46~想い出の地の奥で~
~シーフォンの力~
モカ「シフォ兄ぃの武器はパチンコかあ。なんか意外なようなしっくりくるような」
シーフォン「剣の道を追い続けていたけど、結局こいつを手にしている時が一番イキイキしていたからね」
万物の王『剣は既にスペシャリストがいるからな』
パンキッド「あの指パッチンして爆発したのは?」
シーフォン「あれは最初から弾に時限式で爆発するようマナをこめていたのさ」
カカオ「へええ、すっげえな!」
モカ「……ん、待って? 時限式ってことは爆発するタイミングは決まってるってこと?」
アングレーズ「じゃあ指パッチンは爆発させる合図じゃなくて……」
シーフォン「時間に合わせて鳴らしているだけさ。その方がカッコイイからね!」
モカ「ア、アホだ……」
パンキッド「でも、嫌いじゃないよ、そういうの」
~森の奥のひみつ~
ブオル「モラセス様の想い出の花畑が、聖依獣の隠れ里に通じていたなんてなあ」
ランシッド『カミベルと出会った場所だっけ? でも、それなら彼女がいたのも納得じゃない?』
ブオル「今思えばそうだったんですねえ」
アングレーズ「秘密の入口がある花畑で運命の出逢いを果たす若き日の王と結界の巫女……」
シーフォン「その足元には広大な地下遺跡……なんだかこう、くすぐられるね」
ブオル「…………」
ランシッド『当時のモラセスには辛い記憶だったろうけど……再会して今一緒にいるふたりは幸せそうにしているよ、ブオル』
ブオル「ランシッド様……」
ランシッド『前を向いて進もう。君が暗い顔してると若者達が不安がるよ』
ブオル「はは、すみません」
~聖依獣と聖依術士~
メリーゼ「聖依術士……」
ガレ「それがしがマナを体内に溜めてブレスとして吐き出すのとは違って、聖依術は精霊そのものを体に憑依させて一体化するのでござる」
クローテ「すごい術だな。姿も変わるというし……」
パンキッド「それ、ガレ達はできないのかい?」
ガレ「うーん、どうでござろうなあ……」
クローテ「我々は純粋な聖依獣ではないし、そもそも術士がいないから無理なんじゃないか?」
モカ「なんだか融通がきかない術なんだねぇ」
万物の王『制限が大きいのは同時にそれだけ強力だということだ』
モカ「精霊王を宿して四本腕の半裸マッチョになったクロ兄とかは見てみたいけどね」
ガレ「確か聖依術で精霊を憑依させたら姿だけでなく性格もちょっと精霊に引っ張られるのでござったな……」
パンキッド「ハイテンションで尊大なクローテ……」
クローテ「お、おかしな想像をするな!」
~きらきらマナスポット~
シーフォン「可視化されたマナがこんなに……これがマナスポットというやつか……」
メリーゼ「いつ見ても綺麗ですね」
アングレーズ「ほんと、幻想的でロマンチックねぇ」
シーフォン「ああ、マナの光に照らされるメリーゼ……なんて美しいんだ。まるで妖精のようだよ!」
メリーゼ「えっ、あの、シー君?」
パンキッド「はいはい。そこまでにしときな」
シーフォン「むっ、なんだ君は!?」
パンキッド「そんな浮ついたセリフを吐くためにメリーゼにくっついてきた訳じゃないだろ?」
シーフォン「それは、そうだが……き、君に言われなくてもわかっている!」
パンキッド「んじゃ、さっさと進むよ!」
シーフォン「むう……」
メリーゼ「うふふ、すっかり仲良しですね二人とも」
カカオ「なんだかんだいいコンビだよな」
~モラセス王の血筋~
万物の王『シーフォン・ロイ・グランマニエ……ヒョロくて小さくて頼りなくて、武人のモラセスやトランシュとはあまり似ていないかと思ったが……』
ブオル「なに言ってんすか。イタズラに脱走、真っ直ぐな行動力は確実にモラセス様の系譜です」
クローテ「それに身体もしっかり鍛えられていますし……王家の基準が高過ぎるのですよ」
ブオル「未来に来て確信したけど、グランマニエ王家は脳筋家系だよなあ」
ランシッド『い、異議あり!』
ブオル「っと、失礼。初代は例外でしたね」
ランシッド『ったくもう……いつの間にこんな家系になっちゃったのかなあ?』
モカ「一応ボクとかザッハ大叔父ちゃんもいるけどね」
万物の王『そうだ、インドア派の発明家タイプもいるんだったな』
ランシッド『うーん、極端な子孫達だなあ……』
~拭えぬ不安~
ブオル「…………」
ランシッド『ねえブオル、ほんとに大丈夫?』
ブオル「大丈夫じゃなきゃ進めないでしょう。今の俺達に、立ち止まっている時間はありません。ただ……」
ランシッド『ただ?』
ブオル「アングレーズじゃないけど、さっきから予感がするんです。近づいてくるような、引き合うような……」
ランシッド『引き合う……?』
ブオル「漠然としたものでしかありませんけどね。ほら、俺って繊細だから……なんちて」
ランシッド『そうだね』
ブオル「あらら、そこはツッコんでくださいよ」
ランシッド『周りをよく見てさり気なく細やかな気遣いできるし、あながち間違ってないよ』
ブオル「……そうっすかね?」
ランシッド『仲間を心配させたくないのはわかるけど、少しくらい寄り掛かってくれてもいいんだよ? 立ち止まる時間だって、多少ならあるんだ』
ブオル「ランシッド様……」
ランシッド『まったく、もう……君がそんなだと調子狂うの!』
ブオル「はは……善処します」
モカ「シフォ兄ぃの武器はパチンコかあ。なんか意外なようなしっくりくるような」
シーフォン「剣の道を追い続けていたけど、結局こいつを手にしている時が一番イキイキしていたからね」
万物の王『剣は既にスペシャリストがいるからな』
パンキッド「あの指パッチンして爆発したのは?」
シーフォン「あれは最初から弾に時限式で爆発するようマナをこめていたのさ」
カカオ「へええ、すっげえな!」
モカ「……ん、待って? 時限式ってことは爆発するタイミングは決まってるってこと?」
アングレーズ「じゃあ指パッチンは爆発させる合図じゃなくて……」
シーフォン「時間に合わせて鳴らしているだけさ。その方がカッコイイからね!」
モカ「ア、アホだ……」
パンキッド「でも、嫌いじゃないよ、そういうの」
~森の奥のひみつ~
ブオル「モラセス様の想い出の花畑が、聖依獣の隠れ里に通じていたなんてなあ」
ランシッド『カミベルと出会った場所だっけ? でも、それなら彼女がいたのも納得じゃない?』
ブオル「今思えばそうだったんですねえ」
アングレーズ「秘密の入口がある花畑で運命の出逢いを果たす若き日の王と結界の巫女……」
シーフォン「その足元には広大な地下遺跡……なんだかこう、くすぐられるね」
ブオル「…………」
ランシッド『当時のモラセスには辛い記憶だったろうけど……再会して今一緒にいるふたりは幸せそうにしているよ、ブオル』
ブオル「ランシッド様……」
ランシッド『前を向いて進もう。君が暗い顔してると若者達が不安がるよ』
ブオル「はは、すみません」
~聖依獣と聖依術士~
メリーゼ「聖依術士……」
ガレ「それがしがマナを体内に溜めてブレスとして吐き出すのとは違って、聖依術は精霊そのものを体に憑依させて一体化するのでござる」
クローテ「すごい術だな。姿も変わるというし……」
パンキッド「それ、ガレ達はできないのかい?」
ガレ「うーん、どうでござろうなあ……」
クローテ「我々は純粋な聖依獣ではないし、そもそも術士がいないから無理なんじゃないか?」
モカ「なんだか融通がきかない術なんだねぇ」
万物の王『制限が大きいのは同時にそれだけ強力だということだ』
モカ「精霊王を宿して四本腕の半裸マッチョになったクロ兄とかは見てみたいけどね」
ガレ「確か聖依術で精霊を憑依させたら姿だけでなく性格もちょっと精霊に引っ張られるのでござったな……」
パンキッド「ハイテンションで尊大なクローテ……」
クローテ「お、おかしな想像をするな!」
~きらきらマナスポット~
シーフォン「可視化されたマナがこんなに……これがマナスポットというやつか……」
メリーゼ「いつ見ても綺麗ですね」
アングレーズ「ほんと、幻想的でロマンチックねぇ」
シーフォン「ああ、マナの光に照らされるメリーゼ……なんて美しいんだ。まるで妖精のようだよ!」
メリーゼ「えっ、あの、シー君?」
パンキッド「はいはい。そこまでにしときな」
シーフォン「むっ、なんだ君は!?」
パンキッド「そんな浮ついたセリフを吐くためにメリーゼにくっついてきた訳じゃないだろ?」
シーフォン「それは、そうだが……き、君に言われなくてもわかっている!」
パンキッド「んじゃ、さっさと進むよ!」
シーフォン「むう……」
メリーゼ「うふふ、すっかり仲良しですね二人とも」
カカオ「なんだかんだいいコンビだよな」
~モラセス王の血筋~
万物の王『シーフォン・ロイ・グランマニエ……ヒョロくて小さくて頼りなくて、武人のモラセスやトランシュとはあまり似ていないかと思ったが……』
ブオル「なに言ってんすか。イタズラに脱走、真っ直ぐな行動力は確実にモラセス様の系譜です」
クローテ「それに身体もしっかり鍛えられていますし……王家の基準が高過ぎるのですよ」
ブオル「未来に来て確信したけど、グランマニエ王家は脳筋家系だよなあ」
ランシッド『い、異議あり!』
ブオル「っと、失礼。初代は例外でしたね」
ランシッド『ったくもう……いつの間にこんな家系になっちゃったのかなあ?』
モカ「一応ボクとかザッハ大叔父ちゃんもいるけどね」
万物の王『そうだ、インドア派の発明家タイプもいるんだったな』
ランシッド『うーん、極端な子孫達だなあ……』
~拭えぬ不安~
ブオル「…………」
ランシッド『ねえブオル、ほんとに大丈夫?』
ブオル「大丈夫じゃなきゃ進めないでしょう。今の俺達に、立ち止まっている時間はありません。ただ……」
ランシッド『ただ?』
ブオル「アングレーズじゃないけど、さっきから予感がするんです。近づいてくるような、引き合うような……」
ランシッド『引き合う……?』
ブオル「漠然としたものでしかありませんけどね。ほら、俺って繊細だから……なんちて」
ランシッド『そうだね』
ブオル「あらら、そこはツッコんでくださいよ」
ランシッド『周りをよく見てさり気なく細やかな気遣いできるし、あながち間違ってないよ』
ブオル「……そうっすかね?」
ランシッド『仲間を心配させたくないのはわかるけど、少しくらい寄り掛かってくれてもいいんだよ? 立ち止まる時間だって、多少ならあるんだ』
ブオル「ランシッド様……」
ランシッド『まったく、もう……君がそんなだと調子狂うの!』
ブオル「はは……善処します」