21~狙われたのは~
―おまけスキット―
~クローテとガレの二人旅~
ガレ「しっかしクローテどのと二人で旅をするのは新鮮でござるなあ」
クローテ「私は不安で仕方がないな」
ガレ「にゃんとぉ! やっぱり人数が減るからでござろうか!?」
クローテ「違う。ガレの戦い方が見ていてハラハラするからだ」
ガレ「うっ」
クローテ「私に後方からの援護に専念させるつもりなんだろうが、少々無鉄砲に突っ込み過ぎだ。お陰でこちらはほぼ無傷に近いが、かわりに心臓が保たん」
ガレ「あうう……」
クローテ「だから、少しは退くこともしろ。カカオじゃないんだから」
ガレ「それがしは、ただクローテどのを守りたくて……」
クローテ「そういうのは自分の身を守れるようになってから言うんだな」
ガレ「む、むー! 今はそれがしの方が年上でござるよー! 少しはお兄ちゃんを頼ってくれてもっ……」
クローテ「ここにいるのは私達の知る“ガレ”だって、前に自分で言ったじゃないか」
ガレ「あ」
クローテ「ふふ」
ガレ「敵わないでござるなぁ、昔から……」
~それぞれの得意分野~
ブオル「うーん……クローテとガレがいないと、やっぱ機動力が落ちるよなあ」
カカオ「メリーゼもいるけど、二人とも身軽だもんなー」
モカ「悪かったね、身軽じゃなくて」
アングレーズ「モカちゃんはその箱背負ってるからじゃないかしら」
ブオル「もし別行動することがあったら、その辺もバランス良く割り振らなきゃな」
カカオ「あと魔術、回復手段のあるなしもだな」
モカ「ま、こないだみたいな強制分断とかだとどうしようもないけどね」
アングレーズ「物理攻撃担当と魔術担当で分断されちゃったらどうしましょうね」
メリーゼ「その時は……やるしかないですね」
モカ「とにかく突っ込んで攻撃しまくるのと、とにかく近付かれる前に術撃ちまくるの?」
カカオ「うわ、頭悪そう……」
アングレーズ「それはそれで楽しそうねえ」
ブオル「いや、楽しくはないだろ……」
~使い捨ての駒~
ランシッド『時空干渉を遂行できればよし、失敗するなら消えるだけ、か……』
モカ「なんかさぁ、やだよね。ゲーム感覚って感じで」
ランシッド『実際、“テラ様”ってヤツはこの世界をゲーム盤としか思ってないのかもね』
メリーゼ「干渉して、揺さぶって、それを楽しむ……」
カカオ「一気に片をつけようとしないのは、そういう事なのか?」
ブオル「今までやって来た所業を考えると、ゲーム感覚だとしたら悪趣味が過ぎるな」
メリーゼ「過去の人達が一生懸命守ったものを……それも最悪の形で壊そうとして、人の心があるとは思えません!」
カカオ「そもそもヒトじゃないのかもな」
メリーゼ「え?」
カカオ「何にせよ、オレはテラってヤツがいろんな意味で許せねえ」
ランシッド『そうだね……俺も同感だよ』
~イシェルナ直伝~
ブオル「カカオの奴、着々と気功術をモノにしてきてるな」
メリーゼ「心なしか体捌きも変わってきたような……」
モカ「けど、一晩特訓しただけなんでしょ?」
アングレーズ「コツとか基礎はその一晩で叩き込んで、あとはひたすら練習を重ねてきたんじゃないかしら」
メリーゼ「カカオ君、努力家だから」
ランシッド『イシェルナとの特訓が相当濃かったのもありそうだけどね』
ブオル「ああ、たまにうなされてますもんね」
モカ「えっ、そうなの!?」
ランシッド『寝言で苦しそうにイシェルナの名前呼んでたねぇ』
モカ「あんな美人が夢に出てうなされるなんて、どんだけよ」
メリーゼ「やっぱりわたしも受けたかったな……」
ランシッド『誰かさんに似て武術オタクなんだから、もう……』
~ちびゴーレム~
モカ「アンのちびゴーレム、すごいよねぇ」
アングレーズ「大きいゴーレムより手早く出せるし、いろいろ小回りがきくのよ」
ランシッド『わらわら取りついてくるのが地味に怖いけどね……』
カカオ「振り払われて落ちるとそのまま地面に消えて戻っていくのがなんとも言えねーよな……」
アングレーズ「まぁ、ぶっちゃけると精霊が動かすための器みたいなものだから、形はなんでもいいのよ」
モカ「人型の方が動かしやすいってことかな」
アングレーズ「それに愛着も湧くでしょう? 健気で可愛いのよ、ほら」
モカ「器とわかっているのに妙な視線を感じるんだけど……」
カカオ「超こっち見てくるな、こいつら……しかも無表情で」
メリーゼ「かわいい……」
アングレーズ「うふふ♪」
~胸騒ぎ~
ブオル「安全なはずのオアシスで爆発なんて、どういうこった!?」
ランシッド『僅かだけど、時空の歪みを感じた……結界があっても、直接中に入られたのかも』
メリーゼ「王都の時のように、ですね……」
アングレーズ「ガレ君、クローテ君……!」
モカ「アン、二人に気を付けてって言ってたよね……もしかして、これを予知してたの?」
アングレーズ「い、いえ、はっきりと知ってた訳じゃなかったわ……一瞬、ほんの一瞬だけ妙な胸騒ぎがよぎっただけよ」
カカオ「何だっていい、急いでオアシスに行かねーと……!」
メリーゼ「はい!」
ブオル「頼む、二人とも……無事でいてくれ!」
~クローテとガレの二人旅~
ガレ「しっかしクローテどのと二人で旅をするのは新鮮でござるなあ」
クローテ「私は不安で仕方がないな」
ガレ「にゃんとぉ! やっぱり人数が減るからでござろうか!?」
クローテ「違う。ガレの戦い方が見ていてハラハラするからだ」
ガレ「うっ」
クローテ「私に後方からの援護に専念させるつもりなんだろうが、少々無鉄砲に突っ込み過ぎだ。お陰でこちらはほぼ無傷に近いが、かわりに心臓が保たん」
ガレ「あうう……」
クローテ「だから、少しは退くこともしろ。カカオじゃないんだから」
ガレ「それがしは、ただクローテどのを守りたくて……」
クローテ「そういうのは自分の身を守れるようになってから言うんだな」
ガレ「む、むー! 今はそれがしの方が年上でござるよー! 少しはお兄ちゃんを頼ってくれてもっ……」
クローテ「ここにいるのは私達の知る“ガレ”だって、前に自分で言ったじゃないか」
ガレ「あ」
クローテ「ふふ」
ガレ「敵わないでござるなぁ、昔から……」
~それぞれの得意分野~
ブオル「うーん……クローテとガレがいないと、やっぱ機動力が落ちるよなあ」
カカオ「メリーゼもいるけど、二人とも身軽だもんなー」
モカ「悪かったね、身軽じゃなくて」
アングレーズ「モカちゃんはその箱背負ってるからじゃないかしら」
ブオル「もし別行動することがあったら、その辺もバランス良く割り振らなきゃな」
カカオ「あと魔術、回復手段のあるなしもだな」
モカ「ま、こないだみたいな強制分断とかだとどうしようもないけどね」
アングレーズ「物理攻撃担当と魔術担当で分断されちゃったらどうしましょうね」
メリーゼ「その時は……やるしかないですね」
モカ「とにかく突っ込んで攻撃しまくるのと、とにかく近付かれる前に術撃ちまくるの?」
カカオ「うわ、頭悪そう……」
アングレーズ「それはそれで楽しそうねえ」
ブオル「いや、楽しくはないだろ……」
~使い捨ての駒~
ランシッド『時空干渉を遂行できればよし、失敗するなら消えるだけ、か……』
モカ「なんかさぁ、やだよね。ゲーム感覚って感じで」
ランシッド『実際、“テラ様”ってヤツはこの世界をゲーム盤としか思ってないのかもね』
メリーゼ「干渉して、揺さぶって、それを楽しむ……」
カカオ「一気に片をつけようとしないのは、そういう事なのか?」
ブオル「今までやって来た所業を考えると、ゲーム感覚だとしたら悪趣味が過ぎるな」
メリーゼ「過去の人達が一生懸命守ったものを……それも最悪の形で壊そうとして、人の心があるとは思えません!」
カカオ「そもそもヒトじゃないのかもな」
メリーゼ「え?」
カカオ「何にせよ、オレはテラってヤツがいろんな意味で許せねえ」
ランシッド『そうだね……俺も同感だよ』
~イシェルナ直伝~
ブオル「カカオの奴、着々と気功術をモノにしてきてるな」
メリーゼ「心なしか体捌きも変わってきたような……」
モカ「けど、一晩特訓しただけなんでしょ?」
アングレーズ「コツとか基礎はその一晩で叩き込んで、あとはひたすら練習を重ねてきたんじゃないかしら」
メリーゼ「カカオ君、努力家だから」
ランシッド『イシェルナとの特訓が相当濃かったのもありそうだけどね』
ブオル「ああ、たまにうなされてますもんね」
モカ「えっ、そうなの!?」
ランシッド『寝言で苦しそうにイシェルナの名前呼んでたねぇ』
モカ「あんな美人が夢に出てうなされるなんて、どんだけよ」
メリーゼ「やっぱりわたしも受けたかったな……」
ランシッド『誰かさんに似て武術オタクなんだから、もう……』
~ちびゴーレム~
モカ「アンのちびゴーレム、すごいよねぇ」
アングレーズ「大きいゴーレムより手早く出せるし、いろいろ小回りがきくのよ」
ランシッド『わらわら取りついてくるのが地味に怖いけどね……』
カカオ「振り払われて落ちるとそのまま地面に消えて戻っていくのがなんとも言えねーよな……」
アングレーズ「まぁ、ぶっちゃけると精霊が動かすための器みたいなものだから、形はなんでもいいのよ」
モカ「人型の方が動かしやすいってことかな」
アングレーズ「それに愛着も湧くでしょう? 健気で可愛いのよ、ほら」
モカ「器とわかっているのに妙な視線を感じるんだけど……」
カカオ「超こっち見てくるな、こいつら……しかも無表情で」
メリーゼ「かわいい……」
アングレーズ「うふふ♪」
~胸騒ぎ~
ブオル「安全なはずのオアシスで爆発なんて、どういうこった!?」
ランシッド『僅かだけど、時空の歪みを感じた……結界があっても、直接中に入られたのかも』
メリーゼ「王都の時のように、ですね……」
アングレーズ「ガレ君、クローテ君……!」
モカ「アン、二人に気を付けてって言ってたよね……もしかして、これを予知してたの?」
アングレーズ「い、いえ、はっきりと知ってた訳じゃなかったわ……一瞬、ほんの一瞬だけ妙な胸騒ぎがよぎっただけよ」
カカオ「何だっていい、急いでオアシスに行かねーと……!」
メリーゼ「はい!」
ブオル「頼む、二人とも……無事でいてくれ!」