村山良樹の両A面誕生日
世の中の大人は、他人の誕生日をどんな風に知るんだろう。小学生までは誕生日を知りたい本人に、直接「お前、誕生日いつ?」って聞いていた気がするけど。
「村山さーん!!」
「村山ァ!!」
「「誕生日おめでとー!!」」
「お、おーーー!!……ってか俺お前らに誕生日とか教えたっけ」
いつもの教室の扉を開けたら、圧マシマシで関と古屋がクラッカーを放つ。他のいつメンも何やら手土産多め。
「村山さんのLINEに出てましたよ〜」
「えっ何その機能?」
初耳。えっじゃあ今日コブラちゃんにLINE送ったらついでに祝ってくれんじゃね?ちょい待ち、と一旦騒がしい教室を出て「コブラちゃん、今日俺に言うことあるでしょ」「日付変わるまでにゆってね」と送る。気を取り直してもう一度、さっきより扉を勢いよく開ける。
「お前ら……祝え〜〜〜!!!!」
男どもの咆哮が窓ガラスを震わせる。今度はクラッカーじゃなくて部屋中をホコリと紙くずが舞い、定時制は臨時休校となった。
「コブラちゃんから返信来ない……」
「村山さん。どんまいです!」
「バカまだ今日三時間残ってんだろ!来るかもしんねえだろ!」
もう諦めてる関の頭を叩く。笑顔で諦めるんじゃねえよ。でも昼前に送ったLINEなんだから既読ぐらいついてもいいのに。なんだ俺のメッセージ見失うぐらい人気者か?いやまあアタマ張ってるんなら普通人気者か……。
定時制のおごりで昼前からずっと飲んで食べて飲んで食べて。俺がザルなもんで日が暮れる頃から人気は段々減っていって、夜通しどころか意外と健康的な時間に皆帰っていった。関と古屋は俺とペースが合うように飲んでたのか、最後まで残っていた。よしよし、とツルツルの関の頭を撫でると機嫌が良さそうなので、古屋の頭にも手を伸ばす。軽く払われたが完全拒否って訳でもなさそうな感じ。きれいに整えられた髪を軽く乱してやる。やめろ、って言われたところでやめる。
「コブラ、通知設定してねえんじゃねえのか」
「何それ、どうやったら設定できんの」
「それはコブラに言うしかねえだろ。スマホ貸せよ」
「んー?」
何やら操作してこちらに返す。画面は電話の通話画面になっていて、一コール目が鳴った。
「って古屋お前何勝手にかけてんだよ!!」
「直接言うしかねえだろ、送ったんだけど見たかって」
「それはそうだけどね!?あ?!もしもしコブラちゃん?!」
『なんだ』
聞き取りにくい低い声。うわー電話は出てくれるんだ。手汗が滲む。
「あのねえ……あー、、俺今日誕生日なんだけどぉ。俺のLINEちゃんと見といて」
『ア?ああ。わかった』
「わかった?!じゃあまたね!」
『あ、おい、おめでとう』
「えっ、うん、ありがと」
『じゃあ、』
「あっ、コブラちゃんってさあ」
誕生日、いつ?
あーあ、最高だよね。やっぱ俺には文字より声で祝われる方が向いてる。対面ならなお良し。まあ今日誕生日を知ったくらいだし、コブラちゃんとはこれからでしょ。
他校の不良が溜まりがちな公園も、上機嫌で俺がブラつくと途端に人気がなくなる。おい、俺今日誕生日だぜ。今日は喧嘩だけはプレゼントされてねえんだよなあ。意義のない喧嘩は無意味だ。でも無意味なやつも、嫌いになりきれねえんだよなあ。なにせ俺が一番になれたことなんだから。
すべり台の上まで登って、公園を見下ろす。狭い公園だ。公園の時計は十時を指している。公園の入り口近くにある自販機が急にまぶしく灯った。真っ黒な人影が近づいたからだ。後頭部に見覚えがあるような、無いような。誰だっけなあ。カン、と何気なくすべり台の柵を蹴った音で、人影は振り向いた。ザクザクと地面を踏みしめ、すべり台を見上げる。
「お前かよ」
「おい村山ァ、なんで今日定時全員サボったんだよ」
「お前こんな時間に夜遊び?意外……」
小さな舌打ちが聞こえた。
「予備校」
「よびっ……勉強?!」
「で、なんで今日サボったんだよ」
「えっ、あー、俺今日誕生日だから…?」
「ハ?」
「昼から定時にずっと祝われてて」
「定時にはクソ成人しかいねえのかよ。知ってたけど」
轟がせせら笑う。まあ確かにクソ成人ばっかだけど。お前の口のきき方も大概クソガキだよ。
ぎりぎり通れそうなすべり台を滑る。まだ轟は動かずにこっちを見ている。
「どうした、帰んないの」
「酒くさ」
「昼から飲んでるクソ成人だからかな〜」
轟の顔を覗き込む。きれーな眼鏡。だけどきれいすぎて、その奥の瞳を読もうにも、眼鏡が反射してジャマ。と、思ったら眼鏡が視界から消える。あら、俺のことよくお分かりで。
「カバンおいてくるまで待っといてあげる」
「何が、あげる、だ」
ノールックで投げた学生鞄は、すべり台の上に見事に着地。すごいねえ、どうなってんだよ。
眼鏡が胸ポケットに仕舞われる。
お互いの拳が、同時に動いた。
みんな喧嘩のときって何考えてる?俺は難しいことはあんま考えない。いや、相手がめっちゃ悪いやつだったら考えることもあんのかもしれねえけど。あとは喧嘩の状況にもよるか。たくさんに見られてる前でやる喧嘩。ギャラリーのいない喧嘩。ギャラリーがいると、ちょっと気負ったり、負かし方を考えるかもしんない。
今日は特に考えなかった。勝っても負けても、いやそもそも轟には負けないけど、勝敗はお互いしか知らない。別に言いふらすことでもない。
考えない喧嘩は、気楽で楽しい。普通に殴って避けて蹴って避けられて。どうせ公園でやってるしな、と思ってわざとブランコ蹴って惑わせてみたり、すべり台を逆走してみたり。もちろん置いてるカバンには手は出さない。
追いかけてきた轟に向かって、すべり台から拳を振りかぶって飛ぶ。
ギリ避けられる、から着地して、前へ跳んだ。
俺が後ずさると読んだ轟の顔面に、俺の頭突きが直撃する。
勝った。見えないけど、多分宙に轟の血が舞っている。
「歯ぁ抜けた?鼻折れた?」
口と鼻を片手で覆う轟を、すべり台の上から見下ろす。首を横に振られた。血は出てるけど、口の中と鼻血だけらしい。鼻血のときに上向くのって良くないんだよなって知識と、こっち向けよ、と思う気持ちが同時に湧いてきて居心地が悪い。
「今日さ、定時いないの気になってたの?」
「知るか」
「静かだった?」
「別に」
「あのさあ。別にお前が素直に答えなくたってさあ、明日そのへんの全日に聞きゃあわかるんだからな」
返事の代わりに鼻を拭ってそっぽを向かれた。
「そもそもあんたら定時制だろ、なんで最近昼からいるわけ」
「居心地いいから〜」
学生鞄を掴んで飛び降りる。差し出したら嫌そうな視線をよこされた。まだ鼻血は止まってない。そりゃそうだろう。轟は頑丈だと踏んで手加減しなかった。
「なんかねー定時の空気も全日の空気も、他にはないだろ」
思いあたる節があるのか、轟の眉間のシワが少しだけ緩む。あの個性的なおっきい二人のことを思い出してるんだろうか。
「あとバイトあんま受かんなくて暇だし……おい速攻で幻滅すんな?顔に出てんぞ」
「別に。そもそもあんたにそんな夢見てない」
「夢見てなくてもさー、わざわざ夜に他所で勉強して、昼間は鬼耶高通って、俺らがサボったの気にしてて。しかもこんな時間に喧嘩ふっかけてくんじゃん!あっ寂しいの?」
違う?って言いかけて轟が固まっているのに気づいた。鼻を押さえてるティッシュを持つ手が緩み、その向こうの口元が少しだけ見える。拭いきれていない鼻血で唇はいつもより赤くて、それが少しだけ口角を上げる。ティッシュで押さえきれなかった血が、砂の上に滲んだ。
「違う」
「ッ?!ちょっおい!うっわ汚え!!」
瞬間、こっちに投げられた何かを思わずキャッチして、後悔した。血が滲んだティッシュ。
まだ受け取ってなかった学生鞄が乱暴にもぎ取られ、頬に回し蹴りがきれいに決まった音が鳴る。思わず尻もち。尻もちをついたついでにうっかり拳を握りしめて、血塗れのティッシュもしっかり握る。
「あーー!!クッソ最悪……!」
そう俺が叫んだときには轟の姿はもう見えなくて、公園には俺一人。でも今更どうでもいい。先にあいつの血で汚れた手を洗いたかった。ここが公園じゃなかったらやばかったなあ。水飲み場で限界まで蛇口をひねる。激しい水流に直接手を当てたら、血は四方に飛び散りながらだんだん薄まっていった。
まあ、俺が煽ったからしゃーねえか。
多分こんなやり取りをしても、明日も轟は鬼耶高へ登校する。俺も暇だし、居心地良いからきっとそこに居る。轟は昨日こんなことがあってさ、なんて多分言いふらすことはないだろう。負けてたし。俺だって、轟とはいえリアル高校生を夜中に煽って勝ったのなんか、何の自慢にもならない。しかも最後の最後で完全勝利じゃなくなったし。
「来年は鬼耶高いるときに吹っかけてくんねーかな〜」
水浸しの手を振り回しながら、俺の今年の誕生日は終わった。
「村山さーん!!」
「村山ァ!!」
「「誕生日おめでとー!!」」
「お、おーーー!!……ってか俺お前らに誕生日とか教えたっけ」
いつもの教室の扉を開けたら、圧マシマシで関と古屋がクラッカーを放つ。他のいつメンも何やら手土産多め。
「村山さんのLINEに出てましたよ〜」
「えっ何その機能?」
初耳。えっじゃあ今日コブラちゃんにLINE送ったらついでに祝ってくれんじゃね?ちょい待ち、と一旦騒がしい教室を出て「コブラちゃん、今日俺に言うことあるでしょ」「日付変わるまでにゆってね」と送る。気を取り直してもう一度、さっきより扉を勢いよく開ける。
「お前ら……祝え〜〜〜!!!!」
男どもの咆哮が窓ガラスを震わせる。今度はクラッカーじゃなくて部屋中をホコリと紙くずが舞い、定時制は臨時休校となった。
「コブラちゃんから返信来ない……」
「村山さん。どんまいです!」
「バカまだ今日三時間残ってんだろ!来るかもしんねえだろ!」
もう諦めてる関の頭を叩く。笑顔で諦めるんじゃねえよ。でも昼前に送ったLINEなんだから既読ぐらいついてもいいのに。なんだ俺のメッセージ見失うぐらい人気者か?いやまあアタマ張ってるんなら普通人気者か……。
定時制のおごりで昼前からずっと飲んで食べて飲んで食べて。俺がザルなもんで日が暮れる頃から人気は段々減っていって、夜通しどころか意外と健康的な時間に皆帰っていった。関と古屋は俺とペースが合うように飲んでたのか、最後まで残っていた。よしよし、とツルツルの関の頭を撫でると機嫌が良さそうなので、古屋の頭にも手を伸ばす。軽く払われたが完全拒否って訳でもなさそうな感じ。きれいに整えられた髪を軽く乱してやる。やめろ、って言われたところでやめる。
「コブラ、通知設定してねえんじゃねえのか」
「何それ、どうやったら設定できんの」
「それはコブラに言うしかねえだろ。スマホ貸せよ」
「んー?」
何やら操作してこちらに返す。画面は電話の通話画面になっていて、一コール目が鳴った。
「って古屋お前何勝手にかけてんだよ!!」
「直接言うしかねえだろ、送ったんだけど見たかって」
「それはそうだけどね!?あ?!もしもしコブラちゃん?!」
『なんだ』
聞き取りにくい低い声。うわー電話は出てくれるんだ。手汗が滲む。
「あのねえ……あー、、俺今日誕生日なんだけどぉ。俺のLINEちゃんと見といて」
『ア?ああ。わかった』
「わかった?!じゃあまたね!」
『あ、おい、おめでとう』
「えっ、うん、ありがと」
『じゃあ、』
「あっ、コブラちゃんってさあ」
誕生日、いつ?
あーあ、最高だよね。やっぱ俺には文字より声で祝われる方が向いてる。対面ならなお良し。まあ今日誕生日を知ったくらいだし、コブラちゃんとはこれからでしょ。
他校の不良が溜まりがちな公園も、上機嫌で俺がブラつくと途端に人気がなくなる。おい、俺今日誕生日だぜ。今日は喧嘩だけはプレゼントされてねえんだよなあ。意義のない喧嘩は無意味だ。でも無意味なやつも、嫌いになりきれねえんだよなあ。なにせ俺が一番になれたことなんだから。
すべり台の上まで登って、公園を見下ろす。狭い公園だ。公園の時計は十時を指している。公園の入り口近くにある自販機が急にまぶしく灯った。真っ黒な人影が近づいたからだ。後頭部に見覚えがあるような、無いような。誰だっけなあ。カン、と何気なくすべり台の柵を蹴った音で、人影は振り向いた。ザクザクと地面を踏みしめ、すべり台を見上げる。
「お前かよ」
「おい村山ァ、なんで今日定時全員サボったんだよ」
「お前こんな時間に夜遊び?意外……」
小さな舌打ちが聞こえた。
「予備校」
「よびっ……勉強?!」
「で、なんで今日サボったんだよ」
「えっ、あー、俺今日誕生日だから…?」
「ハ?」
「昼から定時にずっと祝われてて」
「定時にはクソ成人しかいねえのかよ。知ってたけど」
轟がせせら笑う。まあ確かにクソ成人ばっかだけど。お前の口のきき方も大概クソガキだよ。
ぎりぎり通れそうなすべり台を滑る。まだ轟は動かずにこっちを見ている。
「どうした、帰んないの」
「酒くさ」
「昼から飲んでるクソ成人だからかな〜」
轟の顔を覗き込む。きれーな眼鏡。だけどきれいすぎて、その奥の瞳を読もうにも、眼鏡が反射してジャマ。と、思ったら眼鏡が視界から消える。あら、俺のことよくお分かりで。
「カバンおいてくるまで待っといてあげる」
「何が、あげる、だ」
ノールックで投げた学生鞄は、すべり台の上に見事に着地。すごいねえ、どうなってんだよ。
眼鏡が胸ポケットに仕舞われる。
お互いの拳が、同時に動いた。
みんな喧嘩のときって何考えてる?俺は難しいことはあんま考えない。いや、相手がめっちゃ悪いやつだったら考えることもあんのかもしれねえけど。あとは喧嘩の状況にもよるか。たくさんに見られてる前でやる喧嘩。ギャラリーのいない喧嘩。ギャラリーがいると、ちょっと気負ったり、負かし方を考えるかもしんない。
今日は特に考えなかった。勝っても負けても、いやそもそも轟には負けないけど、勝敗はお互いしか知らない。別に言いふらすことでもない。
考えない喧嘩は、気楽で楽しい。普通に殴って避けて蹴って避けられて。どうせ公園でやってるしな、と思ってわざとブランコ蹴って惑わせてみたり、すべり台を逆走してみたり。もちろん置いてるカバンには手は出さない。
追いかけてきた轟に向かって、すべり台から拳を振りかぶって飛ぶ。
ギリ避けられる、から着地して、前へ跳んだ。
俺が後ずさると読んだ轟の顔面に、俺の頭突きが直撃する。
勝った。見えないけど、多分宙に轟の血が舞っている。
「歯ぁ抜けた?鼻折れた?」
口と鼻を片手で覆う轟を、すべり台の上から見下ろす。首を横に振られた。血は出てるけど、口の中と鼻血だけらしい。鼻血のときに上向くのって良くないんだよなって知識と、こっち向けよ、と思う気持ちが同時に湧いてきて居心地が悪い。
「今日さ、定時いないの気になってたの?」
「知るか」
「静かだった?」
「別に」
「あのさあ。別にお前が素直に答えなくたってさあ、明日そのへんの全日に聞きゃあわかるんだからな」
返事の代わりに鼻を拭ってそっぽを向かれた。
「そもそもあんたら定時制だろ、なんで最近昼からいるわけ」
「居心地いいから〜」
学生鞄を掴んで飛び降りる。差し出したら嫌そうな視線をよこされた。まだ鼻血は止まってない。そりゃそうだろう。轟は頑丈だと踏んで手加減しなかった。
「なんかねー定時の空気も全日の空気も、他にはないだろ」
思いあたる節があるのか、轟の眉間のシワが少しだけ緩む。あの個性的なおっきい二人のことを思い出してるんだろうか。
「あとバイトあんま受かんなくて暇だし……おい速攻で幻滅すんな?顔に出てんぞ」
「別に。そもそもあんたにそんな夢見てない」
「夢見てなくてもさー、わざわざ夜に他所で勉強して、昼間は鬼耶高通って、俺らがサボったの気にしてて。しかもこんな時間に喧嘩ふっかけてくんじゃん!あっ寂しいの?」
違う?って言いかけて轟が固まっているのに気づいた。鼻を押さえてるティッシュを持つ手が緩み、その向こうの口元が少しだけ見える。拭いきれていない鼻血で唇はいつもより赤くて、それが少しだけ口角を上げる。ティッシュで押さえきれなかった血が、砂の上に滲んだ。
「違う」
「ッ?!ちょっおい!うっわ汚え!!」
瞬間、こっちに投げられた何かを思わずキャッチして、後悔した。血が滲んだティッシュ。
まだ受け取ってなかった学生鞄が乱暴にもぎ取られ、頬に回し蹴りがきれいに決まった音が鳴る。思わず尻もち。尻もちをついたついでにうっかり拳を握りしめて、血塗れのティッシュもしっかり握る。
「あーー!!クッソ最悪……!」
そう俺が叫んだときには轟の姿はもう見えなくて、公園には俺一人。でも今更どうでもいい。先にあいつの血で汚れた手を洗いたかった。ここが公園じゃなかったらやばかったなあ。水飲み場で限界まで蛇口をひねる。激しい水流に直接手を当てたら、血は四方に飛び散りながらだんだん薄まっていった。
まあ、俺が煽ったからしゃーねえか。
多分こんなやり取りをしても、明日も轟は鬼耶高へ登校する。俺も暇だし、居心地良いからきっとそこに居る。轟は昨日こんなことがあってさ、なんて多分言いふらすことはないだろう。負けてたし。俺だって、轟とはいえリアル高校生を夜中に煽って勝ったのなんか、何の自慢にもならない。しかも最後の最後で完全勝利じゃなくなったし。
「来年は鬼耶高いるときに吹っかけてくんねーかな〜」
水浸しの手を振り回しながら、俺の今年の誕生日は終わった。
