この世界か終わるまで

それがあなたを愛する代償であるならば

私は喜んで地獄に堕ちよう

灼熱の炎にこの身を焼かれるよりも

あなたを求め
渇ききった身体で彷徨うことのほうが

ずっとつらいのだから



鬼とか人間とか救うとか救われるとかなんて、
もはやどうでもいい

今はただ
互いの体を貪り
快楽の海に溺れていたい


できることならば

あなたに抱かれ
このまま壊れてしまいたい

俗世から切り離された花の褥で
あなたに身を任せる

狂おしい熱を帯びたあなたの指が、舌が、深く浅く、繰り返し私の中を蹂躙し、それだけで何度も達してしまう

それでも体の芯の火種は消えることなく、更なる刺激を求め、あなたはそれに応える

「もっと乱れていいんだぜ?」

「も……だめえっ!おかしく……なっちゃ……うぅ」

「いいぜ、もっともっとおかしくなれよ……まだ、ほしいもんがあるだろ?」

胸を吸われ体を震わせてのけぞり、身をよじりながら私はあなたにしがみつく

「……て……きて……」

「しょうがないお姫様だ……」

蜜が滴るそこは、あなたのもので満たされる

「ひぅっっ……あ……ああんっ」

「たっぷり……たっぷりイカせてやる……現実なんて見なくてすむように」

あなたに貫かれると同時に、深い口付けで声を上げるのを禁じられる

「ん~んっ……んぅ~」


体の中を突き抜ける甘美なしびれに、涙がこぼれる。

闇の中を漂うような
絶頂の渦にのみこまれ、私は願う

このまま世界が終わってしまえばいいと……



背徳の果実を口にしてしまった私達は

もう戻れはしない

ともに……地獄に堕ちよう

この世界が終わるまで

指を絡ませひとつになったまま

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