8~英雄から、未来の英雄へ~
―おまけスキット―
~後のことはよろしく~
ブオル「後のことはよろしく、か……スタードの奴、こうなることわかってたな。そして、貴方も」
モラセス「……すまんな」
ブオル「貴方が黙認したということはどうしようもない状況だった訳でしょう?」
ランシッド『この場で唯一、迅速な魔物の浄化が出来たのはスタードだけだったからね……あちこちで一般人が襲われている以上、迷っている暇はなかった』
モラセス「他に選択肢があれば、間違いなくそちらを選んでいた。とはいえ、無茶をさせてしまったな……」
クローテ「お祖父様……」
ブオル「くそっ、何が起きてやがるんだ、何が……!」
~スタードは大丈夫?~
カカオ「な、なあ、スタードのじいちゃんは……」
清き風花『大丈夫です。力を使い果たして眠っていますが……』
モカ「どうして大丈夫って言い切れるのさ?」
ランシッド『契約者と契約精霊は繋がってるからさ』
クローテ「繋がっている?」
ランシッド『精霊は契約者の生死や命の危機を感じ取れるし任意で感覚を共有することもできる。清き風花が大丈夫だと言っているということは、大丈夫なんだ』
清き風花『大精霊を喚び出してその力を行使することは、程度にもよりますが契約者の身に負担がかかります。ですが、そんなことであの方を死なせたりなど……わたしがさせません』
カカオ「そうは言うけどさ、やっぱこうも目覚める気配がないと心配だぜ……」
清き風花『数日中には目を覚ますはずですよ』
モラセス「目覚めには事件解決の報せを手土産に迎えてやれ」
カカオ「き、気が早ぇ……」
モラセス「そのくらいの意気でいろという話だ」
~“安全”な王都~
メリーゼ「ひどい、王都がめちゃくちゃ……」
モラセス「さすがの結界も直接中に来られては成す術がないということだ」
ブオル「そして安全が約束されているが故に対応が遅れる……それが、王都の弱点ですか」
モラセス「少し状況は違うが、二十年前にも似たようなことがあった。脅威が去って時が経ちすぎたな」
カカオ「こんなこと、そうそうあってたまるかよ……」
モラセス「ああ、その通りだ。王都に限らず、人々が暮らす地は安全でなくてはならない」
ランシッド『とはいえ、時空転移で来られちゃさすがにやりようがないよ』
モラセス「そこなんだがな……」
~大精霊~
モカ「大精霊の力ってすごいんだね」
ブオル「こんなちっちゃくて可憐なお嬢さんなのに、大したもんだなあ」
清き風花『そ、そんな……』
ランシッド『精霊の外見なんてあんまりあてにならないよ。俺だって生前の姿をそのままとったらものすごいおじいちゃんになる訳だし』
モラセス「お前がその姿をとっていたのは、ダクワーズのためだったな」
メリーゼ「お母様の?」
ランシッド『愛故に、ね。まあ詳しくはそのうち話すよ。ちょっと事情が複雑だからさ』
メリーゼ「…………」
ランシッド『とまあ、そんな感じで精霊は見た目通りとは限らないんだよねー』
モラセス「女神なのに女神じゃない奴とかいるしな」
ブオル「女神なのに女神じゃない……?」
メリーゼ「な、何かのなぞなぞでしょうか?」
モラセス「会えばわかる」
~はるかぜのにおい~
カカオ「んー……」
清き風花『な、なんでしょうか?』
カカオ「スタードのじいちゃんからしてた匂いって、清き風花のだったんだなって」
モラセス「なんだ、加齢臭か?」
清き風花『そんな訳ありません!』
カカオ「じいちゃんの側にいくと、なんかこうふわっと優しくて甘いニオイがしたんだよ。花の香りを集めた、春風みたいないい匂い」
モラセス「それがこいつのだと?」
ブオル「精霊に匂いとかあるのか?」
清き風花『あまり聞いたことはありませんが……』
メリーゼ「風の精霊さんが春風の香りだなんて、なんだか素敵ですね」
モカ「ボクにはわかんないけど、他の属性はどんな香りがするんだろうねぇ」
ランシッド『ねえねえカカオ、俺は?』
モラセス「それこそ加齢臭じゃないか?」
ランシッド『ああ、時を司るだけに重ねた時のニオイだねーってそんなの嫌だよ!』
ブオル「せ、精霊のノリツッコミだ……」
~カッセは妻子もち~
モカ「さっきさらっと妻も子もいるって言ったよね、このちびっこ」
カッセ「拙者はこれ以上大きくならない種族ゆえ、よく子供と間違われるのでござるよ」
クローテ「聖依獣……母上以外の……」
カッセ「フレス殿の子息でござったな。拙者の子供も、聖依獣と人間の狭間の子でござる」
クローテ「そうなのですか?」
カッセ「本来なら社会勉強のため、次の定期連絡の際に王都に連れて来る予定だったのだが……」
モラセス「火急の報せで今回は置いてきた、と」
カッセ「王都行きを楽しみにしていたのでござるが、状況が状況ゆえ」
モカ「こんな見た目でちゃんとパパしてるよ……」
メリーゼ「もふもふ……」
モカ「メリーゼ?」
メリーゼ「い、いえ、なんでもないわ」
~後のことはよろしく~
ブオル「後のことはよろしく、か……スタードの奴、こうなることわかってたな。そして、貴方も」
モラセス「……すまんな」
ブオル「貴方が黙認したということはどうしようもない状況だった訳でしょう?」
ランシッド『この場で唯一、迅速な魔物の浄化が出来たのはスタードだけだったからね……あちこちで一般人が襲われている以上、迷っている暇はなかった』
モラセス「他に選択肢があれば、間違いなくそちらを選んでいた。とはいえ、無茶をさせてしまったな……」
クローテ「お祖父様……」
ブオル「くそっ、何が起きてやがるんだ、何が……!」
~スタードは大丈夫?~
カカオ「な、なあ、スタードのじいちゃんは……」
清き風花『大丈夫です。力を使い果たして眠っていますが……』
モカ「どうして大丈夫って言い切れるのさ?」
ランシッド『契約者と契約精霊は繋がってるからさ』
クローテ「繋がっている?」
ランシッド『精霊は契約者の生死や命の危機を感じ取れるし任意で感覚を共有することもできる。清き風花が大丈夫だと言っているということは、大丈夫なんだ』
清き風花『大精霊を喚び出してその力を行使することは、程度にもよりますが契約者の身に負担がかかります。ですが、そんなことであの方を死なせたりなど……わたしがさせません』
カカオ「そうは言うけどさ、やっぱこうも目覚める気配がないと心配だぜ……」
清き風花『数日中には目を覚ますはずですよ』
モラセス「目覚めには事件解決の報せを手土産に迎えてやれ」
カカオ「き、気が早ぇ……」
モラセス「そのくらいの意気でいろという話だ」
~“安全”な王都~
メリーゼ「ひどい、王都がめちゃくちゃ……」
モラセス「さすがの結界も直接中に来られては成す術がないということだ」
ブオル「そして安全が約束されているが故に対応が遅れる……それが、王都の弱点ですか」
モラセス「少し状況は違うが、二十年前にも似たようなことがあった。脅威が去って時が経ちすぎたな」
カカオ「こんなこと、そうそうあってたまるかよ……」
モラセス「ああ、その通りだ。王都に限らず、人々が暮らす地は安全でなくてはならない」
ランシッド『とはいえ、時空転移で来られちゃさすがにやりようがないよ』
モラセス「そこなんだがな……」
~大精霊~
モカ「大精霊の力ってすごいんだね」
ブオル「こんなちっちゃくて可憐なお嬢さんなのに、大したもんだなあ」
清き風花『そ、そんな……』
ランシッド『精霊の外見なんてあんまりあてにならないよ。俺だって生前の姿をそのままとったらものすごいおじいちゃんになる訳だし』
モラセス「お前がその姿をとっていたのは、ダクワーズのためだったな」
メリーゼ「お母様の?」
ランシッド『愛故に、ね。まあ詳しくはそのうち話すよ。ちょっと事情が複雑だからさ』
メリーゼ「…………」
ランシッド『とまあ、そんな感じで精霊は見た目通りとは限らないんだよねー』
モラセス「女神なのに女神じゃない奴とかいるしな」
ブオル「女神なのに女神じゃない……?」
メリーゼ「な、何かのなぞなぞでしょうか?」
モラセス「会えばわかる」
~はるかぜのにおい~
カカオ「んー……」
清き風花『な、なんでしょうか?』
カカオ「スタードのじいちゃんからしてた匂いって、清き風花のだったんだなって」
モラセス「なんだ、加齢臭か?」
清き風花『そんな訳ありません!』
カカオ「じいちゃんの側にいくと、なんかこうふわっと優しくて甘いニオイがしたんだよ。花の香りを集めた、春風みたいないい匂い」
モラセス「それがこいつのだと?」
ブオル「精霊に匂いとかあるのか?」
清き風花『あまり聞いたことはありませんが……』
メリーゼ「風の精霊さんが春風の香りだなんて、なんだか素敵ですね」
モカ「ボクにはわかんないけど、他の属性はどんな香りがするんだろうねぇ」
ランシッド『ねえねえカカオ、俺は?』
モラセス「それこそ加齢臭じゃないか?」
ランシッド『ああ、時を司るだけに重ねた時のニオイだねーってそんなの嫌だよ!』
ブオル「せ、精霊のノリツッコミだ……」
~カッセは妻子もち~
モカ「さっきさらっと妻も子もいるって言ったよね、このちびっこ」
カッセ「拙者はこれ以上大きくならない種族ゆえ、よく子供と間違われるのでござるよ」
クローテ「聖依獣……母上以外の……」
カッセ「フレス殿の子息でござったな。拙者の子供も、聖依獣と人間の狭間の子でござる」
クローテ「そうなのですか?」
カッセ「本来なら社会勉強のため、次の定期連絡の際に王都に連れて来る予定だったのだが……」
モラセス「火急の報せで今回は置いてきた、と」
カッセ「王都行きを楽しみにしていたのでござるが、状況が状況ゆえ」
モカ「こんな見た目でちゃんとパパしてるよ……」
メリーゼ「もふもふ……」
モカ「メリーゼ?」
メリーゼ「い、いえ、なんでもないわ」