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次のダブルス、シングルスと青学が勝利し…
四天宝寺との試合は幕を閉じた。
つまり…
青学は、決勝戦進出が決定した。
白「お疲れさん」
不「そちらこそ」
試合後、四天宝寺の皆が青学のもとへとやって来た。
ユ「ほんま悔しいわ~桃尻が覆面さえ持って来なければ…」
桃「桃尻!?誰が桃尻やねん!」
完全にお笑いテニスに感化された桃城。
海堂にフッと鼻で笑われ喧嘩が始まったので、りんは慌てて止めに入った。
白「さて、ほなぼちぼち俺らは退散しよか」
背中を向ける前、白石はりんを見てニコッと頬笑んだ。
びっくりして何故か赤くなる顔を隠すように下を向くと、
金「あれ、わいは?」
金太郎の声に顔を上げたりん。
金「わい、コシマエとまだ戦ってへんで?」
千「金ちゃんごめん…負けばい」
手塚にダブルスで敗れた千歳が申し訳なさそうに言うと、金太郎は「いやや!わいはやるでぇー!」と叫んだ。
金「コシマエ、勝負やー!」
リョーマに向かって指を指す。
大「越前、決勝戦の前だ。無意味な試合で怪我でもしたら…」
リョ「…ういっす」
納得出来ない様子の金太郎の声を受けながら、リョーマはテニスバックを持ち去ろうとする。
金「待ちいや!試合や「諦めるんや金ちゃん!」
白石の大きな声に体をビクッと震わせた金太郎と、それを黙って見つめるりん。
白「…残念やけど、人生には思い通りにならん事もあるんや」
ゆっくり、言い聞かせる白石を見て、金太郎はしゅんと肩を落とした。
『……お兄ちゃん、』
白石の気持ちも、金太郎の気持ちもわかる。
…けれど、
『私からも、お願い!』
頭を下げるりんを見て、リョーマは目を丸くした。
『お願い…』
声音がだんだん弱々しく小さくなって来る。
リョーマは暫くりんを見つめ、ハァと小さく溜め息を吐いた。
リョ「…別に、一球だけならいいけど」
素っ気ない言葉。
りんは勢い良く頭を上げた。
『ありがとう、お兄ちゃん!』
嬉しそうに微笑むりんを見て、リョーマは黙ってコートに向かった。
金「ホンマか!?おおきにー」
嬉しそうに笑い頭を下げる金太郎。
りんは良かった、と自然と頬が緩む。
『(やっぱり、優しいな)』
そんなお兄ちゃんが大好き、何て思ったりん。
妹の中で、また1つ兄へのLOVEメーター(?)が高くなったのであった。