工だからな。奴の才能は俺が見出だしたんだぞ」
ブオル「こっちはこっちでなんか自慢げだし……」
~異物~
ブオル「異物……あの化物も俺も、この時代にあってはならない存在……」
清き風花『ブオル様……』
ブオル「そんな悲しそうな顔しないでくれよ。精霊っていうのは、世界の平穏や秩序を守るもんなんだろ?」
モラセス「世界の秩序を保つため、時には冷たくも聞こえる言動をとる……精霊と王はどこか似ているな」
ブオル「モラセス様」
モラセス「ランシッドの奴も、精霊や王としての建前がある。個人の気持ちとは別にな」
清き風花『とはいえ、あの場であの発言はちょっとデリカシーに欠けますよね!』
ブオル「い、いやあ、デリカシーって……」
メリーゼ「そうですね。お父様にはあとで言っておきます」
ブオル「父に厳しい!」
モラセス「時空を司る精霊で初代の王たる人物も妻と娘には形無しだ。面白いだろう?」
ブオル「そこが個人ってことっすか……」
~嵐の王子様~
カカオ「な、なんだったんだあの王子様は……」
メリーゼ「シー君はああいう子なんです……」
モカ「メリーゼ姉はシフォ兄をどう思ってるの?」
メリーゼ「えーと……いつも一生懸命だなって」
ブオル「一生懸命アピールされてたけど」
クローテ「気付きませんよ。メリーゼは鈍感だから」
メリーゼ「なにか言いました?」
ブオル「いやあ、大変だなあ彼も!」
メリーゼ「そうですね……何をするにも父上である英雄王の影がちらつくのは、何かと大変だと思います」
カカオ「そんな風には見えなかったけどな!」
ランシッド『ただのちゃらんぽらんなアホ王子でしょ!』
メリーゼ「え? 二人とも何をそんなに拗ねているのですか?」
カカオ「別に拗ねてねぇよ!」
クローテ「……ほら」
ブオル「こいつぁ、なんとも……」
モラセス「面白くなってきたな」
ブオル「笑い事じゃありませんって」
~誰に似てる?~
トランシュ「まったく、シーフォンにも困ったものだよ」
モラセス「くく、お前が頭を悩ませる日が来るとはな」
トランシュ「僕はいつでも悩み多き王ですよ、お祖父様」
モカ「それにしてもシフォ兄って、トラおじちゃんそっくりだよねえ」
トランシュ「えっ、そうかい?」
モカ「あのある種の人間が本能的に苦手としそうな無駄にキラキラしたオーラとか」
カッセ「ああ……」
ブオル「しかしあの悪戯の手際の良さはモラセス様も彷彿とさせますね」
モラセス「なんだと?」
カッセ「どちらにせよ、紛れもなくここの血筋でござるな」
カカオ「王家って濃いんだな……」
ランシッド『お、俺はそこまで濃くない……もん』
モラセス「濃い一族の本流が何か言ってるぞ」
ランシッド『本流言うなぁ!』
~サイズオーバー~
ブオル「せっかくの腕輪だけど俺にはちょっと小さいなあ」
カカオ「サイズ調整するか、いっそ小さめのサイズ持ってきて別のアクセサリーにするかな」
メリーゼ「紐を通してネックレス、みたいにですか?」
ブオル「なるべく外れにくいのがいいなあ」
カカオ「たぶんそれで腕輪の形してるんだろうな」
モラセス「ちょっと痩せたら入らないか?」
ブオル「手首はそんなに肉ついてません! 骨太なんですぅー!」
カカオ「仕方ない、いちばんでかいやつちょっと拡げりゃ入るだろ」
ブオル「ごめんな、手間かけさせちまって」
カカオ「いいんだよ。オレにとっても勉強になるしな」
クローテ「壊すなよ?」
カカオ「壊さねーよ!」
~モカのくしゃみ~
カカオ「ったく、派手にくしゃみしやがって」
クローテ「せめて口許に手を置くとかだな……」
モカ「間に合わなかったんだからしょーがないじゃん!」
クローテ「ったく……ハンカチは返さなくていいからな」
モカ「えっ、それじゃあクロ兄が困るんじゃ?」
クローテ「問題ない。どうせモカが何かやらかすだろうと思って余分に持っている」
カカオ「クローテ、お前……」
メリーゼ「用意周到というかなんというか……」
ランシッド『……お母さん?』
カカオ「ああ、そういや母ちゃんも似たようなことしてたわ」
クローテ「違っ、これは紳士として当然のたしなみだ!」
ブオル「まあ、余分に持っとくと何かと使えるからなあ」
カカオ「でもさっきのモカとのあれはやっぱ、どっちかと言うと母ちゃんっぽいんだよなあ……」
クローテ「あまりうるさいと蹴るぞ」
カカオ「へいへい」
モカ「にしても、くしゃみなんて……誰かがボクの噂でもしてたのかなあ?」
~腕輪の役目~
カカオ「じいちゃんの腕輪……こんな所で見ることになるなんてな」
カッセ「難しい説明は省くでござるが、本来なら大精霊と契約した者か聖依術がもつ浄化の力を、簡易的に授けることができるのでござるよ」
モラセス「ある程度の適性も必要だが、お前らなら最低限はクリアしているだろう」
メリーゼ「当時の騎士団が身につけて、魔物に襲われた各地の人々を救ったのですね」
モラセス「英雄……大精霊との契約者も人数には限りがあるからな。それを他で補うためのものがこいつだ」
カッセ「お陰で死者も出なかった。この腕輪には拙者達も助けられたのでござる」
カカオ「そうかあ……へへっ」
クローテ「何故お前が照れる」
カカオ「じいちゃんが誉められてるみたいで嬉しいんだよ」
モラセス「まあ、実際世界的な名工だからな。奴の才能は俺が見出だしたんだぞ」
ブオル「こっちはこっちでなんか自慢げだし……」
~異物~
ブオル「異物……あの化物も俺も、この時代にあってはならない存在……」
清き風花『ブオル様……』
ブオル「そんな悲しそうな顔しないでくれよ。精霊っていうのは、世界の平穏や秩序を守るもんなんだろ?」
モラセス「世界の秩序を保つため、時には冷たくも聞こえる言動をとる……精霊と王はどこか似ているな」
ブオル「モラセス様」
モラセス「ランシッドの奴も、精霊や王としての建前がある。個人の気持ちとは別にな」
清き風花『とはいえ、あの場であの発言はちょっとデリカシーに欠けますよね!』
ブオル「い、いやあ、デリカシーって……」
メリーゼ「そうですね。お父様にはあとで言っておきます」
ブオル「父に厳しい!」
モラセス「時空を司る精霊で初代の王たる人物も妻と娘には形無しだ。面白いだろう?」
ブオル「そこが個人ってことっすか……」
~嵐の王子様~
カカオ「な、なんだったんだあの王子様は……」
メリーゼ「シー君はああいう子なんです……」
モカ「メリーゼ姉はシフォ兄をどう思ってるの?」
メリーゼ「えーと……いつも一生懸命だなって」
ブオル「一生懸命アピールされてたけど」
クローテ「気付きませんよ。メリーゼは鈍感だから」
メリーゼ「なにか言いました?」
ブオル「いやあ、大変だなあ彼も!」
メリーゼ「そうですね……何をするにも父上である英雄王の影がちらつくのは、何かと大変だと思います」
カカオ「そんな風には見えなかったけどな!」
ランシッド『ただのちゃらんぽらんなアホ王子でしょ!』
メリーゼ「え? 二人とも何をそんなに拗ねているのですか?」
カカオ「別に拗ねてねぇよ!」
クローテ「……ほら」
ブオル「こいつぁ、なんとも……」
モラセス「面白くなってきたな」
ブオル「笑い事じゃありませんって」
~誰に似てる?~
トランシュ「まったく、シーフォンにも困ったものだよ」
モラセス「くく、お前が頭を悩ませる日が来るとはな」
トランシュ「僕はいつでも悩み多き王ですよ、お祖父様」
モカ「それにしてもシフォ兄って、トラおじちゃんそっくりだよねえ」
トランシュ「えっ、そうかい?」
モカ「あのある種の人間が本能的に苦手としそうな無駄にキラキラしたオーラとか」
カッセ「ああ……」
ブオル「しかしあの悪戯の手際の良さはモラセス様も彷彿とさせますね」
モラセス「なんだと?」
カッセ「どちらにせよ、紛れもなくここの血筋でござるな」
カカオ「王家って濃いんだな……」
ランシッド『お、俺はそこまで濃くない……もん』
モラセス「濃い一族の本流が何か言ってるぞ」
ランシッド『本流言うなぁ!』
~サイズオーバー~
ブオル「せっかくの腕輪だけど俺にはちょっと小さいなあ」
カカオ「サイズ調整するか、いっそ小さめのサイズ持ってきて別のアクセサリーにするかな」
メリーゼ「紐を通してネックレス、みたいにですか?」
ブオル「なるべく外れにくいのがいいなあ」
カカオ「たぶんそれで腕輪の形してるんだろうな」
モラセス「ちょっと痩せたら入らないか?」
ブオル「手首はそんなに肉ついてません! 骨太なんですぅー!」
カカオ「仕方ない、いちばんでかいやつちょっと拡げりゃ入るだろ」
ブオル「ごめんな、手間かけさせちまって」
カカオ「いいんだよ。オレにとっても勉強になるしな」
クローテ「壊すなよ?」
カカオ「壊さねーよ!」