学園戦隊ジャスティスファイブ・Z
平和で穏やかな、放課後の部活動……正しくは、同好会の活動時間。
俺達ヒーロー同好会は、今日ものどかに清掃ボランティアに勤んでいる。
「あ~……暇だぁ……」
などとぼやくのは俺の幼馴染みでヒーロー大好きトラブルメーカー、赤井。
「暇なんて事ないだろ、現に今もこうやって掃除してるし、やる事はいっぱいだ」
だんだん作業も手慣れてきて、てきぱき働くパッと見怖そうな男は苦労人仲間の黄瀬。
たぶん一番理不尽に同好会に巻き込まれただろうに、真面目な奴だ。
「ホント、暇とか言ってる場合じゃないですよね~」
「テメェが手伝えば少しは暇も出来ると思うぞ緑川……」
自分の手は汚さない主義、と日頃から豪語するだけあって黄瀬とは対照的に今日も働かない腹黒眼鏡は緑川。
「ふ~んふふふ~ん、ジャっスティっスファ~イブ♪」
と、鼻歌混じりにマイペースなのがピンクなのに男子校ゆえ紅一点じゃない、見た目だけは可愛らしいムードメーカーの桜庭。
それにこの俺、青野。
以上の五人が校内で噂の変人集団…………言ってて悲しくなってきた。
「うぉぉぉ暇だ暇だぁ! 正義の血が騒ぐぜ!!」
「じたばた暴れるな、集めたゴミが飛び散るだろ!?」
黄瀬が注意しても正義の血とやらは鎮まってくれないのか、その場で暴れ出す赤井。
コイツは昔からこうだ。一度言い出すと止まらない。
「通信簿に『もう少し落ち着きましょう』って書かれていそうだよね」
まさにズバリだ桜庭。
しかしコイツの望む『暇じゃない』状態って、高校生の日常ではそうそう有り得ないんだよなぁ……
「ヒマーヒマー! ジャスティス暇ー!!」
なんだよジャスティス暇って。
そろそろぶん殴って止めようか、なんて考え始めたその時だった。
「ふははははは! 情けないぞジャスティスファイブぅぅぅぅぅ!!」
「誰だッ!」
高笑いと共に逆光を背負い登場した男と、同じく逆光でよく見えない四人の影。
こんな風に現われる連中を、ピンポイントで知っている。
「嫌な予感……」
「……だな」
俺と黄瀬の呟きもスルーして、そいつらは同時に一歩踏み出した。
「ブレイブぅぅぅぅぅレッドぉぉぉぉっ! 朱堂蛮んんっ!!」
じゃきーん。
「ブレイブブルー、藍原迅」
きゅぴーん。
「ブ……ブレイブピンク、桃井凜っ」
しゃらーん。
「ブレイブイエロー…………山吹賛」
ぴきーん。
「ブレイブグリーン、若草弾っ!」
しゃきーん。
五人は次々に名乗り、ポーズを決める。
「「五人揃って!」」
「ブレイブぅぅぅぅぅVっ!!」
ちゅっどぉぉぉぉぉん。
ホントに爆発なんてしないから今回も朱堂がセルフ効果音。
コイツらはよその学校のヒーロー同好会だ。
以前、いろいろあって………………まぁ、仲良くなった、のかな?
「説明を諦めましたね」
「人のモノローグを読むなと何回言ったら……んで、何の用だよ?」
すると藍原がかっこつけて髪をかきあげる。
「フッ……ならば説明しよう、我が好敵手青野剣よ」
うわ、うっとうしい。
そもそもその動作は必要なのか?
「今日我々がここに来た理由、それは……」
「来ィィィィちゃっ……たァァァァァ!!」
藍原が発言しようとした所に朱堂が割り込んだ。
ああほら、髪なんかかきあげてるから。
「……お前らも大変だよな」
「あははは……まぁね」
がっくりと肩を落とす若草はあっち側での苦労人担当か。
平穏でゆったりした時間がこれで一気に暑苦しくめんどくさくなるのであった。
あーあ……嫌な予感的中だ。
俺達ヒーロー同好会は、今日ものどかに清掃ボランティアに勤んでいる。
「あ~……暇だぁ……」
などとぼやくのは俺の幼馴染みでヒーロー大好きトラブルメーカー、赤井。
「暇なんて事ないだろ、現に今もこうやって掃除してるし、やる事はいっぱいだ」
だんだん作業も手慣れてきて、てきぱき働くパッと見怖そうな男は苦労人仲間の黄瀬。
たぶん一番理不尽に同好会に巻き込まれただろうに、真面目な奴だ。
「ホント、暇とか言ってる場合じゃないですよね~」
「テメェが手伝えば少しは暇も出来ると思うぞ緑川……」
自分の手は汚さない主義、と日頃から豪語するだけあって黄瀬とは対照的に今日も働かない腹黒眼鏡は緑川。
「ふ~んふふふ~ん、ジャっスティっスファ~イブ♪」
と、鼻歌混じりにマイペースなのがピンクなのに男子校ゆえ紅一点じゃない、見た目だけは可愛らしいムードメーカーの桜庭。
それにこの俺、青野。
以上の五人が校内で噂の変人集団…………言ってて悲しくなってきた。
「うぉぉぉ暇だ暇だぁ! 正義の血が騒ぐぜ!!」
「じたばた暴れるな、集めたゴミが飛び散るだろ!?」
黄瀬が注意しても正義の血とやらは鎮まってくれないのか、その場で暴れ出す赤井。
コイツは昔からこうだ。一度言い出すと止まらない。
「通信簿に『もう少し落ち着きましょう』って書かれていそうだよね」
まさにズバリだ桜庭。
しかしコイツの望む『暇じゃない』状態って、高校生の日常ではそうそう有り得ないんだよなぁ……
「ヒマーヒマー! ジャスティス暇ー!!」
なんだよジャスティス暇って。
そろそろぶん殴って止めようか、なんて考え始めたその時だった。
「ふははははは! 情けないぞジャスティスファイブぅぅぅぅぅ!!」
「誰だッ!」
高笑いと共に逆光を背負い登場した男と、同じく逆光でよく見えない四人の影。
こんな風に現われる連中を、ピンポイントで知っている。
「嫌な予感……」
「……だな」
俺と黄瀬の呟きもスルーして、そいつらは同時に一歩踏み出した。
「ブレイブぅぅぅぅぅレッドぉぉぉぉっ! 朱堂蛮んんっ!!」
じゃきーん。
「ブレイブブルー、藍原迅」
きゅぴーん。
「ブ……ブレイブピンク、桃井凜っ」
しゃらーん。
「ブレイブイエロー…………山吹賛」
ぴきーん。
「ブレイブグリーン、若草弾っ!」
しゃきーん。
五人は次々に名乗り、ポーズを決める。
「「五人揃って!」」
「ブレイブぅぅぅぅぅVっ!!」
ちゅっどぉぉぉぉぉん。
ホントに爆発なんてしないから今回も朱堂がセルフ効果音。
コイツらはよその学校のヒーロー同好会だ。
以前、いろいろあって………………まぁ、仲良くなった、のかな?
「説明を諦めましたね」
「人のモノローグを読むなと何回言ったら……んで、何の用だよ?」
すると藍原がかっこつけて髪をかきあげる。
「フッ……ならば説明しよう、我が好敵手青野剣よ」
うわ、うっとうしい。
そもそもその動作は必要なのか?
「今日我々がここに来た理由、それは……」
「来ィィィィちゃっ……たァァァァァ!!」
藍原が発言しようとした所に朱堂が割り込んだ。
ああほら、髪なんかかきあげてるから。
「……お前らも大変だよな」
「あははは……まぁね」
がっくりと肩を落とす若草はあっち側での苦労人担当か。
平穏でゆったりした時間がこれで一気に暑苦しくめんどくさくなるのであった。
あーあ……嫌な予感的中だ。