ストレンジ冒険記 紹介





「夢」とは非現実である。

「非現実」とは空想である。

「空想」は実在しない。

実在しないものは必要ない。


はたして、本当にそうだろうか?




ストレンジ冒険記 『導きの夢』






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ルリ「はい、これ!」


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あかり「何、これ」


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ルリ「ラピスラズリの腕輪。あげるって約束してたでしょ」


そんな約束、してたっけ。


あかり「ああ、そうだっけ。ありがと」


まあ、別にどうでもいい。
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私は片手で、その地味な色のアクセサリーを手にとった。

大粒の石が均等に並んでいるだけの、つまらない腕輪だった。

アクセサリーというより、数珠のような見た目だ。

色も不気味で、全然かわいくもなんともない。


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ルリ「これはすごく大事なものだから、なくさないでね。

あと、寝るときは必ず身体から離してね。鏡にも映しちゃだめだよ。

だって、魔女の特別な腕輪なんだから!」


あかり「うん、わかった。……大事にするね」


私は受けとったそれを制服のポケットに、雑につっこんだ。

毎回のことながら、本当にめんどくさい。


ルリ「じゃあね、あかり!むこうに着いたら、また手紙送るからね」


あかり「ありがとう。別に無理しなくていいよ。……じゃあね」


ぶんぶんと大きく手を振るルリを尻目に、私はさっと踵を返した。

これで、二週間はあの子とお別れだ。


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明日からは春休みで、ルリは海外にいってしまう。


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海外に住んでいる、お母さんに会いにいくらしい。

本当にせいせいした。


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もう私は、ルリにはうんざりだった。

あの子にはもう、毎日のようにまとわりつかれていたから。


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私とルリは幼馴染だ。

幼稚園のときから、クラスはずっと一緒。

毎朝学校にいくときも、必ずルリと一緒。

ルリには友達がいない。

だから、片時も私のそばを離れようとしない。


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もう少し普通の子なら別にいい。

でも、ルリはおかしな子だった。

幼稚園の頃からずっと、自分のことを「魔女」だと思いこんでいる。

そして、毎日のように空想の「魔女」の話ばかりをする。


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本当は今すぐにでも離れたい。

だけど、うちの家族とルリの家族は、私が小さい頃から仲がいい。

お母さんの言いつけがあるから、どうしてもルリを放置できない。






いい加減に疲れた。


いつまで、こんな日々が続くんだろう?








↓つづき↓

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