~宝を求めて~
――ガキィィン!!――
石造りの遺跡内に甲高い音が響く。
ゆらめく燭台の灯が、二つの影を照らしていた。
「チッ……」
一人の青年がトンファーを手に、巨大な魔物と対峙している。
金髪にそれと同じ金色の目、美形に分類されるであろう整った顔に今は焦りの表情が見られる。
「さすがに簡単にはいかないか」
対する魔物は石で出来た頑強そうな巨人だ。
一撃を与えたのは青年の筈なのに、魔物は全くびくともせず、彼を悠然と見下ろしている。
「ぐ……」
威圧に後退ると、すぐ後ろに壁が。
獲物を追い詰めた魔物は、大きく腕を振り上げ……
「~っ!!」
もうダメだ。
そう思った瞬間だった。
全身を襲うであろう衝撃がいつまで経っても来ないのを不思議に思い、青年はおそるおそる目を開ける。
「怪我はないか、小僧」
「へ?」
紫煙と共に現れたのは、暗い灰色の髪の、どこか狼を思わせる雰囲気を纏った男。
澄んだアイスブルーの瞳が、青年を振り返った。
石造りの遺跡内に甲高い音が響く。
ゆらめく燭台の灯が、二つの影を照らしていた。
「チッ……」
一人の青年がトンファーを手に、巨大な魔物と対峙している。
金髪にそれと同じ金色の目、美形に分類されるであろう整った顔に今は焦りの表情が見られる。
「さすがに簡単にはいかないか」
対する魔物は石で出来た頑強そうな巨人だ。
一撃を与えたのは青年の筈なのに、魔物は全くびくともせず、彼を悠然と見下ろしている。
「ぐ……」
威圧に後退ると、すぐ後ろに壁が。
獲物を追い詰めた魔物は、大きく腕を振り上げ……
「~っ!!」
もうダメだ。
そう思った瞬間だった。
全身を襲うであろう衝撃がいつまで経っても来ないのを不思議に思い、青年はおそるおそる目を開ける。
「怪我はないか、小僧」
「へ?」
紫煙と共に現れたのは、暗い灰色の髪の、どこか狼を思わせる雰囲気を纏った男。
澄んだアイスブルーの瞳が、青年を振り返った。