~兄弟~
とうの昔に滅んだと思われたかつての同胞“魔獣”と街で思わぬ再会を果たしたファング。
クレイン達の前で正体を明かされ、そろそろ人に聞かれたらまずい話になってきたので、一行は場所をクレインの家へと移す事にした。
「ところでガナシュ、目覚めてから今までどうしてたんだ?」
「む……なんだ、いきなり?」
おもむろに尋ねられて、『サラマンダー』ガナシュは少し考え込む。
彼が封印されていた洞窟が発見されてからファングと再会するまで、一週間程度あった筈だ。
荒っぽい性格の彼がそれまでどういった生活をしていたのか、どことなく嫌な予感がした。
「まさか、とは思うが……」
人様に迷惑はかけていないだろうな、と言おうとしたその時。
「洞窟の方にぞろぞろと向かう人間共がいたから、食糧はそいつらから調達した」
「それって……」
ファングとクレインは思わず顔を見合わせた。
「洞窟に向かっていた、調査隊……?」
「ん、そういえばそんな事を言っていたような……痛っ!?」
ガナシュの言葉が終わらないうちに、ファングが素早くその頭をひっぱたいた。
「……っ何をするか貴様!」
「馬鹿! よりによってそんな連中襲って……」
「殺してはいないぞ?」
「そういう問題じゃない! あまり派手な行動をするなと言っているんだ!!」
頭を押さえて睨むガナシュを、珍しく声を荒げて叱り付ける。
そんな光景を見て、
「ファング……お母さんみたいだ……」
「…………そうだね……」
子犬と天才はそんな事を思ったとか。
クレイン達の前で正体を明かされ、そろそろ人に聞かれたらまずい話になってきたので、一行は場所をクレインの家へと移す事にした。
「ところでガナシュ、目覚めてから今までどうしてたんだ?」
「む……なんだ、いきなり?」
おもむろに尋ねられて、『サラマンダー』ガナシュは少し考え込む。
彼が封印されていた洞窟が発見されてからファングと再会するまで、一週間程度あった筈だ。
荒っぽい性格の彼がそれまでどういった生活をしていたのか、どことなく嫌な予感がした。
「まさか、とは思うが……」
人様に迷惑はかけていないだろうな、と言おうとしたその時。
「洞窟の方にぞろぞろと向かう人間共がいたから、食糧はそいつらから調達した」
「それって……」
ファングとクレインは思わず顔を見合わせた。
「洞窟に向かっていた、調査隊……?」
「ん、そういえばそんな事を言っていたような……痛っ!?」
ガナシュの言葉が終わらないうちに、ファングが素早くその頭をひっぱたいた。
「……っ何をするか貴様!」
「馬鹿! よりによってそんな連中襲って……」
「殺してはいないぞ?」
「そういう問題じゃない! あまり派手な行動をするなと言っているんだ!!」
頭を押さえて睨むガナシュを、珍しく声を荒げて叱り付ける。
そんな光景を見て、
「ファング……お母さんみたいだ……」
「…………そうだね……」
子犬と天才はそんな事を思ったとか。