11月と7月の両片思い戦争

 ツキノ寮の三階にあるプロセラ共有ルームでは、年長二人を除いたプロセラの四人がいつになく真面目なテンションで顔をつきあわせていた。

「では、第3回年長組話し合いを始めます」

 粛々と陽が宣言をする。他の三人も神妙な面持ちで頷いた。
 涙の横にはヤマトが、夜の横には白田がどこか不安げな目で四人の事を見つめている。

「今日は誰からいく?」
「あ、じゃあ俺から」

 郁が手を挙げ、陽が頷く。自らトップバッターに名乗り出た郁は、表情を崩さないまま話し始めた。
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