30~北へ~
~カッセとの再会~
カッセ「皆、久し振りで……と言いたいところだが、新顔もいるようでござるな」
アングレーズ「なんか不思議な感じ……ガレ君のお父さん、本当に見た目が変わらないのねえ」
モカ「ガレっちはあんなに変わったのにねえ」
ガレ「にゃははー……」
パンキッド「それにしても似てない親子もいたもんだねえ。びっくりしたよ」
ガレ「よく言われるでござる」
カッセ「……」
ガレ「ちちうえ?」
カッセ「……いや。大きくなったな。なんだか自分が一気に歳をとったような心地だ」
ランシッド『老け込むのはまだまだ早いよ。実際若いんだし』
ブオル「うーん、年齢の感覚がよくわからなくなる人たちだ」
清き風花『ですねえ』
~運び屋・ブラックカーラント号~
ブオル「たまげたなあ。亀が背負って泳ぐ船があるなんて」
パータ「ブラックカーラント号が他と違うのは、浅瀬や陸も関係なく行けるところだ」
キャティ「泳ぐどころか歩いちゃうからね。さすがに陸にあがったらみんなびっくりしちゃうから人が住んでる所じゃやらないけど」
カッセ「時期や場所を選ばない、この行動範囲の広さが運び屋としての売りなのでござる」
パンキッド「確かにこの船ならどこへでも行けちまうなあ」
クローテ「ああ。これはなんというか……」
カカオ「夢があるなあ……」
ブオル「だな……なんかわくわくしてきた」
キャティ「気に入ったらいつでも利用してよ。浅瀬を歩く時はちょっと揺れるけど、いい船だよ♪」
ランシッド『船酔いには気を付けてね』
カカオ「そういやさっきからモカの奴がいねえな」
メリーゼ「えっ」
クローテ「遅かったか……」
~北へ行こう~
メリーゼ「北大陸の霊峰、アラザンへ行きましょう!」
カカオ「魔物退治に残ってくれている人が心配だな」
アングレーズ「そういえば、人家に被害は出なかったのかしら?」
カッセ「霊峰は氷の大精霊の住み処でござる。ゆえに、いち早く異変に気付くことが出来た」
カカオ「氷の大精霊、ってことは……」
ランシッド『なるほど、霊峰にいるのは“彼”か』
パンキッド「どういうこった?」
クローテ「二十年前の英雄はそれぞれ各属性の大精霊と契約しているんだ」
カッセ「拙者は雷、デュー殿は水。そういった具合に、氷の大精霊の契約者もいるのでござるよ」
ランシッド『そして精霊は家が荒らされたら離れていてもわかるんだ』
パンキッド「なるほど、なんとなくわかったよ」
カカオ「大丈夫かな……強いっていっても地元民も近付かない霊峰でずっと戦ってるなんて」
カッセ「今のところはまだ猶予があるが、急いだ方が良さそうでござる」
~カッセとキャティ~
モカ「こうして見ると、なんか意外な感じの夫婦だねえ」
ランシッド『そういうの、余計なお世話っていうんだよ、モカ。この二人にもいろいろあったんだ』
カッセ「べ、別に大したことはござらぬ」
アングレーズ「ダーリン、なんて呼ばれてるのに大したことない訳ないわよねぇ?」
カッセ「あ、あれはキャティがふざけて……」
アングレーズ「えーとたしか、キャティさんからのアタックに『身近に他に異性がいないから錯覚しているだけ』とか『自分は種族も違うし一所に留まれない。隣には相応しくない』とか言って断り続けたって」
カッセ「!? な、何故それをっ」
アングレーズ「あたしのお母さん、誰だと思ってるの?」
ランシッド『そういえば、フィノは恋バナが大好きだったね』
キャティ「フィノにはいっぱい相談に乗ってもらったんだよー」
ブオル「そして最後には押し切られた訳か」
カッセ「拙者なんかのどこが良いのでござるか……」
キャティ「やさしーとこだよ♪」
カッセ「む、うう」
ガレ「完敗でござるな、ちちうえ」
~つながり~
モカ「腕輪の石にマナを込めたら嘘みたいに寒さが吹っ飛んだね」
アングレーズ「完全にじゃないけど、動けないほどじゃなくなったわ」
カカオ「蛍煌石、か……」
メリーゼ「カカオ君?」
カカオ「じいちゃんが言ってた。蛍煌石はマナ伝導率が高くていろんな用途に使われるけど、人の想いを繋げる力もあるんだって。だから、御守りとして贈ったりするんだってさ」
メリーゼ「わあ、素敵ですね!」
ブオル「そんなことを言ってるじいさんの作った腕輪が、思わぬところでもみんなを守ってるんだな」
クローテ「はい。いろいろなところで助けられていますね」
メリーゼ「それこそ、想いが繋がっているんですよ」
カカオ「じいちゃんの想いが……」
ガレ「良いでござるなあ……」
アングレーズ「一度会ってみたいわね。カカオ君のおじいさん」
ガレ「きっと素敵な御仁でござるよ」
カカオ「へへ、なんか照れるなあ」
クローテ「カカオが褒められてる訳じゃないんだぞ?」
カカオ「わ、わかってるよ!」
~さむいの、苦手?~
ガレ「うう、和らいだとはいえまだちょっと冷えるでござるなあ」
カカオ「カッセさんにも言われてたけど、寒いのダメなのか?」
クローテ「猫だからな」
ガレ「猫ではござらぬ! だいたいクローテどのもこっそり震えてたの知ってるでござるよ!」
クローテ「ひ、東大陸から直接北大陸に来たら温度差にやられるのは仕方ないだろう!」
パンキッド「そりゃそうだね。アタシだって最初びっくりしたもん」
カカオ「お前は案外早く慣れたみたいだな。オレはもともとここの生まれだからだけどさ」
パンキッド「なんか慣れると案外へっちゃらだね。たまに少し寒いけど」
メリーゼ「皆さんすごいですね……わたしはまだちょっと……」
アングレーズ「寒いなら人肌で触れ合うとあったかいわよ。ねぇ、カカオ君?」
カカオ「そうだな。ブオルのおっさんとかあったかそうじゃねーか?」
ブオル「俺じゃお嬢ちゃんがかわいそうだろ」
ガレ「ブオルどのにくっついたらあったかいのでござるな!?」
クローテ「し、失礼します」
ブオル「お前ら、そんなに寒いの……?」
メリーゼ「もふもふしててあったかそうなのに、不思議ですねえ」
カッセ「皆、久し振りで……と言いたいところだが、新顔もいるようでござるな」
アングレーズ「なんか不思議な感じ……ガレ君のお父さん、本当に見た目が変わらないのねえ」
モカ「ガレっちはあんなに変わったのにねえ」
ガレ「にゃははー……」
パンキッド「それにしても似てない親子もいたもんだねえ。びっくりしたよ」
ガレ「よく言われるでござる」
カッセ「……」
ガレ「ちちうえ?」
カッセ「……いや。大きくなったな。なんだか自分が一気に歳をとったような心地だ」
ランシッド『老け込むのはまだまだ早いよ。実際若いんだし』
ブオル「うーん、年齢の感覚がよくわからなくなる人たちだ」
清き風花『ですねえ』
~運び屋・ブラックカーラント号~
ブオル「たまげたなあ。亀が背負って泳ぐ船があるなんて」
パータ「ブラックカーラント号が他と違うのは、浅瀬や陸も関係なく行けるところだ」
キャティ「泳ぐどころか歩いちゃうからね。さすがに陸にあがったらみんなびっくりしちゃうから人が住んでる所じゃやらないけど」
カッセ「時期や場所を選ばない、この行動範囲の広さが運び屋としての売りなのでござる」
パンキッド「確かにこの船ならどこへでも行けちまうなあ」
クローテ「ああ。これはなんというか……」
カカオ「夢があるなあ……」
ブオル「だな……なんかわくわくしてきた」
キャティ「気に入ったらいつでも利用してよ。浅瀬を歩く時はちょっと揺れるけど、いい船だよ♪」
ランシッド『船酔いには気を付けてね』
カカオ「そういやさっきからモカの奴がいねえな」
メリーゼ「えっ」
クローテ「遅かったか……」
~北へ行こう~
メリーゼ「北大陸の霊峰、アラザンへ行きましょう!」
カカオ「魔物退治に残ってくれている人が心配だな」
アングレーズ「そういえば、人家に被害は出なかったのかしら?」
カッセ「霊峰は氷の大精霊の住み処でござる。ゆえに、いち早く異変に気付くことが出来た」
カカオ「氷の大精霊、ってことは……」
ランシッド『なるほど、霊峰にいるのは“彼”か』
パンキッド「どういうこった?」
クローテ「二十年前の英雄はそれぞれ各属性の大精霊と契約しているんだ」
カッセ「拙者は雷、デュー殿は水。そういった具合に、氷の大精霊の契約者もいるのでござるよ」
ランシッド『そして精霊は家が荒らされたら離れていてもわかるんだ』
パンキッド「なるほど、なんとなくわかったよ」
カカオ「大丈夫かな……強いっていっても地元民も近付かない霊峰でずっと戦ってるなんて」
カッセ「今のところはまだ猶予があるが、急いだ方が良さそうでござる」
~カッセとキャティ~
モカ「こうして見ると、なんか意外な感じの夫婦だねえ」
ランシッド『そういうの、余計なお世話っていうんだよ、モカ。この二人にもいろいろあったんだ』
カッセ「べ、別に大したことはござらぬ」
アングレーズ「ダーリン、なんて呼ばれてるのに大したことない訳ないわよねぇ?」
カッセ「あ、あれはキャティがふざけて……」
アングレーズ「えーとたしか、キャティさんからのアタックに『身近に他に異性がいないから錯覚しているだけ』とか『自分は種族も違うし一所に留まれない。隣には相応しくない』とか言って断り続けたって」
カッセ「!? な、何故それをっ」
アングレーズ「あたしのお母さん、誰だと思ってるの?」
ランシッド『そういえば、フィノは恋バナが大好きだったね』
キャティ「フィノにはいっぱい相談に乗ってもらったんだよー」
ブオル「そして最後には押し切られた訳か」
カッセ「拙者なんかのどこが良いのでござるか……」
キャティ「やさしーとこだよ♪」
カッセ「む、うう」
ガレ「完敗でござるな、ちちうえ」
~つながり~
モカ「腕輪の石にマナを込めたら嘘みたいに寒さが吹っ飛んだね」
アングレーズ「完全にじゃないけど、動けないほどじゃなくなったわ」
カカオ「蛍煌石、か……」
メリーゼ「カカオ君?」
カカオ「じいちゃんが言ってた。蛍煌石はマナ伝導率が高くていろんな用途に使われるけど、人の想いを繋げる力もあるんだって。だから、御守りとして贈ったりするんだってさ」
メリーゼ「わあ、素敵ですね!」
ブオル「そんなことを言ってるじいさんの作った腕輪が、思わぬところでもみんなを守ってるんだな」
クローテ「はい。いろいろなところで助けられていますね」
メリーゼ「それこそ、想いが繋がっているんですよ」
カカオ「じいちゃんの想いが……」
ガレ「良いでござるなあ……」
アングレーズ「一度会ってみたいわね。カカオ君のおじいさん」
ガレ「きっと素敵な御仁でござるよ」
カカオ「へへ、なんか照れるなあ」
クローテ「カカオが褒められてる訳じゃないんだぞ?」
カカオ「わ、わかってるよ!」
~さむいの、苦手?~
ガレ「うう、和らいだとはいえまだちょっと冷えるでござるなあ」
カカオ「カッセさんにも言われてたけど、寒いのダメなのか?」
クローテ「猫だからな」
ガレ「猫ではござらぬ! だいたいクローテどのもこっそり震えてたの知ってるでござるよ!」
クローテ「ひ、東大陸から直接北大陸に来たら温度差にやられるのは仕方ないだろう!」
パンキッド「そりゃそうだね。アタシだって最初びっくりしたもん」
カカオ「お前は案外早く慣れたみたいだな。オレはもともとここの生まれだからだけどさ」
パンキッド「なんか慣れると案外へっちゃらだね。たまに少し寒いけど」
メリーゼ「皆さんすごいですね……わたしはまだちょっと……」
アングレーズ「寒いなら人肌で触れ合うとあったかいわよ。ねぇ、カカオ君?」
カカオ「そうだな。ブオルのおっさんとかあったかそうじゃねーか?」
ブオル「俺じゃお嬢ちゃんがかわいそうだろ」
ガレ「ブオルどのにくっついたらあったかいのでござるな!?」
クローテ「し、失礼します」
ブオル「お前ら、そんなに寒いの……?」
メリーゼ「もふもふしててあったかそうなのに、不思議ですねえ」