45~異世界に降りた災厄~
~“テラ”の物語~
ブオル「テラはこの世界に来る前に、既にいくつもの世界を滅ぼしてきたんだな……」
カカオ「それもゲーム感覚で……これじゃあ今まで滅ぼされた世界の人達が浮かばれねーよ」
メリーゼ「確かに、最初は平和を脅かす存在と言われて英雄に倒された恨みがあったのかもしれません。それでも、こんなのって……」
パンキッド「ああ。ふたつめの世界からは無関係。完全にただの逆恨みさね」
モカ「メーワクな話だね」
ガレ「ストーリーテラー……」
アングレーズ「え?」
ガレ「テラは自らをそう名乗っていたでござる。そして英雄に対しては“自分の物語の邪魔者”と……」
クローテ「奴は自分の理想の物語を作り上げるつもりなんだろう。人々が生きる世界から、要らないものを排除して」
アングレーズ「そうして誰に語るつもりなのかしらね、ストーリーテラーさんは?」
モカ「そんなひとりよがりな物語、聞き手なんていやしないよ」
メリーゼ「止めないと……なんとしても」
カカオ「……だな」
~ふたつの災厄~
ランシッド『パルフェリアの時代に落ちてきた“総てに餓えし者”と似たような経緯で異世界にやってきたテラ……』
万物の王『まさかとは思うが、兄弟や仲間……ではなかろうな?』
デュー「性質も似てるし、有り得ない話でもないのかもな」
ミレニア「仮にそうだとして、ヤツと会ったら感動の再会……には、なりそうにないのう」
万物の王『そういうタイプでもないだろう』
デュー「少なくともオレたちの敵だった頃のヤツなら、互いに取り込んで力を得ようとしただろうな」
ミレニア「うえ、想像したくもないのじゃ」
ランシッド『勘弁して欲しいね、そういうのは』
~不吉な予知~
アングレーズ「…………」
ブオル「予知のこと、気にしてるのか?」
アングレーズ「おじさま……」
ブオル「よっぽど怖いもんだったんだな。体調とか大丈夫か?」
アングレーズ「あたしは平気……でも、おじさまが……」
ブオル「こうも考えられるだろ。アングレーズが予知してくれたお陰で、俺はこの先気を引き締めて警戒を強めることができる……あっ、普段が緩んでる訳じゃないぞ!? 緩んでるのはボディラインだけだ!」
アングレーズ「え」
ブオル「なんならこの腹、揉んでみるか? 癒やされる触り心地だってモラセス様にも評判でな」
アングレーズ「ふっ……うふふ」
ブオル「おっ、笑ったな」
アングレーズ「ありがとう、おじさま」
ブオル「アングレーズの笑顔は女神様みたいに綺麗だからな。きっと不吉なものなんて吹き飛ばしてくれるさ」
アングレーズ「もう……そういうことさらっと言ったらダメよ、おじさま?」
~デューとミレニア~
ミレニア「ふたりで王都へ、か……シュクルがおれば完璧だったのう」
デュー「んで、アセンブルでイシェルナと出会ってアトミゼでオグマと……ってか。確かに昔を思い出すな」
ミレニア「ま、今のシュクルにはいろいろあるからの。身軽には旅立てんが」
デュー「だな。にしても、あの時とは状況がだいぶ違う」
ミレニア「あの時は……最初は、世界の存亡などかかっていなかったからのう」
デュー「オレの記憶の手がかりを探すだけで、水面下で何か始まりつつあったなんて知らなかったんだよな」
ミレニア「本当は……もう始まっていたんじゃな」
デュー「ああ」
ミレニア「さて、今回もどうにかなるんかのう?」
デュー「そのためにみんな動いてんだろ。悪趣味な改変野郎なんかにゃ負けねえってな?」
ミレニア「じゃの!」
~シーフォンも仲間入り?~
シーフォン「改めて見ると奇妙なメンバーだね、君達は」
カカオ「お前が入ったことでさらに奇妙になったけどな?」
モカ「まあでもそうだねぇ、年齢も肩書きも来た時代もバラバラだし」
パンキッド「けどなんだかんだみんな受け入れてくれるよね」
カカオ「パンキッドも最近馴染んだんだよな」
モカ「最初はどうなるかと思ったけどね」
パンキッド「あはは、本人の前でそれを言うかい」
シーフォン「……」
パンキッド「なに?」
シーフォン「他はともかく、そこの野蛮そうな君たちとうまくやっていけるかが少し心配だな……」
カカオ「ま、なるようになるだろ。お前にその気があるならな」
メリーゼ「大丈夫ですよ、シー君」
パンキッド「そうだぞ、シー君?」
シーフォン「うぐっ……どうして君までそう呼ぶんだ!?」
パンキッド「呼びやすくていいなって。なあシー君」
カカオ「確かにな。ようシー君」
シーフォン「その名で呼んでいいのはメリーゼだけだぁっ!」
カカオ「ありゃ、ダメなのか」
パンキッド「難しい年頃なのかねえ?」
~王子様はへこたれない~
ブオル「カカオとメリーゼの様子を見て落ち込んでるかと思ったけど、たくましい王子様だなあ」
ガレ「あの二人も明確にカップルかと言われればちょっと違うのでござるが、それでも特別な空気ではあり申す」
モカ「めげずに来るみたいだけど、カカメリくっつけ隊の邪魔はさせないよ!」
アングレーズ「あら、たまにはこういうのもいいんじゃない? あの二人にはいい刺激になるかもよ?」
パンキッド「……なんか、あの王子様がちょっとかわいそうになってきたよ」
ランシッド『大丈夫さパンキッド。カカオもシーフォンもメリーゼには指一本近づけさせないから……!』
モカ「ここに最大のお邪魔虫がいた!」
アングレーズ「最近おとなしかったからちょっと忘れてたわ」
パンキッド「近づけさせないも何も、うち二人は完全に無自覚なんだけどねえ……」
ブオル「テラはこの世界に来る前に、既にいくつもの世界を滅ぼしてきたんだな……」
カカオ「それもゲーム感覚で……これじゃあ今まで滅ぼされた世界の人達が浮かばれねーよ」
メリーゼ「確かに、最初は平和を脅かす存在と言われて英雄に倒された恨みがあったのかもしれません。それでも、こんなのって……」
パンキッド「ああ。ふたつめの世界からは無関係。完全にただの逆恨みさね」
モカ「メーワクな話だね」
ガレ「ストーリーテラー……」
アングレーズ「え?」
ガレ「テラは自らをそう名乗っていたでござる。そして英雄に対しては“自分の物語の邪魔者”と……」
クローテ「奴は自分の理想の物語を作り上げるつもりなんだろう。人々が生きる世界から、要らないものを排除して」
アングレーズ「そうして誰に語るつもりなのかしらね、ストーリーテラーさんは?」
モカ「そんなひとりよがりな物語、聞き手なんていやしないよ」
メリーゼ「止めないと……なんとしても」
カカオ「……だな」
~ふたつの災厄~
ランシッド『パルフェリアの時代に落ちてきた“総てに餓えし者”と似たような経緯で異世界にやってきたテラ……』
万物の王『まさかとは思うが、兄弟や仲間……ではなかろうな?』
デュー「性質も似てるし、有り得ない話でもないのかもな」
ミレニア「仮にそうだとして、ヤツと会ったら感動の再会……には、なりそうにないのう」
万物の王『そういうタイプでもないだろう』
デュー「少なくともオレたちの敵だった頃のヤツなら、互いに取り込んで力を得ようとしただろうな」
ミレニア「うえ、想像したくもないのじゃ」
ランシッド『勘弁して欲しいね、そういうのは』
~不吉な予知~
アングレーズ「…………」
ブオル「予知のこと、気にしてるのか?」
アングレーズ「おじさま……」
ブオル「よっぽど怖いもんだったんだな。体調とか大丈夫か?」
アングレーズ「あたしは平気……でも、おじさまが……」
ブオル「こうも考えられるだろ。アングレーズが予知してくれたお陰で、俺はこの先気を引き締めて警戒を強めることができる……あっ、普段が緩んでる訳じゃないぞ!? 緩んでるのはボディラインだけだ!」
アングレーズ「え」
ブオル「なんならこの腹、揉んでみるか? 癒やされる触り心地だってモラセス様にも評判でな」
アングレーズ「ふっ……うふふ」
ブオル「おっ、笑ったな」
アングレーズ「ありがとう、おじさま」
ブオル「アングレーズの笑顔は女神様みたいに綺麗だからな。きっと不吉なものなんて吹き飛ばしてくれるさ」
アングレーズ「もう……そういうことさらっと言ったらダメよ、おじさま?」
~デューとミレニア~
ミレニア「ふたりで王都へ、か……シュクルがおれば完璧だったのう」
デュー「んで、アセンブルでイシェルナと出会ってアトミゼでオグマと……ってか。確かに昔を思い出すな」
ミレニア「ま、今のシュクルにはいろいろあるからの。身軽には旅立てんが」
デュー「だな。にしても、あの時とは状況がだいぶ違う」
ミレニア「あの時は……最初は、世界の存亡などかかっていなかったからのう」
デュー「オレの記憶の手がかりを探すだけで、水面下で何か始まりつつあったなんて知らなかったんだよな」
ミレニア「本当は……もう始まっていたんじゃな」
デュー「ああ」
ミレニア「さて、今回もどうにかなるんかのう?」
デュー「そのためにみんな動いてんだろ。悪趣味な改変野郎なんかにゃ負けねえってな?」
ミレニア「じゃの!」
~シーフォンも仲間入り?~
シーフォン「改めて見ると奇妙なメンバーだね、君達は」
カカオ「お前が入ったことでさらに奇妙になったけどな?」
モカ「まあでもそうだねぇ、年齢も肩書きも来た時代もバラバラだし」
パンキッド「けどなんだかんだみんな受け入れてくれるよね」
カカオ「パンキッドも最近馴染んだんだよな」
モカ「最初はどうなるかと思ったけどね」
パンキッド「あはは、本人の前でそれを言うかい」
シーフォン「……」
パンキッド「なに?」
シーフォン「他はともかく、そこの野蛮そうな君たちとうまくやっていけるかが少し心配だな……」
カカオ「ま、なるようになるだろ。お前にその気があるならな」
メリーゼ「大丈夫ですよ、シー君」
パンキッド「そうだぞ、シー君?」
シーフォン「うぐっ……どうして君までそう呼ぶんだ!?」
パンキッド「呼びやすくていいなって。なあシー君」
カカオ「確かにな。ようシー君」
シーフォン「その名で呼んでいいのはメリーゼだけだぁっ!」
カカオ「ありゃ、ダメなのか」
パンキッド「難しい年頃なのかねえ?」
~王子様はへこたれない~
ブオル「カカオとメリーゼの様子を見て落ち込んでるかと思ったけど、たくましい王子様だなあ」
ガレ「あの二人も明確にカップルかと言われればちょっと違うのでござるが、それでも特別な空気ではあり申す」
モカ「めげずに来るみたいだけど、カカメリくっつけ隊の邪魔はさせないよ!」
アングレーズ「あら、たまにはこういうのもいいんじゃない? あの二人にはいい刺激になるかもよ?」
パンキッド「……なんか、あの王子様がちょっとかわいそうになってきたよ」
ランシッド『大丈夫さパンキッド。カカオもシーフォンもメリーゼには指一本近づけさせないから……!』
モカ「ここに最大のお邪魔虫がいた!」
アングレーズ「最近おとなしかったからちょっと忘れてたわ」
パンキッド「近づけさせないも何も、うち二人は完全に無自覚なんだけどねえ……」