勇者S物語cross

~嵐が去って~

 こうして、初代勇者と魔法使いは元いた時代へ帰っていった。

 勇者達の日常に再び平穏が戻ったかと思われたが……

初代勇者「んー、こっちの時代の戦士も料理上手だねー」

魔法使い「ほーんと、美味しー♪」

戦士「おいなんでお前等ふつうにいるんだよ」

魔法使い「魔王に出来てあたしに出来ないっていうのも悔しいから、編み出しちゃった☆」

戦士「時を超える魔法を!?」

魔王「恐ろしいな、この娘……」

勇者「で、行き来できるのはいいが結局最初にこの時代にやってきた時の原因も何もわからずじまいか」

魔法使い「細かい事は気にしなーい! 戦士君おかわりー☆」

戦士「はいはい……」

魔王「その原因なんだがな、どうやら初代魔王らしいんだ」

戦士「へ?」

魔王「引きこもってると時々無性に寂しくなって、つい召喚術を……試してみたはいいが、失敗したと」

初代勇者「何それ、俺達失敗なの? なんかムカつくな。やっぱもう少し痛めつけておけば良かったなぁ……」

???「こらぁ勇者!」

初代勇者「あれ、戦士(初代)じゃん。どうしたのこんなところに」

戦士「初代戦士っ!?」

初代戦士「どうしたもこうしたもお前がなんか未来で悪さしてるんじゃないかって魔王に頼んでこっちに飛ばして貰ったんだよ!」

初代勇者「大袈裟だなぁ戦士は」

初代戦士「大袈裟なもんか! ほら早速人様の家に上がり込んで飯たかってるじゃねーか!!」

初代勇者「人様の家に上がり込むのは勇者の特権……って耳引っ張るなよ痛い痛い」

初代戦士「未来にまで迷惑かけて……か・え・る・ぞ!!」

魔法使い「あ、待ってよ勇者ー! んもう戦士ったら……」

勇者「あれお前の先祖か? すごく似てるな主におかんなところが」

戦士「が、がんばれ御先祖様~」

魔王「あの夫婦が相手では大変そうだな、同情する」

勇者「だな」

戦士・魔王「「お前が言うな!!」」

 という訳で、めでたしめでたし?
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