クリスマスの内緒話
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―祢々斬とX'mas―
★touch me
ちょうど週末に重なった、今年のクリスマス.イヴ。
駅の改札を出ると、腕組みをした祢々斬が目に入った。
小走りで近寄ると、軽く微笑んで私を迎えてくれた。
と……再会の喜びにひたる間もなく、彼は私の肩から旅行バッグを奪い取るように持つと、
「行くぞ」
と一言だけ言ってスタスタと歩き出した。
私は、慌てて彼の背中を追いかける。
ん~……
なんか……なんだかね……
素っ気ない祢々斬の態度に、不満に似た気持ちが頭をもたげる。
……別にさ、人目もはばからずに、キスしたり抱きしめたりしてほしい訳じゃない。
でも……こんなに久しぶりなんだから……
軽く頭を撫でるとか
肩をポンってたたくとか
ちょっとくらいは、触れてくれたっていいのに。
口をへの字にしたまま、黙って彼の後をついて歩く。
駅周辺の賑やかな街並みを通り抜け、頬を刺す冷たい空気の中、私達は祢々斬の部屋に着いた。
「荷物、ここに置くぞ」
「あ、ありがとう……」
私は、肩からショルダーバッグを外しながら、旅行カバンの脇にペタンと座った。
エアコンの温度を調節していた祢々斬が、こちらを向く。
「何か温かいものでも飲むか?」
「私はいいけど……祢々斬、駅で待ってる間に冷えちゃった?コーヒーでもいれようか?」
立ち上がってキッチンに向かった私を、歩み寄ってきた祢々斬が、フワッと抱きしめた。
「……こうしてる方が早くあたたまる」
彼は、まだ冷たい指先で、私の頬に触れる。
「瑠璃、やっと会えたな」
「……祢々斬って……ベタベタするのが、実は好きじゃないのかなって、歩きながらずっと思ってたよ……」
祢々斬は私の頭を抱え、彼の表情が見えないようにして言う。
「瑠璃に触れたくて仕方ないのを、外では我慢してるんだ。二人でいる時は、思う存分触れたいに決まってるだろ」
「……私は、祢々斬に触るのも、触られるのも、大好きだよ」
私をギュッと抱きしめ直して、祢々斬がつぶやく。
「今日は、手を伸ばせば届くところに瑠璃がいるんだな」
「うんっ!……祢々斬もね」
顔を見合わせ、私達は微笑み合った。
夕食を済ませ、イヴの夜がゆっくり更けてゆく。
特別番組がクリスマスムードを盛り上げていたテレビを消し、二人でベッドに潜り込む。
離れていた時間を取り戻すかのように、いっぱいいっぱい、触れ合って抱きしめ合う。
窓際に寄せられたベッドで、祢々斬のぬくもりを身体中で感じながら、ふと外に目をやる。
わずかなカーテンの隙間から、何かが静かに舞っているのが見えた。
「あ……雪!祢々斬、見て!雪が降ってる」
思わず体を起こした私は祢々斬を振り返り、慌てて窓を開ける。
ひんやりとした空気が、一気に部屋の中に流れ込んでくる。
「おい、そんなに乗り出すな」
「ひゃっ」
後ろから引き寄せられ、抱き止められる。
「外から見えるだろ」
「大丈夫だよ、ここ二階だし」
「誰かが空から見てるかもしれないぞ。サンタクロースとか」
「ふふふ、祢々斬ってば……」
背中から抱きしめる腕の力を強めると、彼は、唇を私の耳元に寄せた。
「おまえのそんな姿、見ていいのも触れていいのも、俺だけだ」
「うん……」
私は、祢々斬の手を、そっと両手で包み込んだ。
そのまま二人でベッドに倒れ込み、瞳を合わせて互いに微笑む。
眠りにつくまで、ずっとずっと触れ合って、愛し合って。
祢々斬の背中に回した私の左手の薬指には、銀色の指輪が輝いていた。
*
★touch me
ちょうど週末に重なった、今年のクリスマス.イヴ。
駅の改札を出ると、腕組みをした祢々斬が目に入った。
小走りで近寄ると、軽く微笑んで私を迎えてくれた。
と……再会の喜びにひたる間もなく、彼は私の肩から旅行バッグを奪い取るように持つと、
「行くぞ」
と一言だけ言ってスタスタと歩き出した。
私は、慌てて彼の背中を追いかける。
ん~……
なんか……なんだかね……
素っ気ない祢々斬の態度に、不満に似た気持ちが頭をもたげる。
……別にさ、人目もはばからずに、キスしたり抱きしめたりしてほしい訳じゃない。
でも……こんなに久しぶりなんだから……
軽く頭を撫でるとか
肩をポンってたたくとか
ちょっとくらいは、触れてくれたっていいのに。
口をへの字にしたまま、黙って彼の後をついて歩く。
駅周辺の賑やかな街並みを通り抜け、頬を刺す冷たい空気の中、私達は祢々斬の部屋に着いた。
「荷物、ここに置くぞ」
「あ、ありがとう……」
私は、肩からショルダーバッグを外しながら、旅行カバンの脇にペタンと座った。
エアコンの温度を調節していた祢々斬が、こちらを向く。
「何か温かいものでも飲むか?」
「私はいいけど……祢々斬、駅で待ってる間に冷えちゃった?コーヒーでもいれようか?」
立ち上がってキッチンに向かった私を、歩み寄ってきた祢々斬が、フワッと抱きしめた。
「……こうしてる方が早くあたたまる」
彼は、まだ冷たい指先で、私の頬に触れる。
「瑠璃、やっと会えたな」
「……祢々斬って……ベタベタするのが、実は好きじゃないのかなって、歩きながらずっと思ってたよ……」
祢々斬は私の頭を抱え、彼の表情が見えないようにして言う。
「瑠璃に触れたくて仕方ないのを、外では我慢してるんだ。二人でいる時は、思う存分触れたいに決まってるだろ」
「……私は、祢々斬に触るのも、触られるのも、大好きだよ」
私をギュッと抱きしめ直して、祢々斬がつぶやく。
「今日は、手を伸ばせば届くところに瑠璃がいるんだな」
「うんっ!……祢々斬もね」
顔を見合わせ、私達は微笑み合った。
夕食を済ませ、イヴの夜がゆっくり更けてゆく。
特別番組がクリスマスムードを盛り上げていたテレビを消し、二人でベッドに潜り込む。
離れていた時間を取り戻すかのように、いっぱいいっぱい、触れ合って抱きしめ合う。
窓際に寄せられたベッドで、祢々斬のぬくもりを身体中で感じながら、ふと外に目をやる。
わずかなカーテンの隙間から、何かが静かに舞っているのが見えた。
「あ……雪!祢々斬、見て!雪が降ってる」
思わず体を起こした私は祢々斬を振り返り、慌てて窓を開ける。
ひんやりとした空気が、一気に部屋の中に流れ込んでくる。
「おい、そんなに乗り出すな」
「ひゃっ」
後ろから引き寄せられ、抱き止められる。
「外から見えるだろ」
「大丈夫だよ、ここ二階だし」
「誰かが空から見てるかもしれないぞ。サンタクロースとか」
「ふふふ、祢々斬ってば……」
背中から抱きしめる腕の力を強めると、彼は、唇を私の耳元に寄せた。
「おまえのそんな姿、見ていいのも触れていいのも、俺だけだ」
「うん……」
私は、祢々斬の手を、そっと両手で包み込んだ。
そのまま二人でベッドに倒れ込み、瞳を合わせて互いに微笑む。
眠りにつくまで、ずっとずっと触れ合って、愛し合って。
祢々斬の背中に回した私の左手の薬指には、銀色の指輪が輝いていた。
*