にぎやかな休日
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今日は月讀さんが出かけているため、私には久しぶりの休日。
寝間着のままいつもよりゆっくりの朝食をとり、部屋に戻って背伸びをする。
さてと……今日は魁童と遊びに行く約束をしているから、そろそろ支度しようかな……
私は寝間着を脱ぎ捨てると、肌着に手を伸ばした。
ドタドタドタドタ……
もしや、あの足音は!?
まずいっと思った時には、襖がパーンッと開け放たれていた。
「よおっ!!来た……ぜ……」
輝くような魁童の笑顔が一瞬にして固まったかと思うと、みるみる赤くなり、そのひきつった笑顔のままで、またスルスルと襖を閉めていく。
「きゃああぁーーっ!!」
「はるかー!何事じゃっ……っとっなんじゃ!
魁童っ!……こりゃーーっ!!」
何事だろう?
私は襖の外の物音に神経を集中させる。
「屋敷を汚すでないっ……わしが月讀に怒られるではないかっ 」
「わりぃ……」
久遠が慌てふためき、魁童が小さく謝っている声が聞こえる。
私は急いで着替えを済ませたものの、気恥ずかしくて出るに出られず、そっと向こうの様子をうかがう。
「これで大丈夫じゃろ」
「ああ……悪かったな」
魁童が、やけに神妙な声で続ける。
「なあ、子狐。おまえ、はるかと一緒に住んでるんだろ?……ってことはだな……その……あいつの裸見たりとか……することあんのか?」
「な……なんじゃと?そのようなことあるわけ……!?
もしや、お主のその鼻血の原因は……」
「わ、わざとじゃねえよっ」
そうか。
魁童は、私のあの格好を見て鼻血を噴いたのか……
納得しながら、私はなおも耳をそばだてる。
「……しかし、あやつにも男を見る目があった、ということじゃな」
「は?どういう意味だよ?」
「考えてもみるのじゃ。魁童、お主だったからよかったようなものの、これが竜尊だったら……」
二人が同時にため息をつく音が聞こえた。
「竜尊だったら……間違いなくあのまま部屋に入って、襖につっかえ棒かまして、子狐に邪魔されないようにした上で……」
「ああ。間違いなくはるかは、やつの餌食になっておったじゃろ」
いやいや、いくら竜尊でも、そんな犯罪まがいのことはしないと思いますが……
「ところで、はるかはどうしてるのじゃ?」
「そういえば、やけに静かだな」
「もしや……お主に裸を見られたことを苦にして……」
「な……なんだよ……」
「はるかはああ見えて、純情な恥ずかしがりやさんじゃからな……男に裸なぞ見られたら……」
「だからっ!その先はなんだって聞いてんだっ!そもそも、裸なんて見たって減るもんじゃなし……」
全く……黙って聞いていれば……!!
「はだかはだかって、うるさーいっ!!!」
これ以上じっとしていることが我慢出来ず、私は勢いよく襖を開けた。
「はるかっ!無事じゃったのか!?」
「無事に決まってるでしょ!?なんで、魁童に裸見られたくらいで、この世の終わりみたいに心配されなきゃいけないの?」
心配してくれている久遠には悪いが、私は思いきり喚き散らした。
「おまえって……さすがだなぁ」
魁童が、感心したように呟く。
「は!?何が?」
私は、喚いた勢いのまま魁童を睨み付ける。
そんなことにはお構い無しで、魁童は私に問いかける。
「異界の女ってのは、みんなそんなふうに肝が据わってんのか?」
……予想外の反応と言葉に、私の思考回路が止まる。
ほめられてるのか、けなされてるのか……
多分……魁童としては、女のくせに細かいことにこだわらない私に、素直に感心しているのだろう。
私は大きく息を吐くと、とびきりの笑顔を作ってみせた。
「さ、魁童!支度できたから遊びに行こっ!!」
「ああ、そうこなくっちゃ」
魁童も、いつもどおりの眩しい笑顔を私に向けてくれたが、一瞬真顔になる。
「あのさ……はるか」
「ん?どうしたの?」
「驚いて目をそらしちまったから……実際のところは、ほとんど見てねえからな……んじゃ、行こうぜっ!」
ちょっぴり頬を赤らめてそれだけ言うと、魁童は廊下を駆け出した。
「こりゃ~~っ!屋敷の中を走るでないっ!!!」
「ごめん、久遠。行って来るね」
鏡の前で急いで身だしなみを整えると、私は魁童を追った。
「はるかまでっ!走るでないと言っておるのに……」
久遠の叫び声を後ろに聞きながら、私は玄関先で待っていた魁童の腕に抱きつく。
「おっ……おいっ!?」
「ふふっ、なあに?」
「……何でもねえっおら、行くぞっ!」
真っ赤な顔の魁童を見上げてうなずくと、私はさらに強く魁童にしがみついた。
一日の始まりは騒がしくにぎやかだったけれど、君と一緒なら……とっても素敵な日になるはず。
これからも、いろんなハプニングがあるだろうけれど、ずっとずっと、二人でいようね。
ね、魁童。
*
寝間着のままいつもよりゆっくりの朝食をとり、部屋に戻って背伸びをする。
さてと……今日は魁童と遊びに行く約束をしているから、そろそろ支度しようかな……
私は寝間着を脱ぎ捨てると、肌着に手を伸ばした。
ドタドタドタドタ……
もしや、あの足音は!?
まずいっと思った時には、襖がパーンッと開け放たれていた。
「よおっ!!来た……ぜ……」
輝くような魁童の笑顔が一瞬にして固まったかと思うと、みるみる赤くなり、そのひきつった笑顔のままで、またスルスルと襖を閉めていく。
「きゃああぁーーっ!!」
「はるかー!何事じゃっ……っとっなんじゃ!
魁童っ!……こりゃーーっ!!」
何事だろう?
私は襖の外の物音に神経を集中させる。
「屋敷を汚すでないっ……わしが月讀に怒られるではないかっ 」
「わりぃ……」
久遠が慌てふためき、魁童が小さく謝っている声が聞こえる。
私は急いで着替えを済ませたものの、気恥ずかしくて出るに出られず、そっと向こうの様子をうかがう。
「これで大丈夫じゃろ」
「ああ……悪かったな」
魁童が、やけに神妙な声で続ける。
「なあ、子狐。おまえ、はるかと一緒に住んでるんだろ?……ってことはだな……その……あいつの裸見たりとか……することあんのか?」
「な……なんじゃと?そのようなことあるわけ……!?
もしや、お主のその鼻血の原因は……」
「わ、わざとじゃねえよっ」
そうか。
魁童は、私のあの格好を見て鼻血を噴いたのか……
納得しながら、私はなおも耳をそばだてる。
「……しかし、あやつにも男を見る目があった、ということじゃな」
「は?どういう意味だよ?」
「考えてもみるのじゃ。魁童、お主だったからよかったようなものの、これが竜尊だったら……」
二人が同時にため息をつく音が聞こえた。
「竜尊だったら……間違いなくあのまま部屋に入って、襖につっかえ棒かまして、子狐に邪魔されないようにした上で……」
「ああ。間違いなくはるかは、やつの餌食になっておったじゃろ」
いやいや、いくら竜尊でも、そんな犯罪まがいのことはしないと思いますが……
「ところで、はるかはどうしてるのじゃ?」
「そういえば、やけに静かだな」
「もしや……お主に裸を見られたことを苦にして……」
「な……なんだよ……」
「はるかはああ見えて、純情な恥ずかしがりやさんじゃからな……男に裸なぞ見られたら……」
「だからっ!その先はなんだって聞いてんだっ!そもそも、裸なんて見たって減るもんじゃなし……」
全く……黙って聞いていれば……!!
「はだかはだかって、うるさーいっ!!!」
これ以上じっとしていることが我慢出来ず、私は勢いよく襖を開けた。
「はるかっ!無事じゃったのか!?」
「無事に決まってるでしょ!?なんで、魁童に裸見られたくらいで、この世の終わりみたいに心配されなきゃいけないの?」
心配してくれている久遠には悪いが、私は思いきり喚き散らした。
「おまえって……さすがだなぁ」
魁童が、感心したように呟く。
「は!?何が?」
私は、喚いた勢いのまま魁童を睨み付ける。
そんなことにはお構い無しで、魁童は私に問いかける。
「異界の女ってのは、みんなそんなふうに肝が据わってんのか?」
……予想外の反応と言葉に、私の思考回路が止まる。
ほめられてるのか、けなされてるのか……
多分……魁童としては、女のくせに細かいことにこだわらない私に、素直に感心しているのだろう。
私は大きく息を吐くと、とびきりの笑顔を作ってみせた。
「さ、魁童!支度できたから遊びに行こっ!!」
「ああ、そうこなくっちゃ」
魁童も、いつもどおりの眩しい笑顔を私に向けてくれたが、一瞬真顔になる。
「あのさ……はるか」
「ん?どうしたの?」
「驚いて目をそらしちまったから……実際のところは、ほとんど見てねえからな……んじゃ、行こうぜっ!」
ちょっぴり頬を赤らめてそれだけ言うと、魁童は廊下を駆け出した。
「こりゃ~~っ!屋敷の中を走るでないっ!!!」
「ごめん、久遠。行って来るね」
鏡の前で急いで身だしなみを整えると、私は魁童を追った。
「はるかまでっ!走るでないと言っておるのに……」
久遠の叫び声を後ろに聞きながら、私は玄関先で待っていた魁童の腕に抱きつく。
「おっ……おいっ!?」
「ふふっ、なあに?」
「……何でもねえっおら、行くぞっ!」
真っ赤な顔の魁童を見上げてうなずくと、私はさらに強く魁童にしがみついた。
一日の始まりは騒がしくにぎやかだったけれど、君と一緒なら……とっても素敵な日になるはず。
これからも、いろんなハプニングがあるだろうけれど、ずっとずっと、二人でいようね。
ね、魁童。
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