ハッピー・バレンタイン
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蒼玉の湖へ……の巻
みんなにプレゼントを渡し終え、私は無月の待つ蒼玉の湖へ向かった。
「無月、お待たせ!」
「瑠璃……ふふ、そなたが現れると、この寒々とした場所に、まるで花が咲いたように感じられる」
こんな気恥ずかしい言葉も、無月の口からこぼれると、美しい詩のように聞こえるから、不思議だ。
「無月、これ、お菓子屋さんに教えてもらいながら、作ったの。美味しいといいんだけど……」
「開けてみてもいいか?」
私は、ドキドキしながらうなづいた。
包みを開いた無月の表情が、パァっと明るくなる。
「これをそなたが?素晴らしい出来ばえだ。では、後でありがたくいただくとしよう」
「あ、あとね」
首をかしげる無月の目を見ながら、私は続ける。
「特別な、無月だけの贈り物をしたいの」
「特別な贈り物?」
「うん……。お菓子は、みんなにも同じのをあげたから。無月、何かほしいものある?」
「そなたからの贈り物か……」
しばし思案した後で、無月が言った。
「ならば、文をもらえぬか?」
「ふみ……ってことは、手紙だよね」
「そうだな」
「え、そんなのでいいの?」
「我は、"特別な贈り物をしたい"と思ってくれる、そなたの気持ちだけでも、充分に嬉しいのだ」
「わかった。お手紙書いてくるね。私の気持ちをたくさんこめて……」
「ああ。楽しみにしている」
無月は、私の頭をやさしく撫でた。
「そなたに会えない日には、その手紙の言の葉を、そなたの声と思って読み返そう」
ありがとう、無月。贈り物をしたはずの私の方が、無月から、幸せな気持ちを贈られたような気がするよ……。
そんな素敵なバレンタインだった。
*
みんなにプレゼントを渡し終え、私は無月の待つ蒼玉の湖へ向かった。
「無月、お待たせ!」
「瑠璃……ふふ、そなたが現れると、この寒々とした場所に、まるで花が咲いたように感じられる」
こんな気恥ずかしい言葉も、無月の口からこぼれると、美しい詩のように聞こえるから、不思議だ。
「無月、これ、お菓子屋さんに教えてもらいながら、作ったの。美味しいといいんだけど……」
「開けてみてもいいか?」
私は、ドキドキしながらうなづいた。
包みを開いた無月の表情が、パァっと明るくなる。
「これをそなたが?素晴らしい出来ばえだ。では、後でありがたくいただくとしよう」
「あ、あとね」
首をかしげる無月の目を見ながら、私は続ける。
「特別な、無月だけの贈り物をしたいの」
「特別な贈り物?」
「うん……。お菓子は、みんなにも同じのをあげたから。無月、何かほしいものある?」
「そなたからの贈り物か……」
しばし思案した後で、無月が言った。
「ならば、文をもらえぬか?」
「ふみ……ってことは、手紙だよね」
「そうだな」
「え、そんなのでいいの?」
「我は、"特別な贈り物をしたい"と思ってくれる、そなたの気持ちだけでも、充分に嬉しいのだ」
「わかった。お手紙書いてくるね。私の気持ちをたくさんこめて……」
「ああ。楽しみにしている」
無月は、私の頭をやさしく撫でた。
「そなたに会えない日には、その手紙の言の葉を、そなたの声と思って読み返そう」
ありがとう、無月。贈り物をしたはずの私の方が、無月から、幸せな気持ちを贈られたような気がするよ……。
そんな素敵なバレンタインだった。
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