勇者S物語3
新たな魔王となった勇者を連れ戻すため旅立った戦士、魔王、大魔王……
彼等の道のりは長く、険しく……なんて事はなく、魔王の移動魔法で一発だった。
戦士「そういう便利なのあるなら早く言えよ!」
魔王「すまん、素で忘れてた」
大魔王「こんなんだから余や勇者様に城を乗っとられるのだ」
魔王「黙っていろ」
そうして辿り着いた魔王(勇者)の城。
そこに待ち受けていた者は……
勇者「よく来たな、貴様ら。世界を救いに来たのか? とんだお笑い草だ。せいぜい俺を愉しませてくれ…甘美な断末魔の調べでな」
魔王「い、今までで一番それらしいセリフ!!」
大魔王「さすが勇者様……痺れる……!」
戦士「お前はどっちの味方だよ! まぁいい、帰るぞ勇者」
勇者「帰る……だと? 言ったろう、俺は平和で穏やかな毎日に飽きたんだ。ならばこの手で再び混乱を起こすまで……」
魔王「仮にも勇者の言葉とは思えぬな」
戦士「すっかり板についてるのが悲しい」
勇者「だろう? 自分でも天職だと思う。少なくとも、そこの腰抜け魔王共よりよっぽどな」
魔王「何っ!?」
大魔王「こ、腰抜け……」
勇者の言葉責め!
大魔王はゾクゾクしている!!
魔王「って悦ぶな変態!」
戦士「……まぁ、それはさておき……ホントの原因は違うんだろ?」
勇者「なんだと?」
戦士「お前が家を出た、本当の理由……それは、お前が出ていく前の夜の事だ」
魔王「夜、だと?」
戦士「俺が晩飯にこっそりお前の嫌いなピーマン入れたの、気付いちまったんだよな?」
魔王「ピーマンごときで世界を!?」
勇者「……フン、あんなモノを入れる方が悪い」
戦士「マジでワガママ坊っちゃんだなお前……帰って来いよ。今日の晩飯はお前の好きなビーフシチューだぞ?」
勇者「む……」
戦士「な?」
勇者「……フン、仕方ないな。ここのメシは不味い。口直しに美味いモノを食わせろ」
魔王「不味い言うな! 折角作ったのに食事係の魔物が泣いてしまっただろう!?」
戦士「ま、まぁまぁ……」
彼等の道のりは長く、険しく……なんて事はなく、魔王の移動魔法で一発だった。
戦士「そういう便利なのあるなら早く言えよ!」
魔王「すまん、素で忘れてた」
大魔王「こんなんだから余や勇者様に城を乗っとられるのだ」
魔王「黙っていろ」
そうして辿り着いた魔王(勇者)の城。
そこに待ち受けていた者は……
勇者「よく来たな、貴様ら。世界を救いに来たのか? とんだお笑い草だ。せいぜい俺を愉しませてくれ…甘美な断末魔の調べでな」
魔王「い、今までで一番それらしいセリフ!!」
大魔王「さすが勇者様……痺れる……!」
戦士「お前はどっちの味方だよ! まぁいい、帰るぞ勇者」
勇者「帰る……だと? 言ったろう、俺は平和で穏やかな毎日に飽きたんだ。ならばこの手で再び混乱を起こすまで……」
魔王「仮にも勇者の言葉とは思えぬな」
戦士「すっかり板についてるのが悲しい」
勇者「だろう? 自分でも天職だと思う。少なくとも、そこの腰抜け魔王共よりよっぽどな」
魔王「何っ!?」
大魔王「こ、腰抜け……」
勇者の言葉責め!
大魔王はゾクゾクしている!!
魔王「って悦ぶな変態!」
戦士「……まぁ、それはさておき……ホントの原因は違うんだろ?」
勇者「なんだと?」
戦士「お前が家を出た、本当の理由……それは、お前が出ていく前の夜の事だ」
魔王「夜、だと?」
戦士「俺が晩飯にこっそりお前の嫌いなピーマン入れたの、気付いちまったんだよな?」
魔王「ピーマンごときで世界を!?」
勇者「……フン、あんなモノを入れる方が悪い」
戦士「マジでワガママ坊っちゃんだなお前……帰って来いよ。今日の晩飯はお前の好きなビーフシチューだぞ?」
勇者「む……」
戦士「な?」
勇者「……フン、仕方ないな。ここのメシは不味い。口直しに美味いモノを食わせろ」
魔王「不味い言うな! 折角作ったのに食事係の魔物が泣いてしまっただろう!?」
戦士「ま、まぁまぁ……」