37~信頼の合図~
~言いようのない不安~
メリーゼ「カカオ君!」
カカオ「メリーゼ、無事か!」
メリーゼ「ええ、なんとか……でも、みんなの姿が見当たらないの。カクまるさんには襲われるし……」
カカオ「カクまる……ああ、アイツか。オレと同じだな」
ランシッド『恐らくはみんな離れ離れにした上で個別に仕留めるつもりか……リュナンへの時空干渉はむしろ、この障気を利用したこちらへの罠の可能性があるね』
カカオ「こうも何も見えないと不気味だぜ……」
メリーゼ「……嫌な、予感がします」
カカオ「お前がそう言うとヤバそうだな。早くみんなを見つけよう」
ランシッド『俺も精霊だけど、気配察知までは専門外なんだよなあ……』
カカオ「地道にいくしかねーか」
メリーゼ「ですね」
~信じて頼る~
モカ「ガレっちが雷に気づいてくれて、文字通り命拾いしたよー」
ガレ「昔、仲間と離れ離れになった時に壁に雷を走らせて自分の居場所を知らせた……ちちうえから聞いたことがあったのでござるよ」
モカ「その合図を受け取ったのがパパ……昔とは逆になったね」
ガレ「ちちうえの時はまたちょっと状況が違ったようでござるが……」
モカ「そうそう。昔の話いっぱい聞かせてもらったけど、この話は大好きだったから特によく覚えてるよ」
ガレ「それがしもでござる! 幼き頃、よく眠る前にちちうえにせがんだとかなんとか……」
モカ「英雄本人から聞くなんて、今思うと贅沢な昔話だよねぇ」
ガレ「にゃはは……」
モカ「……あんな信頼関係、憧れちゃうよね。カッコいいもん」
ガレ「そうでござるなあ」
モカ「今回はやけっぱちでやったことだけど、いつかホントにそういうことできたらいいな」
ガレ「や、やけっぱちだったでござるか……」
~足手まとい~
モカ「はー……」
クローテ「どうした、モカ?」
モカ「わかってたけどさ、敵に言われちゃったんだよ……ひとりじゃ何もできない足手まとい、って」
アングレーズ「あら、でも結局負けたのはあっちでしょ?」
モカ「けどそれはガレっちが来てくれたからで……」
アングレーズ「一対一で戦わなきゃいけないなんて、誰が言ったの?」
モカ「えっ」
アングレーズ「これはルールが決まってる試合じゃないのよ。あたし達がやっているのは、そういう戦いなの」
クローテ「そうだな……むしろ、不利な状況でも諦めず、自分の力で逆転したんだ。そこは誇っていいと思うぞ」
モカ「アン、クロ兄……」
パンキッド「けど御大層な罠を仕掛けて、わざわざ分断までしておいて負けるなんざ、ざまぁないね」
アングレーズ「自業自得よ。どうせ勝利を確信して油断してたのでしょうから」
モカ「ぐふふ、ルール無用なら何やってもいいよね……?」
アングレーズ「もちろんよ。全力で潰してあげましょう……うふ、うふふふふ……」
ガレ「アングレーズどの、げきおこでござる……」
クローテ「なんか、どちらが悪役かわからなくなってきたぞ……」
~ガレの優しさ~
モカ「ガレっちってさあ、優しいよねえ?」
クローテ「なんだ今更」
ブオル「チビすけが言いたいのは表面的な部分じゃないとこだな。あいつ、意外と見た目によらないからなあ」
クローテ「ああ……そうですね、確かに」
モカ「なんか、よくわかんないけどね」
ブオル「……じゃあ、クローテのことは優しいって思うか?」
クローテ「え?」
モカ「思う」
ブオル「だろ?」
モカ「……あー、なんかわかったかも」
クローテ「は?」
ブオル「表面的に感じられる優しさっていうのは、わかりやすくて感じが良いもんだな。けど、優しさの種類はそれだけじゃない。そういう話だ」
クローテ「……悪かったですね、わかりやすくなくて」
モカ「あ、拗ねた」
ブオル「わ、悪かったって」
~クローテの場合~
カカオ「どうにかみんな再会できて良かったな」
パンキッド「あの骨組み野郎、罠にハメていい気になってたからさっさとブッ飛ばしてやったよ」
アングレーズ「まあ、パワフルねえ」
クローテ「……みんなはこれといって苦戦しなかったようだな」
メリーゼ「クローテ君?」
モカ「クロ兄、身のこなし軽いし接近戦も魔術もできるじゃん」
クローテ「私の場合接近戦は近寄られた時の対処でしかない。魔術も支援なら得意だが攻撃特化じゃない。回避は得意だが決定打がないんだ……」
アングレーズ「つまり……泥沼?」
ガレ「もしかして、真っ先に聞きつけてそうなのに合流が遅かったのって……」
パンキッド「回避しつつちまちま反撃、で長期戦になってた訳か……」
クローテ「私も誰かと合流すれば良かったかな……ははは」
モカ「めっちゃ真面目に戦ってたんだね……」
ブオル「よ、よくひとりで頑張ったな……」
ガレ「クローテどの、今度からちゃんと助けを呼ぶでござるよ?」
クローテ「う、うるさい!」
~新機能~
カカオ「なあなあ、びっくりどっきりボックスに新機能がついたんだって?」
ランシッド『へえ、どんな機能だい?』
モカ「ふふーん、聞いておどろけ! その名も“ぶーすとダッシュ”だよ!」
パンキッド「ぶーすと……?」
モカ「ボクは移動が遅いから、いざって時に困ることがあるでしょ? それをどうにかする切り札だよ」
パンキッド「いや、その箱おろせば済むんじゃ……」
アングレーズ「そこはつっこんじゃダメよ、パンちゃん」
ランシッド『切り札って、あんまりホイホイ使えないのかい?』
モカ「推進装置にマナを蓄積させておいて使う時に一気に放出するんだけど、最大出力にはそれなりの量が必要なんだよ」
カカオ「一回使うとしばらく使えないってことか……」
モカ「他にも実際使ってみたら直進しかできないとか、着地に難アリとか、いろいろ問題点が出てきたからまた改良してみようと思う」
ランシッド『じゃあ今回のは試作ってことか』
モカ「そゆこと」
アングレーズ「発明家魂ねぇ」
カカオ「けど、気持ちわかるなあ」
パンキッド「カカオは職人魂だね」
モカ「この調子でびっくりどっきりボックスをもっともっとすごくしていくよー!」
アングレーズ「うふふ、先が楽しみね」
メリーゼ「カカオ君!」
カカオ「メリーゼ、無事か!」
メリーゼ「ええ、なんとか……でも、みんなの姿が見当たらないの。カクまるさんには襲われるし……」
カカオ「カクまる……ああ、アイツか。オレと同じだな」
ランシッド『恐らくはみんな離れ離れにした上で個別に仕留めるつもりか……リュナンへの時空干渉はむしろ、この障気を利用したこちらへの罠の可能性があるね』
カカオ「こうも何も見えないと不気味だぜ……」
メリーゼ「……嫌な、予感がします」
カカオ「お前がそう言うとヤバそうだな。早くみんなを見つけよう」
ランシッド『俺も精霊だけど、気配察知までは専門外なんだよなあ……』
カカオ「地道にいくしかねーか」
メリーゼ「ですね」
~信じて頼る~
モカ「ガレっちが雷に気づいてくれて、文字通り命拾いしたよー」
ガレ「昔、仲間と離れ離れになった時に壁に雷を走らせて自分の居場所を知らせた……ちちうえから聞いたことがあったのでござるよ」
モカ「その合図を受け取ったのがパパ……昔とは逆になったね」
ガレ「ちちうえの時はまたちょっと状況が違ったようでござるが……」
モカ「そうそう。昔の話いっぱい聞かせてもらったけど、この話は大好きだったから特によく覚えてるよ」
ガレ「それがしもでござる! 幼き頃、よく眠る前にちちうえにせがんだとかなんとか……」
モカ「英雄本人から聞くなんて、今思うと贅沢な昔話だよねぇ」
ガレ「にゃはは……」
モカ「……あんな信頼関係、憧れちゃうよね。カッコいいもん」
ガレ「そうでござるなあ」
モカ「今回はやけっぱちでやったことだけど、いつかホントにそういうことできたらいいな」
ガレ「や、やけっぱちだったでござるか……」
~足手まとい~
モカ「はー……」
クローテ「どうした、モカ?」
モカ「わかってたけどさ、敵に言われちゃったんだよ……ひとりじゃ何もできない足手まとい、って」
アングレーズ「あら、でも結局負けたのはあっちでしょ?」
モカ「けどそれはガレっちが来てくれたからで……」
アングレーズ「一対一で戦わなきゃいけないなんて、誰が言ったの?」
モカ「えっ」
アングレーズ「これはルールが決まってる試合じゃないのよ。あたし達がやっているのは、そういう戦いなの」
クローテ「そうだな……むしろ、不利な状況でも諦めず、自分の力で逆転したんだ。そこは誇っていいと思うぞ」
モカ「アン、クロ兄……」
パンキッド「けど御大層な罠を仕掛けて、わざわざ分断までしておいて負けるなんざ、ざまぁないね」
アングレーズ「自業自得よ。どうせ勝利を確信して油断してたのでしょうから」
モカ「ぐふふ、ルール無用なら何やってもいいよね……?」
アングレーズ「もちろんよ。全力で潰してあげましょう……うふ、うふふふふ……」
ガレ「アングレーズどの、げきおこでござる……」
クローテ「なんか、どちらが悪役かわからなくなってきたぞ……」
~ガレの優しさ~
モカ「ガレっちってさあ、優しいよねえ?」
クローテ「なんだ今更」
ブオル「チビすけが言いたいのは表面的な部分じゃないとこだな。あいつ、意外と見た目によらないからなあ」
クローテ「ああ……そうですね、確かに」
モカ「なんか、よくわかんないけどね」
ブオル「……じゃあ、クローテのことは優しいって思うか?」
クローテ「え?」
モカ「思う」
ブオル「だろ?」
モカ「……あー、なんかわかったかも」
クローテ「は?」
ブオル「表面的に感じられる優しさっていうのは、わかりやすくて感じが良いもんだな。けど、優しさの種類はそれだけじゃない。そういう話だ」
クローテ「……悪かったですね、わかりやすくなくて」
モカ「あ、拗ねた」
ブオル「わ、悪かったって」
~クローテの場合~
カカオ「どうにかみんな再会できて良かったな」
パンキッド「あの骨組み野郎、罠にハメていい気になってたからさっさとブッ飛ばしてやったよ」
アングレーズ「まあ、パワフルねえ」
クローテ「……みんなはこれといって苦戦しなかったようだな」
メリーゼ「クローテ君?」
モカ「クロ兄、身のこなし軽いし接近戦も魔術もできるじゃん」
クローテ「私の場合接近戦は近寄られた時の対処でしかない。魔術も支援なら得意だが攻撃特化じゃない。回避は得意だが決定打がないんだ……」
アングレーズ「つまり……泥沼?」
ガレ「もしかして、真っ先に聞きつけてそうなのに合流が遅かったのって……」
パンキッド「回避しつつちまちま反撃、で長期戦になってた訳か……」
クローテ「私も誰かと合流すれば良かったかな……ははは」
モカ「めっちゃ真面目に戦ってたんだね……」
ブオル「よ、よくひとりで頑張ったな……」
ガレ「クローテどの、今度からちゃんと助けを呼ぶでござるよ?」
クローテ「う、うるさい!」
~新機能~
カカオ「なあなあ、びっくりどっきりボックスに新機能がついたんだって?」
ランシッド『へえ、どんな機能だい?』
モカ「ふふーん、聞いておどろけ! その名も“ぶーすとダッシュ”だよ!」
パンキッド「ぶーすと……?」
モカ「ボクは移動が遅いから、いざって時に困ることがあるでしょ? それをどうにかする切り札だよ」
パンキッド「いや、その箱おろせば済むんじゃ……」
アングレーズ「そこはつっこんじゃダメよ、パンちゃん」
ランシッド『切り札って、あんまりホイホイ使えないのかい?』
モカ「推進装置にマナを蓄積させておいて使う時に一気に放出するんだけど、最大出力にはそれなりの量が必要なんだよ」
カカオ「一回使うとしばらく使えないってことか……」
モカ「他にも実際使ってみたら直進しかできないとか、着地に難アリとか、いろいろ問題点が出てきたからまた改良してみようと思う」
ランシッド『じゃあ今回のは試作ってことか』
モカ「そゆこと」
アングレーズ「発明家魂ねぇ」
カカオ「けど、気持ちわかるなあ」
パンキッド「カカオは職人魂だね」
モカ「この調子でびっくりどっきりボックスをもっともっとすごくしていくよー!」
アングレーズ「うふふ、先が楽しみね」