７～父の瞳～
―おまけスキット―
～カクカク野郎ゆるすまじ！～
カカオ「まったくあの野郎、どこまで卑劣でセコい手を使いやがるんだ！」
モカ「動けない相手にトドメを刺して、それをひいおじいちゃんのせいにしようとするなんて……！」
ランシッド『ひとの心と命を弄ぶ、最低な行為だね』
ブオル「……ああ」
カカオ「おっさん？」
ブオル「ああ、いや、なんでもない」
メリーゼ「ブオルさん……」
クローテ「いろいろと、ショックが強い光景でしたね……」
カカオ「ああ、そうか……大丈夫か？」
モカ「バカだねカカオ兄ぃ、大丈夫かって聞かれたら大丈夫だって返しちゃうじゃん」
カカオ「うっ」
ブオル「ははは……そうだな、大丈夫だ」
クローテ「……」
～戦い、慣れてきた？～
ブオル「さっきの戦闘を見る限り、全くのド素人じゃなさそうだな」
カカオ「オレやモカはともかく、メリーゼとクローテは騎士だし、それなりに訓練は受けてるからな」
ブオル「そう言うカカオとモカだってなかなかのもんだぞ」
カカオ「オレはじいちゃんの護衛で一緒に出歩いてたりしてたから……」
モカ「ボクは前には出ないけど、道具の扱いは熟知してるからね！」
ブオル「それに魔術、か。役割分担がはっきりしていると、連携がとりやすいな」
カカオ「チームワークは抜群だぜ！」
メリーゼ「チームワークを誇るなら勝手に突っ走って無闇に突っ込まないでくださいね」
クローテ「それで傷を負って、治すのは私なんだからな」
カカオ「お、おう……」
ブオル「うーん、その辺はまだまだか……」
～ブオルの力～
モカ「おじちゃん、すっごーい！」
カカオ「あんな重たそうな斧を軽々とブン回すんだもんなー」
ブオル「ははは、お前らを両腕にぶら下げてぐるぐる回ることもできるぞー！」
モカ「なにそれ楽しそう！」
カカオ「やりてえ！」
ブオル「はっはっはー、いいともー！」
メリーゼ「カカオ君もモカちゃんもすっかりなついちゃって……」
クローテ「ブオル殿……」
メリーゼ「クローテ君？」
クローテ「……いや、なんでもない」
メリーゼ「クローテ君もブオルさんにぐるぐるして欲しいの？」
クローテ「ち、違う！」
メリーゼ「ふふ、冗談ですよ」
クローテ「わかっているのかいないのかわかりにくいな、メリーゼは……」
～力が出ない？～
ブオル「どうしちまったんだろうなあ、俺……」
ランシッド『本来ならいるはずのない時代に迷いこんだっていうのもあるけど、普通なら俺の力で転移させるところを身一つで空間の綻びをすり抜けてきたから、何かしら弊害があっても不思議じゃないんだよなあ』
モカ「むしろ無事でいられたのが不思議なくらい？」
ランシッド『ありえるね。何の補助もなく時空を超えるなんて、人の身で成功したのがそもそも幸運なのかもしれない』
ブオル「え、なにそれ、一歩間違ったら俺どうなってたの……？」
ランシッド『肉体は耐えきれず消滅、魂だけになって何もない空間の狭間で永遠に迷子とか』
ブオル「ひえっ」
カカオ「あんまおっさんを脅かすなよ」
ランシッド『ごめんごめん……冗談って訳でもないけどさ』
ブオル「さらっと言わないでください怖い！」
～言いたい事は山ほど～
モラセス「ブオル……怒ってるよな」
スタード「本当は言いたいことが山ほどあるのでしょうね。ただ一度に起こりすぎて追い付かないのもあると思います」
ランシッド『魔物になったモラセスがスタードを刺したこともだけど、その口から自分が死んだことも聞かされたからね。あの時代なら生きてても相当なおじいさんだけど、モラセスの口振りはそういう感じじゃなかった』
スタード「ええ。だって父上は……」
モラセス「……言うな、スタード」
スタード「……はい」
ブオル「こそこそと声を潜めて、どうしましたか？」
モラセス「ああ、いや……」
ブオル「あの時代で見たことなら、もう二人にとっては解決した話……二十年も経って蒸し返すのは良くないでしょう」
モラセス「だが俺はこの手でスタードを……」
ブオル「……親として本音を言えば、そこは怒ってます。うちの可愛い息子に何してくれてんだ、って」
スタード「父上……」
ブオル「今の二人を見てるといろいろな事を乗り越えてきたんだってのはわかります。俺が口を挟める問題じゃない、けど……」
モカ「なんとも言えずもどかしい、って感じ？」
ブオル「そんなところかなあ」
モラセス「謝ってどうなる話でもないが……すまん」
ブオル「はは……」
モラセス「あれを見たのがホイップだったら俺は奴に全力で刺されていた」
ブオル「ひ、否定できない……」
カカオ「お前のひいばーちゃんすげえな」
クローテ「…………」
～黒いバケモノ～
クローテ「庭園に見たことのない魔物が……！」
モカ「なにあれ、きもっ……なんか、生理的に無理ぃ……」
メリーゼ「今まで戦ったどの敵とも違う禍々しさ……何かしら、悪寒が止まらない……」
ランシッド『……転移してきたのは何も人間だけに限った話じゃなかったのか……』
ブオル「ランシッド様？」
スタード「再びまみえることになろうとは……」
モラセス「しかし、今のこいつらでは……」
カカオ「じいちゃん達、どうしたんだよ？」
スタード「やらねばならん、か……」
ブオル「おい、スタード……？」
スタード「父上……少々厄介な事態になりました」
ランシッド『ああ……厄介だね』
～カクカク野郎ゆるすまじ！～
カカオ「まったくあの野郎、どこまで卑劣でセコい手を使いやがるんだ！」
モカ「動けない相手にトドメを刺して、それをひいおじいちゃんのせいにしようとするなんて……！」
ランシッド『ひとの心と命を弄ぶ、最低な行為だね』
ブオル「……ああ」
カカオ「おっさん？」
ブオル「ああ、いや、なんでもない」
メリーゼ「ブオルさん……」
クローテ「いろいろと、ショックが強い光景でしたね……」
カカオ「ああ、そうか……大丈夫か？」
モカ「バカだねカカオ兄ぃ、大丈夫かって聞かれたら大丈夫だって返しちゃうじゃん」
カカオ「うっ」
ブオル「ははは……そうだな、大丈夫だ」
クローテ「……」
～戦い、慣れてきた？～
ブオル「さっきの戦闘を見る限り、全くのド素人じゃなさそうだな」
カカオ「オレやモカはともかく、メリーゼとクローテは騎士だし、それなりに訓練は受けてるからな」
ブオル「そう言うカカオとモカだってなかなかのもんだぞ」
カカオ「オレはじいちゃんの護衛で一緒に出歩いてたりしてたから……」
モカ「ボクは前には出ないけど、道具の扱いは熟知してるからね！」
ブオル「それに魔術、か。役割分担がはっきりしていると、連携がとりやすいな」
カカオ「チームワークは抜群だぜ！」
メリーゼ「チームワークを誇るなら勝手に突っ走って無闇に突っ込まないでくださいね」
クローテ「それで傷を負って、治すのは私なんだからな」
カカオ「お、おう……」
ブオル「うーん、その辺はまだまだか……」
～ブオルの力～
モカ「おじちゃん、すっごーい！」
カカオ「あんな重たそうな斧を軽々とブン回すんだもんなー」
ブオル「ははは、お前らを両腕にぶら下げてぐるぐる回ることもできるぞー！」
モカ「なにそれ楽しそう！」
カカオ「やりてえ！」
ブオル「はっはっはー、いいともー！」
メリーゼ「カカオ君もモカちゃんもすっかりなついちゃって……」
クローテ「ブオル殿……」
メリーゼ「クローテ君？」
クローテ「……いや、なんでもない」
メリーゼ「クローテ君もブオルさんにぐるぐるして欲しいの？」
クローテ「ち、違う！」
メリーゼ「ふふ、冗談ですよ」
クローテ「わかっているのかいないのかわかりにくいな、メリーゼは……」
～力が出ない？～
ブオル「どうしちまったんだろうなあ、俺……」
ランシッド『本来ならいるはずのない時代に迷いこんだっていうのもあるけど、普通なら俺の力で転移させるところを身一つで空間の綻びをすり抜けてきたから、何かしら弊害があっても不思議じゃないんだよなあ』
モカ「むしろ無事でいられたのが不思議なくらい？」
ランシッド『ありえるね。何の補助もなく時空を超えるなんて、人の身で成功したのがそもそも幸運なのかもしれない』
ブオル「え、なにそれ、一歩間違ったら俺どうなってたの……？」
ランシッド『肉体は耐えきれず消滅、魂だけになって何もない空間の狭間で永遠に迷子とか』
ブオル「ひえっ」
カカオ「あんまおっさんを脅かすなよ」
ランシッド『ごめんごめん……冗談って訳でもないけどさ』
ブオル「さらっと言わないでください怖い！」
～言いたい事は山ほど～
モラセス「ブオル……怒ってるよな」
スタード「本当は言いたいことが山ほどあるのでしょうね。ただ一度に起こりすぎて追い付かないのもあると思います」
ランシッド『魔物になったモラセスがスタードを刺したこともだけど、その口から自分が死んだことも聞かされたからね。あの時代なら生きてても相当なおじいさんだけど、モラセスの口振りはそういう感じじゃなかった』
スタード「ええ。だって父上は……」
モラセス「……言うな、スタード」
スタード「……はい」
ブオル「こそこそと声を潜めて、どうしましたか？」
モラセス「ああ、いや……」
ブオル「あの時代で見たことなら、もう二人にとっては解決した話……二十年も経って蒸し返すのは良くないでしょう」
モラセス「だが俺はこの手でスタードを……」
ブオル「……親として本音を言えば、そこは怒ってます。うちの可愛い息子に何してくれてんだ、って」
スタード「父上……」
ブオル「今の二人を見てるといろいろな事を乗り越えてきたんだってのはわかります。俺が口を挟める問題じゃない、けど……」
モカ「なんとも言えずもどかしい、って感じ？」
ブオル「そんなところかなあ」
モラセス「謝ってどうなる話でもないが……すまん」
ブオル「はは……」
モラセス「あれを見たのがホイップだったら俺は奴に全力で刺されていた」
ブオル「ひ、否定できない……」
カカオ「お前のひいばーちゃんすげえな」
クローテ「…………」
～黒いバケモノ～
クローテ「庭園に見たことのない魔物が……！」
モカ「なにあれ、きもっ……なんか、生理的に無理ぃ……」
メリーゼ「今まで戦ったどの敵とも違う禍々しさ……何かしら、悪寒が止まらない……」
ランシッド『……転移してきたのは何も人間だけに限った話じゃなかったのか……』
ブオル「ランシッド様？」
スタード「再びまみえることになろうとは……」
モラセス「しかし、今のこいつらでは……」
カカオ「じいちゃん達、どうしたんだよ？」
スタード「やらねばならん、か……」
ブオル「おい、スタード……？」
スタード「父上……少々厄介な事態になりました」
ランシッド『ああ……厄介だね』
