須々木先輩と会長の恐怖の夜

  • 夜の生徒会室――。
    八千草と須々木が、居残って仕事をしていた。

  • 須々木

    ぼく、当番は決めた方がええと思うねん。いっつも気を尖らしてるわけに、いかんしさ。

  • 八千草

    そのうえで、各自フレキシブルに動ければ文句ないすよね。

  • 警備体制についての、白熱した議論をくりひろげているようだ。

  • 二時間後……
  • 須々木

    なんや、もう九時やんけ。えらい熱中してしもたなー。

  • 八千草

    本当ですね。そろそろ出ますか? 本当は、もうちょい詰めたいとこすけど……

  • 須々木

    ほな、ぼくの部屋で続きしよか! 適当なもんで、晩飯すませがてら。

  • 八千草

    お、良いですね!
    じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔しますよ。

  • 須々木

    言うとくけど、大したお構いはでけへんからな~(笑)

  • 生徒会室を出た二人は、雑談しながら紫雲館に向かう。

  • そこで、恐怖が待ち受けるとは知らず――。

  • 須々木

    いやあ、くたびれた。部屋見たらほっとするわ。

  • 八千草

    はは、麗しのホームってやつですね!
    にしても、先輩の部屋、久しぶりだから楽しみだな。

  • 須々木

    なんも変わってへんけどな(笑)
    模様替えとかもしてへんし、散らかっとるくらいで……

  • 笑いながら、ドアを開ける須々木。
    部屋の中を見た瞬間、勢いよくドアを叩き閉める。

  • 須々木

    ……

  • 八千草

    ……

  • 須々木

    …………

  • 八千草

    …………先輩、今のって。

  • 須々木

    言うな!
    何も言うな!

  • 顔面蒼白の須々木、がばりと頭を抱える。
    ……部屋の中にあったものが、八千草にも見えていたと知り、現実と思い知っているのである。

  • 八千草

    すっげえ……でっかいプレゼントボックス。

  • 八千草

    海外のサプライズでよく見る奴見てえな……。

  • 須々木

    や、やめてくれ……

  • 八千草

    そおいや、松代が数日前に、通販サイトを見てた気が……

  • 須々木

    ぐああああ~~~~~!

  • 須々木が廊下に膝をつく。
    血を吐かんばかりの叫びに、八千草も慌てて跪く。

  • 八千草

    須々木先輩! 大丈夫っすか?

  • 須々木

    だ、大丈夫ちゃう……!
    救急車呼んでくれ!

  • 八千草

    そんなに辛いんですか……!
    応急処置に治癒魔法は要りますッ?

  • 須々木

    ぼ、ぼくと違う!

  • 須々木

    あ、あのアホに……松代のドアホに、救急車を呼んでくれ!

  • 須々木の美少女めいた顔が羅刹のように変化している。
    八千草は思わず、ひゅうと口笛を吹いた。

  • 八千草

    松代の奴、箱になるとはなー。
    相変わらず、情熱的なヤツ♪

  • 須々木

    それで済むかあ!
    ぼくに課せられた業、重すぎるやろッ。

  • 頭を抱え、唸る須々木。

  • 須々木

    あーもう、どないしよ。
    誠之助のとこ行こかな……

  • 八千草

    普通に、部屋に戻ったらいいじゃないすか?

  • 須々木

    いやや~~。
    いやすぎる!

  • 須々木

    「りょーさん、がばーっ!プレゼントやで♡」とか言うて抱きついてくるやん!!!!

  • 須々木

    見ろ!!!
    考えただけで、サブいぼが!!!!

  • 八千草

    ほーん。

  • 八千草、解像度の高さを突っ込んだら悪いかな、と思って黙る。

  • 須々木

    八千草!
    頼むから一緒に入ってくれ。

  • 八千草

    えっ?

  • 須々木

    ぼく一人では荷が重い。
    今度おごるから、マジで頼むわ……!

  • 八千草

    そうすか?
    全然いいですよ。

  • 八千草、けろっと了承。いいやつなのである。

  • 須々木

    よし……ほな。

  • ドアノブを掴み、深呼吸する須々木。
    魔力中枢に魔力も巡らせる。不意を打たれないように、防衛体勢になってるのだ。

  • 須々木

    ――行くで。

  • がちゃ、と戸を開ける。

  • 続く……?

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