勇者S物語cross
~交わる伝説~
勇者によって魔王は倒され、今ではすっかり平穏を取り戻した世界。
だが、勇者に安息の日は訪れない。
戦士「勇者~朝だぞ~」
勇者「へんじがない ただのしかばねのよ」
戦士「それはもういいっつの!朝飯冷めるぞ!!」
……訂正。
勇者にこき使われて今までの災厄を退けてきた、決して語られることのない実質の救世主にして勇者のおかん、戦士に安息の日は訪れない。
戦士「おかんってなんだおかんって」
勇者「めしー」
戦士「ああほら先に着替えて顔洗ってこいよ! あと寝癖直せ!!」
こんな穏やかな日常だが……
事件は突然にやってきた。
大魔王「何やら不吉なナレーションであるな」
戦士「なんでナチュラルにいるんだ大魔王」
魔王「すまん、いつの間にかついてきていた」
大魔王「ふふん、最近ドM設定ばかりが前面に押し出されておるが余は魔王より強い大魔王であるぞ? 彼奴に気取られず後をつけるなど容易い事!」
戦士「忘れてたコイツ強いんだった」
魔王「不覚にも完全に忘れてた」
大魔王「貴様らにそんな目を向けられてもちっともゾクゾクせぬわ。やはり浴びるなら勇者様の冷ややかな眼差しと罵声に限る!」
戦士「やっぱ忘れるよな、これじゃ」
勇者「いたのか魔王」
魔王「ああ、ちょっとお裾分けにな」
大魔王「ああん冷ややかな視線どころか視界にも入れぬ華麗なるスルーが余のハートを完全ホールドォ! やっぱこうでなくちゃハァハァ」
大魔王は興奮している!
魔王「我はこんなのより弱いのか……修行しようかな……」
戦士「あの、良ければ修行付き合うよ……」
勇者「弱者が傷を舐め合うのはいいが、何か事件がどうこう言ってなかったか?」
戦士「ああ、そうだった」
え、ああ、うん。
事件は突然にやってくるなって。
魔王「おいなんかナレーション投げやりになってるぞ」
その時だった。
ーーカッ……!ーー
眩い光が勇者の家中を、そして町中を照らした!
大魔王「ぎゃー目が目がー!」
魔王「くっ、なんだこの光は……!?」
戦士「びっくりした、一瞬だけどすごかったな……」
???「ほんと、驚いたよー」
???「そうね勇者、それにしてもここはどこかしら?」
勇者「……『勇者』?」
???「呼んだ?」
戦士・魔王「「……え?」」
謎の男女二人組が現れた!
???「ちょっと、魔物みたいに言わないでよねー」
???「失礼しちゃうよ、もう」
大魔王「なっ、なんだ貴様ら! さすがに文字だけで『???』が二人もいるとややこしいではないか!!」
戦士「確かに……」
???「俺ぇ?さっき言ったじゃん。俺は勇者だよ」
???「で、あたしは魔法使いでーす☆」
勇者「勇者?」
魔王「勇者に魔法使い、だと? それではまるで先代魔王が言っていた初代勇者の……」
勇者「初代勇者?」
戦士「ああもう朝っぱらからややこしい事にー! お客さん来たなら食事作り足さなきゃー!!」
戦士は混乱している!
魔王「落ち着け戦士! お前が冷静でなくなったらツッコミが我だけになる!!」
大魔王「貴様も何気に混乱しておるぞ」
勇者によって魔王は倒され、今ではすっかり平穏を取り戻した世界。
だが、勇者に安息の日は訪れない。
戦士「勇者~朝だぞ~」
勇者「へんじがない ただのしかばねのよ」
戦士「それはもういいっつの!朝飯冷めるぞ!!」
……訂正。
勇者にこき使われて今までの災厄を退けてきた、決して語られることのない実質の救世主にして勇者のおかん、戦士に安息の日は訪れない。
戦士「おかんってなんだおかんって」
勇者「めしー」
戦士「ああほら先に着替えて顔洗ってこいよ! あと寝癖直せ!!」
こんな穏やかな日常だが……
事件は突然にやってきた。
大魔王「何やら不吉なナレーションであるな」
戦士「なんでナチュラルにいるんだ大魔王」
魔王「すまん、いつの間にかついてきていた」
大魔王「ふふん、最近ドM設定ばかりが前面に押し出されておるが余は魔王より強い大魔王であるぞ? 彼奴に気取られず後をつけるなど容易い事!」
戦士「忘れてたコイツ強いんだった」
魔王「不覚にも完全に忘れてた」
大魔王「貴様らにそんな目を向けられてもちっともゾクゾクせぬわ。やはり浴びるなら勇者様の冷ややかな眼差しと罵声に限る!」
戦士「やっぱ忘れるよな、これじゃ」
勇者「いたのか魔王」
魔王「ああ、ちょっとお裾分けにな」
大魔王「ああん冷ややかな視線どころか視界にも入れぬ華麗なるスルーが余のハートを完全ホールドォ! やっぱこうでなくちゃハァハァ」
大魔王は興奮している!
魔王「我はこんなのより弱いのか……修行しようかな……」
戦士「あの、良ければ修行付き合うよ……」
勇者「弱者が傷を舐め合うのはいいが、何か事件がどうこう言ってなかったか?」
戦士「ああ、そうだった」
え、ああ、うん。
事件は突然にやってくるなって。
魔王「おいなんかナレーション投げやりになってるぞ」
その時だった。
ーーカッ……!ーー
眩い光が勇者の家中を、そして町中を照らした!
大魔王「ぎゃー目が目がー!」
魔王「くっ、なんだこの光は……!?」
戦士「びっくりした、一瞬だけどすごかったな……」
???「ほんと、驚いたよー」
???「そうね勇者、それにしてもここはどこかしら?」
勇者「……『勇者』?」
???「呼んだ?」
戦士・魔王「「……え?」」
謎の男女二人組が現れた!
???「ちょっと、魔物みたいに言わないでよねー」
???「失礼しちゃうよ、もう」
大魔王「なっ、なんだ貴様ら! さすがに文字だけで『???』が二人もいるとややこしいではないか!!」
戦士「確かに……」
???「俺ぇ?さっき言ったじゃん。俺は勇者だよ」
???「で、あたしは魔法使いでーす☆」
勇者「勇者?」
魔王「勇者に魔法使い、だと? それではまるで先代魔王が言っていた初代勇者の……」
勇者「初代勇者?」
戦士「ああもう朝っぱらからややこしい事にー! お客さん来たなら食事作り足さなきゃー!!」
戦士は混乱している!
魔王「落ち着け戦士! お前が冷静でなくなったらツッコミが我だけになる!!」
大魔王「貴様も何気に混乱しておるぞ」