ハッピー・バレンタイン
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翠玉の森へ……の巻
「玖々廼馳ー!いるー!?」
翠玉の森を歩きながら、私は玖々廼馳を探した。
「……お姉ちゃん!」
「あ、玖々廼馳!これね、前に話した、バレンタインの贈り物」
「これを僕に……?嬉しいです」
渡した包みを、大事そうに抱える玖々廼馳。
「ありがとうございます」
「玖々廼馳に喜んでもらえたら、私の方が嬉しいよ。それからね、玖々廼馳には、これとは別に、何か贈り物したいなって思ってるんだけど……何か、ほしいものある?」
「なんでもいいんですか?」
「うん、いいよ」
玖々廼馳なら、竜尊みたいな無茶は言わないよね……そう思いながら答えた。
「それじゃあ、僕、これがほしいです」
玖々廼馳は、私が髪を束ねていた、小花模様のシュシュをスルリとはずした。
解き放たれた私の髪が、風にそよぐ。
「え、そんなのでいいの?もっとわがまま言ってもいいんだよ?」
「いえ……お姉ちゃんにもらったものなら、何だって僕には宝物なんです」
まっすぐに私の目を見て、言葉を紡ぎ出す玖々廼馳に、いとおしさが募る。
「玖々廼馳……「あ、でも」」
玖々廼馳の頬が、心なしか赤いように感じる。
「わがまま言っても、本当にいいんですか……?」
「いいよ。たまには、私を困らせるくらいのこと、言っていいんだよ」
私は、玖々廼馳の頭を撫でた。
玖々廼馳は、決心したように息をのむと、頭を撫でている私の手首をやさしくつかみ、そして、私に口付けた。
玖々廼馳の、あまりにも突然で思い切った行動に、私の方がうろたえてしまった。
「え……あ……玖々廼馳……?」
「ごめんなさい……」
真っ赤になって俯く玖々廼馳の背中に手を回し、私は、この可愛い鬼をそっと抱き締める。
「謝ることなんてない……玖々廼馳、ありがとう」
「お姉ちゃん……」
いつか、彼の背が私を追い越し、男の子から男に変わっていくのだろう。
それまでは、こんなほのぼのとした空気を、二人で過ごしていたい……そう思えたバレンタインデーだった。
*
「玖々廼馳ー!いるー!?」
翠玉の森を歩きながら、私は玖々廼馳を探した。
「……お姉ちゃん!」
「あ、玖々廼馳!これね、前に話した、バレンタインの贈り物」
「これを僕に……?嬉しいです」
渡した包みを、大事そうに抱える玖々廼馳。
「ありがとうございます」
「玖々廼馳に喜んでもらえたら、私の方が嬉しいよ。それからね、玖々廼馳には、これとは別に、何か贈り物したいなって思ってるんだけど……何か、ほしいものある?」
「なんでもいいんですか?」
「うん、いいよ」
玖々廼馳なら、竜尊みたいな無茶は言わないよね……そう思いながら答えた。
「それじゃあ、僕、これがほしいです」
玖々廼馳は、私が髪を束ねていた、小花模様のシュシュをスルリとはずした。
解き放たれた私の髪が、風にそよぐ。
「え、そんなのでいいの?もっとわがまま言ってもいいんだよ?」
「いえ……お姉ちゃんにもらったものなら、何だって僕には宝物なんです」
まっすぐに私の目を見て、言葉を紡ぎ出す玖々廼馳に、いとおしさが募る。
「玖々廼馳……「あ、でも」」
玖々廼馳の頬が、心なしか赤いように感じる。
「わがまま言っても、本当にいいんですか……?」
「いいよ。たまには、私を困らせるくらいのこと、言っていいんだよ」
私は、玖々廼馳の頭を撫でた。
玖々廼馳は、決心したように息をのむと、頭を撫でている私の手首をやさしくつかみ、そして、私に口付けた。
玖々廼馳の、あまりにも突然で思い切った行動に、私の方がうろたえてしまった。
「え……あ……玖々廼馳……?」
「ごめんなさい……」
真っ赤になって俯く玖々廼馳の背中に手を回し、私は、この可愛い鬼をそっと抱き締める。
「謝ることなんてない……玖々廼馳、ありがとう」
「お姉ちゃん……」
いつか、彼の背が私を追い越し、男の子から男に変わっていくのだろう。
それまでは、こんなほのぼのとした空気を、二人で過ごしていたい……そう思えたバレンタインデーだった。
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