クリスマスの内緒話
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―竜尊とX'mas―
★スペシャルデザート
クリスマスイヴ。
どこもかしこも楽しげな空気が漂い、誰もが浮かれている――
なんて言うと、いかにも負け犬の遠吠えみたいだ。
でもね、みんながみんな、甘く雰囲気たっぷりの空気に浸れる訳じゃない。
大人には、大人の都合ってものがあるんだから、仕方ない。
「仕事より私を優先して」なんて、言いたくないし、言うつもりもないから……
私は、道行く幸せそうな恋人達を横目で眺めながら、ひとつため息をついた。
ほどなく、待ち人が現れた。
「瑠璃、悪かった、待たせたな」
「竜尊!」
いいの。
華やかなイルミネーションなんかなくても、
ドレスアップして豪華なディナーなんか食べなくても。
こうして二人でいられるだけで、私にとっては最高のクリスマスなんだから。
竜尊と並んで、にぎわう繁華街を歩く。
と、一軒のラーメン屋の前で、二人とも足が止まった。
私は、ちらりと彼を見上げる。
「イヴにラーメンってのも、なかなか乙なものだよね」
「ああ、今俺も、同じことを思った」
竜尊がニッと笑って答えた。
「クリスマスっぽい、キラキラしたスウィーツなんかはないが……いいか?」
「あはは、今は、けっこうしっかり食べたい気分だから、甘いのはいいよ。あ、もしかして竜尊、ケーキ食べたかった?」
「いや、デザートには、帰ってからおまえをいただくことにする」
私は、どんな顔をしたらいいのか分からなくなって、下を向いてしまう。
「もうっ……人通りのある所で、変なこと言わないでよね……」
「顔が赤いぞ。一体、何を想像したんだ?」
「なっ……」
思わずキッと竜尊をにらんだら、可笑しそうに微笑む彼の顔が目に入った。
「な~んにも!竜尊が思うようなことなんか、これっぽっちも想像してませんよ~!」
「はは、おもしろいこと言うな。『俺が想像するようなこと』なんて言ってる時点で、それをおまえが考えてるってことだろ?」
はぁ……竜尊と議論したってかなわないな。
それより、おなかすいちゃった。
「はいはい、とにかく入ろ」
私は、先に立ってラーメン屋さんのドアを開けた。
恋人同士でいるのは私達だけだったが、店内は家族連れや友達同士で、わりと賑わっていた。
クリスマスイブの特別サービスとして、星形のチョコが飾られたアイスクリームが、食後のテーブルに運ばれてきた。
「わあ、嬉しい~!クリスマスのデザートだ♪竜尊、よかったね。これで、おうちに帰ってからのデザートは、いらないね」
「これはこれ、それはそれだ。おまえは、スペシャルなデザートだからな」
竜尊ってば……
こんな台詞を、まるで息をするかのように当たり前に言うんだから……
冷たいアイスクリームを口に運びながらも、私の頬は熱くなってしまった。
二人で竜尊の部屋に帰る。
まだ暖まりきらない室内で、ひと息つく……間もなく、ソファに押し倒された。
「ちょっと、竜尊!まだ帰って来たばっかりなのに……」
身を翻そうとするが、肩を押さえつけられて動けない。
そんな私を見下ろしながら、竜尊がにっこりと笑う。
「デザートが、まだだったからな」
「や……ちょっと待っ……っあっ!!」
「もう待てないんじゃないのか?」
「なっ……ばっ、バカ!……あぁんっ……」
「俺は、おまえをそんないやらしい子に育てた覚えはないんだがなぁ」
竜尊が余裕の笑みを浮かべながら私の鼻先に顔を近づける。
「りゅ……竜尊が悪いんでしょっ……もう、やだ、嫌いっ!!」
「ほぉ~、そんなこと言っていいのかな」
「~~!!!」
まったく、竜尊にはかなわない……
でも、私を思いっきり愛してくれる彼のことが、やっぱり大好き――
すっかり部屋の温度が上がる頃まで、私達は半裸のままソファの上でじゃれ合っていた。
*
★スペシャルデザート
クリスマスイヴ。
どこもかしこも楽しげな空気が漂い、誰もが浮かれている――
なんて言うと、いかにも負け犬の遠吠えみたいだ。
でもね、みんながみんな、甘く雰囲気たっぷりの空気に浸れる訳じゃない。
大人には、大人の都合ってものがあるんだから、仕方ない。
「仕事より私を優先して」なんて、言いたくないし、言うつもりもないから……
私は、道行く幸せそうな恋人達を横目で眺めながら、ひとつため息をついた。
ほどなく、待ち人が現れた。
「瑠璃、悪かった、待たせたな」
「竜尊!」
いいの。
華やかなイルミネーションなんかなくても、
ドレスアップして豪華なディナーなんか食べなくても。
こうして二人でいられるだけで、私にとっては最高のクリスマスなんだから。
竜尊と並んで、にぎわう繁華街を歩く。
と、一軒のラーメン屋の前で、二人とも足が止まった。
私は、ちらりと彼を見上げる。
「イヴにラーメンってのも、なかなか乙なものだよね」
「ああ、今俺も、同じことを思った」
竜尊がニッと笑って答えた。
「クリスマスっぽい、キラキラしたスウィーツなんかはないが……いいか?」
「あはは、今は、けっこうしっかり食べたい気分だから、甘いのはいいよ。あ、もしかして竜尊、ケーキ食べたかった?」
「いや、デザートには、帰ってからおまえをいただくことにする」
私は、どんな顔をしたらいいのか分からなくなって、下を向いてしまう。
「もうっ……人通りのある所で、変なこと言わないでよね……」
「顔が赤いぞ。一体、何を想像したんだ?」
「なっ……」
思わずキッと竜尊をにらんだら、可笑しそうに微笑む彼の顔が目に入った。
「な~んにも!竜尊が思うようなことなんか、これっぽっちも想像してませんよ~!」
「はは、おもしろいこと言うな。『俺が想像するようなこと』なんて言ってる時点で、それをおまえが考えてるってことだろ?」
はぁ……竜尊と議論したってかなわないな。
それより、おなかすいちゃった。
「はいはい、とにかく入ろ」
私は、先に立ってラーメン屋さんのドアを開けた。
恋人同士でいるのは私達だけだったが、店内は家族連れや友達同士で、わりと賑わっていた。
クリスマスイブの特別サービスとして、星形のチョコが飾られたアイスクリームが、食後のテーブルに運ばれてきた。
「わあ、嬉しい~!クリスマスのデザートだ♪竜尊、よかったね。これで、おうちに帰ってからのデザートは、いらないね」
「これはこれ、それはそれだ。おまえは、スペシャルなデザートだからな」
竜尊ってば……
こんな台詞を、まるで息をするかのように当たり前に言うんだから……
冷たいアイスクリームを口に運びながらも、私の頬は熱くなってしまった。
二人で竜尊の部屋に帰る。
まだ暖まりきらない室内で、ひと息つく……間もなく、ソファに押し倒された。
「ちょっと、竜尊!まだ帰って来たばっかりなのに……」
身を翻そうとするが、肩を押さえつけられて動けない。
そんな私を見下ろしながら、竜尊がにっこりと笑う。
「デザートが、まだだったからな」
「や……ちょっと待っ……っあっ!!」
「もう待てないんじゃないのか?」
「なっ……ばっ、バカ!……あぁんっ……」
「俺は、おまえをそんないやらしい子に育てた覚えはないんだがなぁ」
竜尊が余裕の笑みを浮かべながら私の鼻先に顔を近づける。
「りゅ……竜尊が悪いんでしょっ……もう、やだ、嫌いっ!!」
「ほぉ~、そんなこと言っていいのかな」
「~~!!!」
まったく、竜尊にはかなわない……
でも、私を思いっきり愛してくれる彼のことが、やっぱり大好き――
すっかり部屋の温度が上がる頃まで、私達は半裸のままソファの上でじゃれ合っていた。
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