勇者S物語2

~倒すべきもの~

戦士「勇者に魔王に……すごいパーティになったなー」

勇者「バランスは良いだろう。それにしても魔王が失業とはお笑いだな」

魔王「うぐ、痛い所を……貴様等に倒されてすぐ、別の者が新たな魔王を名乗ったのだ」

勇者「そいつにお株を奪われ、追い出されたと……はん、情けない奴だ」

魔王「……と、とにかく……奴を倒すのなら我も力を貸そう」

勇者「どうせそいつに手酷くやられたのだろう? お前の力というのもたかが知れているな」

 痛恨の一撃!
 魔王は心に350ポイントのダメージを受けた!

魔王「………っ」

戦士「やめてあげて! 傷口抉るのやめてあげて!!」

勇者「なんだ、案外脆い奴だな」

魔王「コイツ本当に勇者か!?」

戦士「まぁまぁ……んで、そいつはお前の城に居座っているんだな?」

魔王「ああ」

勇者「魔王が二人……ややこしいな」

魔王「我はもう魔王ではない……好きに呼べ」

勇者「じゃあ元魔王?」

魔王「も、元……!?」

戦士「追い討ちすんな! 向こうが後から来たんだから、そいつを違う名前で呼べばいいだろ? 魔王はコイツだ」

魔王「戦士……」

勇者「じゃあ大魔王で」

戦士「安直過ぎだろそれ! 今時のゲームじゃもうちょっと気の利いた名前ついてるぞ!?」

勇者「気を利かせて暗黒大魔王」

魔王「気を利かせる方向間違っとるわ!!」

勇者「……じゃあ、なんて呼ぶ?」


『…………』


勇者「さぁ、大魔王を倒しに出発だー」

戦士「おー……」

魔王「……ま、いいか」


 ラスボスの名前が大魔王に決定した!
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