44:聖都を襲った悪夢
「とんだ里帰りになったな、モーアン」
「まったくだよ……やれやれ」
前衛をシグルスに任せて距離をとり、トントンと指先でこめかみを叩きながら周囲を見回すモーアン。
敵は町のあちこちに散っていたが、どうやら新たな標的に気づいて広場に集まってきたようだ。
(こいつは好都合。プリエールの魔法でまとめてドカンといけるかな?)
そのためには弱点を知りたいな、と内心で呟く。
傷ついた仲間には回復魔法でフォローを入れつつ、観察を怠らない。
「ちょっと硬えな……いてて」
「見ればわかるだろう。ったく……」
フォンドの拳に限らず、金属製の硬いボディに物理攻撃の効きが良くないようだ。
それならば、とシグルスが詠唱を始める。
エイミには青く輝く水の魔力が、サニーには火の、そしてフォンドには雷の魔力がそれぞれ武器に付与された。
「こいつを試してみろ。少なくとも直接殴るよりは良いはずだ」
「おう!」
「ありがとうございます!」
「兄ちゃんサンキュー!」
エイミとサニーの攻撃は派手に光を散らしながら繰り出され、先程よりも自動人形に通るようになる。
それが弱点でなかったとしても耐性のある属性でない限り、僅かに上がった攻撃力のぶん有効打となるのだ。
しかし……
「うおりゃあっ!」
ドカン、と一層大きな音を立ててフォンドの拳が叩き込まれた人形は、他と反応が違っていた。
大きくバウンドしながら吹っ飛ばされ、なおも立ち上がろうとした瞬間。バチバチと雷が人形の周りを這うように走ったかと思えば、人形は全身を痙攣させ、悲鳴にも似た不気味な音を発しながらバラバラになってしまう。
「うわわ、なに!?」
「これは……!」
シグルスとプリエールをちらりと見遣るモーアン。彼の意図がわかったのか、ふたりも小さく頷く。
「自動人形の弱点は雷みたいだよ。シグルスは属性付与を、プリエールは詠唱を!」
「わかったわ!」
既に拳に雷を帯びているフォンドが率先して詠唱中の仲間を守り、集まってくる敵を蹴散らす。
電撃を受けた自動人形はやはり挙動がおかしくなり、弱ったりひとりでに壊れたり、中には人形同士で衝突するものも。
(なるほどね。部品同士を繋ぐ魔力が雷の影響を受けて維持できなくなっちゃうってところかしら?)
人形の仕組みを横目で確認しながら、プリエールは風属性の一部である雷の魔力を集め始める。
「嵐よ、雷光を纏い吹き荒れろ!」
彼女を中心部に雷を伴った嵐が巻き起こり、次々に自動人形に襲いかかる。
広範囲、大規模の魔法は味方として識別したエイミたちを巻き込むことなく、標的だけを捉えた。
あちこちで起こる爆発音。嵐がおさまった頃に立っている人形は一体もいなかった。
「いっちょうあがりよ!」
「本当にこういう時の頼もしさったらないね、君は……」
ぶすぶすと煙があがる戦場で、周囲の安全を確認するとモーアンは引き攣った笑みを浮かべるのだった。
「まったくだよ……やれやれ」
前衛をシグルスに任せて距離をとり、トントンと指先でこめかみを叩きながら周囲を見回すモーアン。
敵は町のあちこちに散っていたが、どうやら新たな標的に気づいて広場に集まってきたようだ。
(こいつは好都合。プリエールの魔法でまとめてドカンといけるかな?)
そのためには弱点を知りたいな、と内心で呟く。
傷ついた仲間には回復魔法でフォローを入れつつ、観察を怠らない。
「ちょっと硬えな……いてて」
「見ればわかるだろう。ったく……」
フォンドの拳に限らず、金属製の硬いボディに物理攻撃の効きが良くないようだ。
それならば、とシグルスが詠唱を始める。
エイミには青く輝く水の魔力が、サニーには火の、そしてフォンドには雷の魔力がそれぞれ武器に付与された。
「こいつを試してみろ。少なくとも直接殴るよりは良いはずだ」
「おう!」
「ありがとうございます!」
「兄ちゃんサンキュー!」
エイミとサニーの攻撃は派手に光を散らしながら繰り出され、先程よりも自動人形に通るようになる。
それが弱点でなかったとしても耐性のある属性でない限り、僅かに上がった攻撃力のぶん有効打となるのだ。
しかし……
「うおりゃあっ!」
ドカン、と一層大きな音を立ててフォンドの拳が叩き込まれた人形は、他と反応が違っていた。
大きくバウンドしながら吹っ飛ばされ、なおも立ち上がろうとした瞬間。バチバチと雷が人形の周りを這うように走ったかと思えば、人形は全身を痙攣させ、悲鳴にも似た不気味な音を発しながらバラバラになってしまう。
「うわわ、なに!?」
「これは……!」
シグルスとプリエールをちらりと見遣るモーアン。彼の意図がわかったのか、ふたりも小さく頷く。
「自動人形の弱点は雷みたいだよ。シグルスは属性付与を、プリエールは詠唱を!」
「わかったわ!」
既に拳に雷を帯びているフォンドが率先して詠唱中の仲間を守り、集まってくる敵を蹴散らす。
電撃を受けた自動人形はやはり挙動がおかしくなり、弱ったりひとりでに壊れたり、中には人形同士で衝突するものも。
(なるほどね。部品同士を繋ぐ魔力が雷の影響を受けて維持できなくなっちゃうってところかしら?)
人形の仕組みを横目で確認しながら、プリエールは風属性の一部である雷の魔力を集め始める。
「嵐よ、雷光を纏い吹き荒れろ!」
彼女を中心部に雷を伴った嵐が巻き起こり、次々に自動人形に襲いかかる。
広範囲、大規模の魔法は味方として識別したエイミたちを巻き込むことなく、標的だけを捉えた。
あちこちで起こる爆発音。嵐がおさまった頃に立っている人形は一体もいなかった。
「いっちょうあがりよ!」
「本当にこういう時の頼もしさったらないね、君は……」
ぶすぶすと煙があがる戦場で、周囲の安全を確認するとモーアンは引き攣った笑みを浮かべるのだった。
