勇者S物語2

~死闘の中で~

魔王「我が居ぬ間に魔物も様変わりしたな……」

戦士「なんか前よか手強くなってねぇか!?」

勇者「がんばれ」

戦士「ってそれでも傍観者オンリー貫くつもりか! 少しは戦えよ!!」

魔王「おい、気を抜くな!」

 魔物の攻撃!
 戦士にクリティカルヒット!!

戦士「うわぁぁぁっ!!」

魔王「戦士ッ!」

勇者「戦士は力尽きた」

魔王「言っとる場合か! あの魔物には我の魔法も利かぬ。戦士が倒れた今……」

勇者「ふん、お前はそいつの怪我を治していろ」

魔王「……やっと戦う気になったか」

勇者「今回だけな……俺に剣を抜かせた事、後悔させてやる」



――数分後。


勇者「はん、喧嘩を売る相手を間違えたな」

魔王「つ、強い……無傷であの魔物の群を倒すとは……」

勇者「当然だ」

魔王「それなのに、自分じゃあ戦わないのだな?」

勇者「当然だ。今回は仕方なく、特別だが……」

魔王「普段から戦え!!」

勇者「だって面白くないだろう? 最初から結果のわかっている戦いなど。弱者をいたぶるのも悪くはないが……貴様等が傷つきながら戦う姿の方が面白い」

魔王「正義側の人間とは思えないセリフだな……」

勇者「そういう事だから、大魔王との戦い楽しみにしているぞ」

魔王「た、楽しみって……」

勇者「……あ、今回の事は戦士には言うなよ? 言えばあの魔物共と同じように……」

魔王「……っ!!」

勇者「ククッ……せいぜい楽しませて貰おうか?」

魔王(……お、鬼だ……っ!!)


 魔物を倒した!(今更)
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