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はじめて見た時、真っ直ぐで、強くて優しい目をしているのが印象的だった。
弓道部の二つ上の優先輩。格好良くて優しい、皆の憧れ。
同性同士だなんて気にならないくらい想いが大きくなるのに、そう時間は掛からなかったと思う―。 -
咲
私、先輩の事が好きです
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優
えっ…
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遅めの入部をしてからまだ三ヶ月。
弓道の事を覚えるよりも先に、部室棟の裏で気持ちを伝えた。 -
咲
女の子同士だからとか、関係ないと思っています
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咲
よかったら、お付き合いしてください…!
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優
あー…ありがとう、気持ちは嬉しい
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優
けど、ごめん。悪いけどそれは一過性のものだと思うから…
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咲
え?
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優
ごめんね、いっしょくたにするのは良くないと思うんだけど
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優
私に告白してくる女の子って、大体が憧れと恋心を取り違えてるから
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咲
そんなことないです、私は本気です
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優
うん、えーっと、皆結構そう言うんだけど
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優
こういうのって、思春期特有のものだと思う…
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咲
どういう…意味でしょう
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優
そのままだよ
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優
私に告白してきたところで、断られたらその後は結構コロッと乗り換えるというか
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優
なんだろう、目が覚めたのかわからないけど
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優
憧れだけだったって謝ってくる子も居たりするんだよね
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咲
そんな…!
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優
悪い事は言わないから、その気持ちを的に向けてほしいな
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優
そのうちこれが憧れだったんだって気付くと思うから
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咲
そんなこと、ないです
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咲
私は…あんまり同性を好きになった経験はないですけど
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咲
でも、これは恋心だって思ってます!
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優
早とちりは良くないよ
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優
まだ私と知り合ってそんなに経ってないでしょ?
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優
それに、もともと女の人が好きだっていう訳じゃないなら
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優
なおさらそんな簡単に判断しない方がいいと思うな
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咲
優先輩…
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気のせいだろうか。
いつもの先輩の強い眼差しとは違い、なんだかとても寂しそうに見えた。
同時に、このまま引き下がってはいけない気がする、と直感で思った。 -
ストーリートークでは
このようにトーク形式の小説が書けます。 -
サンプルはここまでです。
続きが気になる場合は、
「POCH」でお楽しみください。
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