～喧嘩の後は～

　その後、賢者はというと……

勇者「戦士、おかわり」

賢者「こっちが先よ、戦士」

　ちょくちょく勇者の家に来るようになった。

戦士「よく食うな～」

大魔王「美味いからな、貴様の飯は」

魔王「人を引きつけるのも納得だ」

大魔王「まぁ余は勇者様目当てでもあるのだが★」

勇者「貴様らが普通に上がり込んでいるのも見慣れてきたな……だが賢者、何故お前まで来る？」

賢者「食費を浮かすためよ。それにここはあたしの家でもあるんだから」

戦士「何でもいいさ、賑やかな方が楽しいし」

賢者「べ、別に、あんたなんかの事がっ……」

戦士「へ？」

賢者「あんたなんか別に苛めて苛めて苛め抜いて這いつくばらせて泣かせたいくらい好きって訳じゃないんだからねっ!?」

戦士「……あ、ああ……？」

魔王「なんてわかりづらいツンデレだ……」

勇者(気に入りやがったか……)

魔王「変なのに好かれるな、戦士は」

勇者「全くだな。俺の玩具だと言っているのに……」

賢者「玩具？」

戦士「変な事吹き込むな！」

大魔王「俺の玩具……一度でいいから言われてみたいぞ」

戦士「本気で羨ましそうな目をするな!!」

勇者「いいからおかわり寄越せ」

戦士「お前っ……はぁ、わかったよ」

賢者「あたしが先って言ってるでしょ！」

勇者「いいや譲らん」

戦士「な・か・よ・く・し・な・さ・いっ!!」

魔王「……苦労するな、戦士」