22~英雄《ヒーロー》~
―おまけスキット―
~テラ~
デュー「あのテラってヤツ、すげえ力だったな」
ガレ「分身……本物が来た訳ではなかったのでござるか……」
デュー「それであれかよ……ぞっとしねえな」
水辺の乙女『本人が直々に来なかったのは、どう見たら良いのでしょうね。こちらを侮ってのことか、なにか別の理由があってか』
ガレ「この世界はヤツにとって、ゲームの盤上に過ぎぬのでござる」
デュー「確かに、そんな感じはするな。けどなあ……ほんとにそうなら後悔させてやるよ」
水辺の乙女『うふふふ、この世界をたかがと侮った代償は高くつきますよ』
ガレ「つ、つよい……けどなんかちょっと怖いでござる……」
~守り、守られ~
デュー「お前の怪我は大したこと……いや、クローテの治癒術か」
ガレ「治癒術だけではござらぬ。クローテどのは咄嗟に防御の術を唱えて、それがしを守ってくれた……あれが衝撃を和らげてくれなければ、恐らくはあの時に……」
デュー「治癒術や支援術に関して特に優秀だったからな。そのクローテをお前が守り抜いた訳だ」
ガレ「それがしは何も……」
デュー「クローテは効率的に物事を考えるところがある。極限状態のあの場では自分よりお前の傷を癒した方が生存率が高いだろうと踏んだんだな」
ガレ「そんな無茶をして、自分の傷は二の次にして……」
デュー「だから、目覚めたらガツンと叱ってやれ」
ガレ「あ……」
デュー「ま、一回自分のことを諦めようとしたお前も同罪だけどな」
ガレ「うぅ、そうでござった……」
~ふたりを休ませよう~
カカオ「戻って来てみたら、ひでえ有り様だな……」
モカ「オアシスもふたりもボロボロだし、なんかパパまでいるし、訳わかんないよ!」
デュー「なんかってなんだよ」
ブオル「とにかくふたりとも休める場所に移動するぞ」
ガレ「クローテどのはともかく、それがしは大丈夫でござるよ」
メリーゼ「ダメです!」
ガレ「ひぇっ」
メリーゼ「治癒術で癒せるのは外傷だけです。美しかったオアシスがこんな穴だらけになるほどのことがあって……大丈夫ではありません!」
ガレ「メリーゼどの……」
アングレーズ「落ち着けるところで、ゆっくり話しましょう」
ガレ「そう、でござるな」
ブオル「しかしちょっと歩くぞ。おじさんがおぶってやろうか?」
ガレ「そ、それは大丈夫でござる!」
~砕けた刃~
デュー「あーあ、剣が粉々だ」
モカ「手入れサボってたんじゃないの?」
デュー「ちげーよ。もともとだいぶ古かったからな」
メリーゼ「デュランダル騎士団長の剣、特注品じゃありませんでした?」
カカオ「確かに、なかなか見ない大きさだなあ」
デュー「取り回しやすいように作って貰ってるからな。また作らねえと……」
モカ「あんなでっかい剣、よく使うよねっていつも思ってる」
デュー「でっかいのはロマンだからな!」
モカ「ごめんわかんない」
水辺の乙女『まあ、馬鹿力に合った大きさですよね』
デュー「ひっでえなあ」
カカオ「でっかいのはロマン、か……」
~英雄・デュランダル~
カカオ「この人が二十年前の英雄で騎士団長のデュランダル・ロッシェ……」
モカ「ちなみに二十年前の旅をした時は記憶喪失で、今のボクと同じくらいの年頃の姿だったらしいよ」
デュー「記憶は途中で戻ったけどな。旅が終わるまでは姿は子供のままだった」
ブオル「なんだか波瀾万丈だなあ」
メリーゼ「わたしとクローテ君にとっては、騎士団長で上司になります」
ランシッド『あのデューが団長とか、びっくりしたけどねえ』
水辺の乙女『まあ、周りを見る目はありましたけど……』
デュー「なんだよ、含みのある言い方しやがって」
ランシッド『だって』
水辺の乙女『ねぇ?』
メリーゼ「す、素晴らしい騎士ですよ!」
デュー「はは、フォローありがとな……」
カカオ「メリーゼ……必死なのが逆にあれに聞こえるんだけど……」
メリーゼ「あぅ……」
~証拠をみせて~
デュー「お前がカッセの息子のガレ、ねぇ……あんなチビッ子がどうやったらこんなでっかくなるんだ?」
ガレ「そ、そう言われても……」
水辺の乙女『デューも長身ですが、それより少し高いですね』
デュー「ほんとにガレなのか? 証拠を見せてみろよ」
ガレ「証拠、でござるか……」
デュー「たとえばお前の親父のカッセがオレのことを何て言ってるか、とか?」
ガレ「ああ“スケベ大魔王のデュー殿”でござるな!」
デュー「なっ」
ガレ「あとはキザったらしいとか好戦的ですぐ突っ走るから困るとか、美人を見るとすぐ鼻の下を伸ばすとか不潔とか最低とか……」
水辺の乙女『ふ、ふふ、確かに本物ですね』
デュー「笑うなよ! くっそ、あんにゃろー……今度会ったら尻尾引っ張ってやる!」
ガレ「ダ、ダメでござるよー!」
~テラ~
デュー「あのテラってヤツ、すげえ力だったな」
ガレ「分身……本物が来た訳ではなかったのでござるか……」
デュー「それであれかよ……ぞっとしねえな」
水辺の乙女『本人が直々に来なかったのは、どう見たら良いのでしょうね。こちらを侮ってのことか、なにか別の理由があってか』
ガレ「この世界はヤツにとって、ゲームの盤上に過ぎぬのでござる」
デュー「確かに、そんな感じはするな。けどなあ……ほんとにそうなら後悔させてやるよ」
水辺の乙女『うふふふ、この世界をたかがと侮った代償は高くつきますよ』
ガレ「つ、つよい……けどなんかちょっと怖いでござる……」
~守り、守られ~
デュー「お前の怪我は大したこと……いや、クローテの治癒術か」
ガレ「治癒術だけではござらぬ。クローテどのは咄嗟に防御の術を唱えて、それがしを守ってくれた……あれが衝撃を和らげてくれなければ、恐らくはあの時に……」
デュー「治癒術や支援術に関して特に優秀だったからな。そのクローテをお前が守り抜いた訳だ」
ガレ「それがしは何も……」
デュー「クローテは効率的に物事を考えるところがある。極限状態のあの場では自分よりお前の傷を癒した方が生存率が高いだろうと踏んだんだな」
ガレ「そんな無茶をして、自分の傷は二の次にして……」
デュー「だから、目覚めたらガツンと叱ってやれ」
ガレ「あ……」
デュー「ま、一回自分のことを諦めようとしたお前も同罪だけどな」
ガレ「うぅ、そうでござった……」
~ふたりを休ませよう~
カカオ「戻って来てみたら、ひでえ有り様だな……」
モカ「オアシスもふたりもボロボロだし、なんかパパまでいるし、訳わかんないよ!」
デュー「なんかってなんだよ」
ブオル「とにかくふたりとも休める場所に移動するぞ」
ガレ「クローテどのはともかく、それがしは大丈夫でござるよ」
メリーゼ「ダメです!」
ガレ「ひぇっ」
メリーゼ「治癒術で癒せるのは外傷だけです。美しかったオアシスがこんな穴だらけになるほどのことがあって……大丈夫ではありません!」
ガレ「メリーゼどの……」
アングレーズ「落ち着けるところで、ゆっくり話しましょう」
ガレ「そう、でござるな」
ブオル「しかしちょっと歩くぞ。おじさんがおぶってやろうか?」
ガレ「そ、それは大丈夫でござる!」
~砕けた刃~
デュー「あーあ、剣が粉々だ」
モカ「手入れサボってたんじゃないの?」
デュー「ちげーよ。もともとだいぶ古かったからな」
メリーゼ「デュランダル騎士団長の剣、特注品じゃありませんでした?」
カカオ「確かに、なかなか見ない大きさだなあ」
デュー「取り回しやすいように作って貰ってるからな。また作らねえと……」
モカ「あんなでっかい剣、よく使うよねっていつも思ってる」
デュー「でっかいのはロマンだからな!」
モカ「ごめんわかんない」
水辺の乙女『まあ、馬鹿力に合った大きさですよね』
デュー「ひっでえなあ」
カカオ「でっかいのはロマン、か……」
~英雄・デュランダル~
カカオ「この人が二十年前の英雄で騎士団長のデュランダル・ロッシェ……」
モカ「ちなみに二十年前の旅をした時は記憶喪失で、今のボクと同じくらいの年頃の姿だったらしいよ」
デュー「記憶は途中で戻ったけどな。旅が終わるまでは姿は子供のままだった」
ブオル「なんだか波瀾万丈だなあ」
メリーゼ「わたしとクローテ君にとっては、騎士団長で上司になります」
ランシッド『あのデューが団長とか、びっくりしたけどねえ』
水辺の乙女『まあ、周りを見る目はありましたけど……』
デュー「なんだよ、含みのある言い方しやがって」
ランシッド『だって』
水辺の乙女『ねぇ?』
メリーゼ「す、素晴らしい騎士ですよ!」
デュー「はは、フォローありがとな……」
カカオ「メリーゼ……必死なのが逆にあれに聞こえるんだけど……」
メリーゼ「あぅ……」
~証拠をみせて~
デュー「お前がカッセの息子のガレ、ねぇ……あんなチビッ子がどうやったらこんなでっかくなるんだ?」
ガレ「そ、そう言われても……」
水辺の乙女『デューも長身ですが、それより少し高いですね』
デュー「ほんとにガレなのか? 証拠を見せてみろよ」
ガレ「証拠、でござるか……」
デュー「たとえばお前の親父のカッセがオレのことを何て言ってるか、とか?」
ガレ「ああ“スケベ大魔王のデュー殿”でござるな!」
デュー「なっ」
ガレ「あとはキザったらしいとか好戦的ですぐ突っ走るから困るとか、美人を見るとすぐ鼻の下を伸ばすとか不潔とか最低とか……」
水辺の乙女『ふ、ふふ、確かに本物ですね』
デュー「笑うなよ! くっそ、あんにゃろー……今度会ったら尻尾引っ張ってやる!」
ガレ「ダ、ダメでござるよー!」