お前の好きなところ -Side M-
「……お前は、私のどこを好きになったんだ?」
情交後の気怠い体を寄せ合いながら、カミューがマイクロトフに尋ねた。唐突だなと思ったが、問われた以上は答えねばならない。マイクロトフは少し考えた後、カミューを見つめながら答える。
「全部だ」
「もっと詳しく」
「お前な……こういう時だけ、やけに欲張りだな」
「こういう時だからこそ、さ。服を着ている時は、騎士としてしゃんとしていなければならない。だが今はお前も私も素っ裸で、恋人同士として抱き合っている。ピロートークは、愛情を深めるためにもいいんだぞ」
「……」
――これはきちんと答えるまで離してもらえないやつだ。覚悟を決めたマイクロトフは、正直に列挙することにする。
「分かった。では……まず、この髪の色合いと柔らかな手触りが好きだ」
「うん」
赤茶色の髪をさらりと撫でると、カミューが気持ち良さそうに目を細める。
「加えて光の加減によっては赤くも見える、どこか神秘的な色合いの瞳も好きだ」
「うん」
瞼に口付けすると、腕の中の恋人がくすぐったそうに笑う。
「もちろん中身もだ。いつも俺を支えてくれて、傍 に居てくれる。申し訳なく思うと同時に、感謝している」
「うん」
「あとは……賢く器用なところだな。俺は考えるより先に体が動く上に不器用だから、お前の存在が不可欠だ。お前がいなかったら、俺はどこかでとっくに命を落としていたかもしれない」
「そうだな。そこはお前の欠点だ」
「……」
「っと、話が逸れたな。他には?」
「まだ言うのか」
「もう無いのか?」
むう、とわずかに尖らせた唇を指で突 かれて、いっそこうなったらと、マイクロトフは攻勢に出ることにした。火を付けたのは、カミューだ。
己 より細身でしなやかな体を抱き寄せ、マイクロトフは、カミューの耳元で低く囁く。
「……滑らかな肌に、適度に筋肉のついたしなやかな体。すらりと伸びた細く長い脚と、この腰から尻にかけての絶妙なライン。それから――」
「~~っ!」
「意外と感じやすくて、特にこうして耳元で囁かれるのが弱いところ。……まだ聞きたいか?」
「……もう充分だ。このむっつりスケベめ……」
耳まで真っ赤になって胸に顔を押し付けてくるカミューへ、マイクロトフは「俺は訊 かれたことに正直に答えただけだが」と真顔で呟く。なるほど、確かに「ピロートーク」なるものも悪くはない。いついかなる時も冷静沈着なカミューの、こういった一面が見られるのだから。
「……何を笑っているんだ」
「いや……こういう時のお前は途轍もなく可愛らしいな、と」
「……」
愛おしそうに目を細めて微笑むマイクロトフの逞しい腕の中で、カミューは己の完全敗北を悟ったのだった。
情交後の気怠い体を寄せ合いながら、カミューがマイクロトフに尋ねた。唐突だなと思ったが、問われた以上は答えねばならない。マイクロトフは少し考えた後、カミューを見つめながら答える。
「全部だ」
「もっと詳しく」
「お前な……こういう時だけ、やけに欲張りだな」
「こういう時だからこそ、さ。服を着ている時は、騎士としてしゃんとしていなければならない。だが今はお前も私も素っ裸で、恋人同士として抱き合っている。ピロートークは、愛情を深めるためにもいいんだぞ」
「……」
――これはきちんと答えるまで離してもらえないやつだ。覚悟を決めたマイクロトフは、正直に列挙することにする。
「分かった。では……まず、この髪の色合いと柔らかな手触りが好きだ」
「うん」
赤茶色の髪をさらりと撫でると、カミューが気持ち良さそうに目を細める。
「加えて光の加減によっては赤くも見える、どこか神秘的な色合いの瞳も好きだ」
「うん」
瞼に口付けすると、腕の中の恋人がくすぐったそうに笑う。
「もちろん中身もだ。いつも俺を支えてくれて、
「うん」
「あとは……賢く器用なところだな。俺は考えるより先に体が動く上に不器用だから、お前の存在が不可欠だ。お前がいなかったら、俺はどこかでとっくに命を落としていたかもしれない」
「そうだな。そこはお前の欠点だ」
「……」
「っと、話が逸れたな。他には?」
「まだ言うのか」
「もう無いのか?」
むう、とわずかに尖らせた唇を指で
「……滑らかな肌に、適度に筋肉のついたしなやかな体。すらりと伸びた細く長い脚と、この腰から尻にかけての絶妙なライン。それから――」
「~~っ!」
「意外と感じやすくて、特にこうして耳元で囁かれるのが弱いところ。……まだ聞きたいか?」
「……もう充分だ。このむっつりスケベめ……」
耳まで真っ赤になって胸に顔を押し付けてくるカミューへ、マイクロトフは「俺は
「……何を笑っているんだ」
「いや……こういう時のお前は途轍もなく可愛らしいな、と」
「……」
愛おしそうに目を細めて微笑むマイクロトフの逞しい腕の中で、カミューは己の完全敗北を悟ったのだった。
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