47:翼の聖獣フリュエラ
「ひゅー! いっけぇー!」
「これが竜の背中か……」
「うわわわわ高い速い怖い!」
『しっかり掴まっていろ。落ちるぞ』
炎竜ペラルゴの背に乗った男性陣の反応は三者三様で、はしゃぐフォンド、しみじみと観察するシグルス、そして怯え喚きながらシグルスにしがみつくモーアンとまるでバラバラだった。
一方風竜ユッカが乗せたサニーとプリエールはというと、そんな男性陣にあたたかな視線を向けていて……
「あっちは賑やかだねぇ」
「はしゃぐのも無理ないわ。ドラゴニカの人間じゃないあたしたちが竜に乗せてもらえるなんて、貴重な体験だものね」
「確かに。これさぁ、お金取れるんじゃない? ドラゴニカ再興の資金の足しにできるよ」
『なるほど……!』
などと、和気あいあいでおしゃべりする余裕があるようだ。
『まったく、呑気なものよねぇ』
「でも、心強いわ。わたしたちだけじゃ、ここまで来られなかったもの」
残るエイミは相棒に乗って。彼女ひとりなら先に頂上まで行く選択肢もあったが、どのみち幻術でこちらを敵と誤認させられていた竜二匹に阻まれては不可能だったことだろう。
戦力的な面でも、そしてこうやって心を和ませてくれるところでも、仲間の存在は大きく、ありがたいものだと実感させられた。
「もうすぐ頂上ね……」
『気を引き締めていくわよ、エイミ!』
空を見るに星の庭への扉はまだ開かれていないようだが、途中の道で遭遇したどの勢力と鉢合わせしてもおかしくないだろう。
それに、霊峰への鍵を奪って一足先に向かった神官、ノクスも――ここまでの道のりで上からも探してみたが、今のところ彼の姿は見当たらない。
(なんだか嫌な予感がする……どうか、外れて……!)
エイミがそう願った瞬間、頂上に強い光の柱が立ち昇る。
竜たちは動きを止め、しばし様子を見るが……
「い、急いで!」
「モーアンさん?」
「今のはノクスの得意魔法だ! もしかしたら、誰かと交戦中なのかも……!」
それまで及び腰だったモーアンが突然あげた迫真の叫び。
今では彼にも馴染み深い光の攻撃魔法だが、旅に出る前の平穏な世界ではモーアンを含め、ほとんどの神官は癒しの魔法専門だった。
その中で攻撃魔法を習得しており、得意とまで言われるほど磨きあげているノクスは、神殿内でも努力家で知られている。
恐らく彼は、光の柱があがったあの場所に……――。
「ペラルゴ、ユッカ! 頂上付近で降りられそうな場所を探して!」
『承知いたしました!』
時間がない。直感がそう告げている。
竜たちは身を翻し、真っ直ぐに着陸地点へと向かうのだった。
「これが竜の背中か……」
「うわわわわ高い速い怖い!」
『しっかり掴まっていろ。落ちるぞ』
炎竜ペラルゴの背に乗った男性陣の反応は三者三様で、はしゃぐフォンド、しみじみと観察するシグルス、そして怯え喚きながらシグルスにしがみつくモーアンとまるでバラバラだった。
一方風竜ユッカが乗せたサニーとプリエールはというと、そんな男性陣にあたたかな視線を向けていて……
「あっちは賑やかだねぇ」
「はしゃぐのも無理ないわ。ドラゴニカの人間じゃないあたしたちが竜に乗せてもらえるなんて、貴重な体験だものね」
「確かに。これさぁ、お金取れるんじゃない? ドラゴニカ再興の資金の足しにできるよ」
『なるほど……!』
などと、和気あいあいでおしゃべりする余裕があるようだ。
『まったく、呑気なものよねぇ』
「でも、心強いわ。わたしたちだけじゃ、ここまで来られなかったもの」
残るエイミは相棒に乗って。彼女ひとりなら先に頂上まで行く選択肢もあったが、どのみち幻術でこちらを敵と誤認させられていた竜二匹に阻まれては不可能だったことだろう。
戦力的な面でも、そしてこうやって心を和ませてくれるところでも、仲間の存在は大きく、ありがたいものだと実感させられた。
「もうすぐ頂上ね……」
『気を引き締めていくわよ、エイミ!』
空を見るに星の庭への扉はまだ開かれていないようだが、途中の道で遭遇したどの勢力と鉢合わせしてもおかしくないだろう。
それに、霊峰への鍵を奪って一足先に向かった神官、ノクスも――ここまでの道のりで上からも探してみたが、今のところ彼の姿は見当たらない。
(なんだか嫌な予感がする……どうか、外れて……!)
エイミがそう願った瞬間、頂上に強い光の柱が立ち昇る。
竜たちは動きを止め、しばし様子を見るが……
「い、急いで!」
「モーアンさん?」
「今のはノクスの得意魔法だ! もしかしたら、誰かと交戦中なのかも……!」
それまで及び腰だったモーアンが突然あげた迫真の叫び。
今では彼にも馴染み深い光の攻撃魔法だが、旅に出る前の平穏な世界ではモーアンを含め、ほとんどの神官は癒しの魔法専門だった。
その中で攻撃魔法を習得しており、得意とまで言われるほど磨きあげているノクスは、神殿内でも努力家で知られている。
恐らく彼は、光の柱があがったあの場所に……――。
「ペラルゴ、ユッカ! 頂上付近で降りられそうな場所を探して!」
『承知いたしました!』
時間がない。直感がそう告げている。
竜たちは身を翻し、真っ直ぐに着陸地点へと向かうのだった。
